「パパ気持ち悪い!」思春期の娘が父親を嫌がる心理とは?母親はどうするべき?

どうして思春期になると、娘は父親を気持ち悪がるのでしょうか? 娘の心理と、母親ができる夫と子供への対策を紹介。娘が父親を大嫌いになるかどうかは、母親のサポートが鍵を握っています。

執筆者: 桜井 涼 職業:メンタルケア心理士、コラムニスト
どうして思春期の娘は、父親を気持ち悪がるの?

 

こんにちは、 メンタルケア心理士の桜井 涼です。

 

子どもは、思春期に入ると気持ちが乱れてしまうことが多々ありますよね。

思春期のお子さんを持った方なら誰もが経験することかと思います。


その中でも、女の子の変化にはびっくりしてしまうお父さんが多いのではないでしょうか。

「あんなにかわいく自分に寄って来ていた娘が…」と話す声を多く耳にします。


今回は、「娘はなぜ父親を気持ち悪く思ってしまうのか」、「そんな時に母親ができるサポートとは何なのか」を解説します。

 

 

思春期の娘が父親に対して悪いイメージを持つ理由

思春期が自立をするための成長過程であることはご存じのことと思います。

その中で、「反抗する」ことが多くなったり、親と距離を置こうとしたりすることもみられるでしょう。

女の子の場合、男の子よりも少し早い段階(年齢)から反抗期が始まるとされています。

父親を気持ち悪がったりするのは、親に「性」を感じ始めているからです。

 

参考:発達心理学の基礎Ⅰライフサイクル,平山諭・鈴木隆男編著,ミネルヴァ書房

 

こんな行動は、娘に嫌われる!

この時期に父親が次のような行動を取れば、悪いイメージを持ちます。

 

  • 入浴後にバスタオルのみや下着姿でいる
  • 娘の服装をジロジロ見る
  • 夫婦ゲンカが絶えない
  • 自分の都合の良い時だけ話しかける・接触をする など


思春期女子が、「性」を意識しはじめる年齢に達したら、父親であることは分かっていても、心が反応してしまうのだということを覚えておいてほしいと思います。

 

女性学評論に、『父親に対する娘の嫌悪感についての研究』が掲載されていました。
当時、神戸女学院大学人間科学部人間科学科学生だった岩崎かおりさんが、307名の女子高生を対象に調査したものです。

その結果、「両親のことを仲が良いとみなしていない」、「父親と会話をしない」、「父親とあいさつをしない」女子高生ほど、父親を不潔と感じていたり、父親と接触したくないと思っていたりすることがわかりました。

その調査の中で、「父親と一緒にテレビを見る」や、「夕食を食べる」といった同一空間で行動することは、父親を嫌だと感じることには関係がなかったそうです。

夫へのサポート

娘にとって、母親は大人の女性のお手本です。

その親が男性(父親)に嫌悪を示したらどうでしょう。

娘も同じように嫌悪を示すことにつながります。

父親の「悪口」は言わない

先ほどの調査結果を見てもお分かりになると思いますが、夫婦仲が良くないと感じると、どうしても父親を良くないと見てしまうのです。
ですから、娘がいる前で父親の悪口などを言わないようにする配慮が必要です。

ニオイ対策を万全に

40~50代によくある悩みに「ニオイの問題」があります。

この年齢は、加齢臭とは違った頭皮からの脂が原因となって臭う「ミドル脂臭」がします。


このニオイは、古くなった油が悪くなったニオイがするので、思春期の娘にしたらたまらなく嫌だと感じるようです。(もちろん、妻も嫌でしょう。)


これらは、次のようなことを心がけることで、ある程度は解消できます。

 

  • バランスのよい食事を摂る
  • シャンプーを専用のものに変える
  • 洗濯する際に色物の漂白剤を使用する
  • お湯で洗う など

 

「お父さんのものと一緒に洗濯しないで!」などと言いだしたら、ニオイに嫌悪が表れてきたと思ってください。

 

湯上りに着るルームウエアを用意!

「性」を感じてしまう年代です。

下着姿やバスタオル1枚で過ごさないように促しましょう。

父親からすれば、「家にいる時くらい自由でいたい」と思うでしょう。

それは当然のことです。

 

でも、娘を思うのであれば、この時期くらいは作務衣や甚平などさっと羽織れるものを用意して、乗り切れるようにしてあげてもいいのではないでしょうか。

娘へのサポート
父親のどこが嫌なのかを聞き出す

娘と一緒に出かけるなどした時(ガールズトークのような感じで)に、「父親の何が嫌なのか」をたずねてみてください。

嫌だと感じている部分で、夫と相談して改善策を取ることができるものがあるかもしれません。
また、内助の功によって解決するものもあるかもしれないからです。

 

夫のことを相談してみる

娘の前では、夫の悪口は言わないようにすることが鉄則ですが、娘だからこそ相談できることもあります。

その辺は、娘に頼るようにしてみるといいでしょう。

 

例えば…
  • お父さんが髪型の変化を気づいてくれないんだけどどうしたらいい?
  • お父さんとケンカしちゃった。どうやったら仲直りできるかな? など


まずは、同性である母親が、娘の話や思いを聞いてあげることが大切です。

おわりに

夫婦のことは、他人がとやかく言えるものではありません。

たとえ、子どもであったとしてもです。

 

でも、子どもは両親の不仲に敏感で、父親の悪口を言っている母親の姿や、あいさつを交わさない2人を見るのは、心のざわつきを強めてしまいます。

思春期の娘のために、協力が必要であることを夫婦間で話し合っていただければ、父娘の関係を良くすることになるでしょう。

 
 コラムニスト情報
桜井 涼
性別:女性  |   職業:メンタルケア心理士、コラムニスト

元学習塾講師。妊娠出産のハプニングを乗り越え、現在は2児の母。
その頃より子どもの心の動きや医療に関係することに興味を持つ。

2009年より文筆家として活動。
子どもの心に関するコラム、子どもの心が正常に育つために夫婦へのアドバイス、子どもの病気関係を取材しコラムを執筆中。
心の闇を抱える子どもへの取材や心理学を学び、2016年「メンタルケア心理士」資格を取得。

ブログ『フリーライター桜井涼のたなごころ』
http://ameblo.jp/miehime0617/