ピアニスト厳選!ベートーヴェンを題材にした、感動する映画4選

ベートーベンを題材にした映画を紹介。音楽作品としても楽しめるため、おうちデートやおうちカフェにもおすすめ。古い作品から新しい人気作品まで4つご紹介します。

執筆者: 小川 瞳 職業:ピアニスト
大作曲家「ベートーヴェン」を描いた映画を見たい!

こんにちは。ピアニストの小川瞳です。


音楽の歴史において、「ベートーヴェン」は非常に重要な存在です。
宮廷音楽の形にとらわれることなく、自由な音楽性を発揮し、音楽をひとつの芸術に仕立てたのはベートーヴェンだからです。

 

たとえば、ベートーヴェン以前の偉大な作曲家といえば、「バッハ」や「モーツァルト」です。
そして、ベートーヴェン以後には、「ショパン」や「チャイコフスキー」がいます。
”ロマン派”と呼ばれるショパンやチャイコフスキーの音楽は、非常に個性があり芸術的ですが、それはベートーヴェンがそういった音楽の世界を作り出したからなのです。


今回は、世界の音楽界に大きな変化を与えたベートーヴェンを取り上げた、素晴らしい映画をご紹介します。

 

 

楽聖ベートーヴェン(1936年・フランス)

フランス映画らしい美しさも印象的なこの映画は、2人の女性の視点から見たベートーヴェンを描いています。


ベートーヴェンの周囲にいた著名人の手記をもとにストーリーが作られているので、恋愛、難聴、さまざまなエピソードがリアリティに溢れています。
クライマックスは、大変有名な「第九」のエピソードで締めくくられていて、心揺さぶられる作品です。

エロイカ(1950年・オーストリア)

エロイカとは、「英雄」という意味で、ナポレオンのことを指しています。
この映画は、ベートーヴェンの生誕180周年を記念して、ベートーヴェンの半生を描いた作品です。


英雄ナポレオンを慕うベートーヴェンの気持ち、次第にナポレオンの独裁に絶望するベートーヴェンの気持ち…。

そういった時代の変化もよく分かるストーリーです。


前回のコラムでご紹介した「モーツァルトの恋」と同じ製作者によるもので、ウィーン・フィルハーモニー・オーケストラや、ウィーン少年合唱団などの名演奏も楽しむことができます。

 

不滅の恋 ベートーヴェン(1994年・アメリカ)

ベートーヴェンの死後、「自分の楽譜と財産のすべてを不滅の恋人に捧ぐ」という遺書が発見された、という劇的なエピソードで始まる映画です。


ベートーヴェンの秘書が、不滅の恋人を探すというのが主なストーリーで、不滅の恋人候補の何人かの女性の回想により、ベートーヴェンの生涯を追っていくスタイルです。
ベートーヴェンが政治や恋愛関係に翻弄されたさまがメインでありながら、不滅の恋人探しがミステリー的であるとも言われています。


ロンドン交響楽団によるクオリティーの高い演奏、名チェリストであるヨーヨー・マの演奏など、音楽作品としての聴き応えもばっちりです。

 

敬愛なるベートーヴェン(2006年・イギリス/ハンガリー)

伝記映画でありながら、架空の女性との交流を描いている斬新な作品です。
その女性は写譜師という設定で、「第九」作曲のベートーヴェンを支えた存在として描かれています。
「第九」作曲時のベートーヴェンは、重度の難聴にさいなまれていたため、写譜師のサポートが重要になっていたのです。


「第九」初演の際も、難聴のせいで指揮することに大きな不安を抱えていたベートーヴェンに、その写譜師がこっそりと合図を送って、ベートーヴェンの指揮を成功させたというストーリーになっています。

 

おわりに

非常に大きな苦しみに耐えながら、後々の音楽界に絶大な影響を及ぼしたベートーヴェン。
その人生を知ることで、あなたも前向きに生きていくことができるかもしれません。

 
 コラムニスト情報
小川 瞳
性別:女性  |   職業:ピアニスト

ピアニストとして東京や茨城を中心に、ソロの演奏会やオーケストラとの共演など、数多くの演奏活動を行っております。
音楽心理士の資格も持ち、トークコンサートやコンクールの審査員もつとめております。
また長年に渡り執筆活動も並行して行っており、小説を3作品出版しております。
こちらのサイトでは、幼少時よりピアノを学び続け、クラシック音楽の世界に身を置く私ならではのコラムを執筆できたら、と思います。
よろしくお願い致します。
小川瞳 公式ホームページ https://ogawahitomi.amebaownd.com/

小川瞳作曲 笑顔のBGM
https://youtu.be/Qrt-stZPTb8