親による子供へのモラハラ、言葉の暴力。精神的虐待の原因と対処法 (1/2)
心理的虐待の原因と対処法。言葉の暴力で自己否定された子どもは、大人になってから精神障害を発症したりすることもあります。誰でも加害者になる可能性がありますので、一度自分の子育てを振り返って見ましょう。
こんにちは、 メンタルケア心理士の桜井 涼です。
虐待には、心を傷つけてしまう心理的虐待・精神的虐待もあります。
どんな種類の虐待が行われても、心に傷を負うものです。
ですが、心理的虐待の場合は、養育者が投げかけた言葉や態度によって、心が大きく傷つきます。
誰でも加害者になる可能性がありますので、一度自分の子育てを振り返ってみましょう。
心理的な虐待は、身体的虐待や性的虐待のようにはっきりとした定義がありません。
体に心身症などのような、何らかの表面的な症状が起こらなければ、発見が遅れます。
なぜ、具体的な定義がないのかと言いますと、個々の子どもの感じ方によって違ってくるからです。
養育者の言動が、A君には心に大きなダメージを与えるものである場合と、Bさんにはそれほどでもないという場合があり、このように個々によって感じ方の違いが生じます。
1つの言動が、全員に当てはまるものではないということです。
多くの場合、親や養育者の言葉によって傷つきます。
平気な顔をしていても、心の中では泣いている・悩んでいることが多いのです。
その言葉とは、子どもの人格を否定するようなものがほとんどになります。
- 「お前は役立たずだ」
- 「何を頼んでもまともにできない」
- 「根性が腐っている」
- 「こんなことをするのはうちの子じゃない」、など
大人にとっては普通に叱った時に出ている言葉や、「このくらいで?」と思うような言葉かもしれません。
ですが、精神の発達段階にある子どもにとっては、人格の否定は相当にきついものですし、存在価値を見出せなくなってしまう子もいるのです。
子どもの人格否定はしつけにはならない
養育者側は、怒りにまかせて言い放ってしまう言葉かもしれません。
しつけの一環としている人もいるようですが、子どもの人格否定は、自信を奪ってしまうだけに過ぎないということを知って欲しいと思います。
養育者がどうして上の項目で挙げたようなことをしてしまうのでしょうか?
- 親としての責任を全うしなくては、という気持ちを持っている
- 怒りを抑えられないくらいのストレスを抱えてしまっている
以上の2点が大きな原因として考えられます。
そのため、怒りにまかせて言わなくてもよいことまで言い、重箱の隅をほじくるような感じでしつこく言ってしまうような事態に発展するのです。
時には冷たい態度をとってしまうこともあるでしょう。
これが子どもの心を傷つけます。
心理的虐待をする可能性のある養育者の態度
心理学者であるガルバリーノ博士らは、心理的虐待をする可能性のある養育者の態度を次のように指摘しました。
- 否定的な態度
- 冷淡さ
- 子どもに対する不適切な制限
- 極端に一貫性を欠く態度
虐待事件が起きると、「極悪非道な親が…」のような表現をすることがありますね。
ところが、虐待は、そういう一部の人たちだけが行うものではありません。
状況や条件などが揃ってしまえば、どんな親でも起こしてしまうことがあるものなのです。
最初に「心理的虐待は定義づけに困難さがある」とお話ししました。
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