今、北欧ミステリーが面白い。日本語翻訳が出ている「おすすめ推理小説」6選
スウェーデンの推理小説を現地ガイドが紹介。ドラマや映画になりそうなほど面白い、日本語訳されている人気ミステリー本を集めました。
みなさんは北欧発の小説を読んだことがありますか?
今回は、日本語翻訳が出ているスウェーデンの小説の中から、お勧めの推理小説をご紹介します。
スウェーデン人は、推理もの、ミステリーものの小説、テレビドラマや映画が大好き。
特に、スウェーデン発の推理小説やミステリーは、社会の闇が背景にある等、実際に起こってしまいそうなリアルな設定が多いのが特徴です。
ですので、舞台となる場所も、実際にある地名、レストラン名、道の名前などが使われていて、旅行する前に読めば、実際にその場所を訪れる「聖地巡り」なんてこともできてしまいます。
内容も、日本のようなほんわかしたものは少な目で、暗い人の闇などを映し出すダークなものが多いようです。
ハリウッドでも映画化!「ミレニアム」3部作 スティーグ・ラーソン(著)
「ミレニアムシリーズ」と聞けば、パッとわかる人も多いかと思います。
スウェーデンが誇る、1番と言っていいほど有名な、推理ミステリー小説です。
これは、映画にもなりましたね。
スウェーデン版とハリウッド版があるので、見比べてみるのも面白いかもしれません。
作者は、スティーグ・ラーション。
「ドラゴン・タトゥーの女」から始まる3部作と言われることが多いのですが、作者は残念ながら執筆途中で亡くなってしまったので、途中からはパートナーだった女性と、もう一人別の作家の手によって書きあげられました。
社会に影響を与えるようなさまざまなスキャンダルをキャッチしている雑誌「ミレニアム」の責任者である主人公、ミカエル・リンドクヴィスト。
ある人物からの依頼で、一人の女性の失踪事件を調べることになるが、その過程で様々な妨害にあったり、裏に隠れているおぞましい殺人事件などがわかったりと、調査は困難を極めます。
そこで、パートナーが必要となり、依頼してきた人物からリスベット・サランダーという、手中にドラゴンのタトゥーが入った一人の女性天才ハッカーを紹介され、一緒に調査を進めていきます。
ドキドキしつつも、非常に楽しめる作品です。
第2部では、リスベットの過去や抱える問題、そしてリスベットの周りに渦巻く危険と闇が焦点となっています。
さらに深い、人の心が抱える闇なども書かれているので、とてもダークな作品ですが、第1部同とても楽しめますよ。
第2部の最後に重傷を負い、病院に収容されていて、精神病院送りとなりそうなリスベット。
彼女を公安警察の隠蔽工作から救うため、ミカエルや仲間が法廷での対決に挑みます。
1冊読むと、ハマってしまい、次々と読みたくなるかと思います。
まだ読んだことがないという方は、ぜひ読んでみてくださいね。
「ハンマルビー」というのは、実際にストックホルムにある場所の地名で、小説の中で出てくる地名も、レストラン名も、実際に存在します。
旅行の際に小説に出てきたレストランで舌鼓、なんていう楽しみ方も可能です。
ただ、この小説も、ミレニアム同様、「明るく楽しい謎解き」ではありません。
人間のダークな部分や、社会の闇、過去のひどい経験から引き起こされた連続殺人事件などが、細やかに描かれていきます。
作者はカーリン・イェルハルセンで、一作目は「お菓子の家」という、とても可愛らしいタイトル。
ですが、内容は無残な連続殺人事件。
病院で入院していた老婦人が退院して家に戻ると、知らない男性の遺体が転がっていたところから、物語は始まります。
犯人の心には、男性を殺害した際の高揚感と、もっと苦しめればよかった、という後悔が入り混じります。
そして、次のターゲットは…。
この事件の捜査を担当するのが、ハンマルビーにある警察署の「ショーベリ警視」率いるチームで、この連続殺人事件を捜査していく傍ら、警察のメンバーに起こる事件や、家族関係にも焦点が当たります。
第二作、第三作…と、それぞれ殺人事件は解決していきますが、メンバーや家族関係の問題はシリーズ通して続いていきます。
ですので、読むなら一作目からがお勧めです。
これは、スウェーデン最大の島であるゴットランド島が舞台の作品で、主人公は女性警官マリア・ヴェーンです。
スウェーデン人作家で看護師でもある、アンナ・ヤンソンの人気作品で、テレビで実写化もされました。
政治家を夫に持つ「エルヴィーラ」が、久しぶりに再会した幼馴染の陶芸家「マッティン」に惹かれていき、一度だけ関係を持ってしまいました。
その現場を少年に目撃されてしまいますが、その後、その少年は失踪。
少年の過保護なまでの母親は、半狂乱になって探しまわります。
関係がばれてしまうのを恐れるエルヴィーラとマッティン、失踪した少年と必死に探す母親、何が起こったのか、背景になにがあるのか、警察官マリアが真実を追う、という物語です。
この作者が執筆した作品の舞台は、全て「ゴットランド島」になっているので、上で紹介したストックホルムが舞台の作品とは、また違った楽しみがあるかもしれません。
この作品のほかにも、「死を歌う弧島」という、同じく警官マリアが主人公の作品もあるので、チェックしてみてくださいね。
この作品で作家デビューを果たした、弁護士のオーサ・ラーソンの作品です。
スウェーデンの北にあり、アイスホテルやオーロラを見ることができることで有名な街、キルナが舞台です。
主人公はキルナ出身で、首都ストックホルムで働く弁護士の「レベッカ」。
キルナで起こった殺人事件のためにキルナに戻り、巻き込まれていきます。
スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長篇賞を受賞した、2作目「赤い夏の日」でも、再びレベッカがキルナに行ったときに起こった殺人事件に巻き込まれてしまう内容です。
今度は、ミッドサマーの時期が舞台となっています。
スウェーデンのミステリーには、層が厚くて幅広く、楽しめる作品が多いのが特徴です。
学校や職場に行く際の電車の中で、暖かいひなたぼっこのついでに、様々なシチュエーションで読んでみてくださいね。
ハマること、間違いなしです。
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スウェーデン在住のYukkiです!コラムLatteを通して、スウェーデンの生活の中で見つけた面白いことや、美味しいものをたくさん紹介していきたいと思います。よろしくお願いします☆
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