イギリスの伝統的なクリスマスの過ごし方!日本では馴染みのない習慣4つ
家族や親戚が集まるイギリスのクリスマスは、まるで日本のお正月。カップルや子どもが中心の日本のイベントとは一味違う、イギリスの伝統的なクリスマスの過ごし方をご紹介します。
日本では「カップルや子どものためのイベント」という色彩が強いクリスマスですが、キリスト教徒にとっては、イエス・キリストの誕生を祝福する日。
他のヨーロッパ諸国に比べると宗教色がさほど強くないイギリスでは、家族が集い共に過ごす休日として認識されています。
年に一度、親戚一同が顔を合わせるクリスマスは、まるで日本のお正月。
一年のうちで最も華やかな、イギリスの伝統的なクリスマスの習慣をご紹介します。
日本では、24日のイブにお祝いをしますが、イギリスで晩餐をいただくのは25日。
この日は祝日で、ほとんどのオフィスや商店、公共交通機関が休業します。
翌26日は 、「Boxing Day(ボクシングデー)」という祝日。
教会が貧しい人たちのために用意したプレゼントの箱(Box)を開ける日であったことから、この呼び名がついたと言われています。
また、大きなお屋敷に仕える使用人たちがクリスマスの仕事を終え、主人から渡されたプレゼントを持って帰省する日でもありました。
暦の上で国民の祝日とされているのは、25日と26日の2日間だけですが、クリスマス前後に長い休暇を取る人が多く、家族と一緒に過ごします。
クリスマスが近づくと、親しい人やお世話になった人へカードを贈る習慣があります。
日本の年賀状と似ていますが、同居している夫婦や親子でもカードを交換します。
出入りの業者やお得意さんに出す儀礼的なものもありますが、日頃の感謝の気持ちを込めたメッセージを書いて渡すのが一般的。
いただいたカードは、クリスマスシーズンが終わるまで壁やマントルピースに飾ります。
色とりどりのカードが部屋を明るく彩るのも、クリスマスの風物詩のひとつと言えるでしょう。
クリスマスカードやクリスマスグッズのデザインとして大人気なのが、「ロビン(西洋コマドリ)」です。
イギリスではどこにでもいる野鳥で、日本のスズメのような存在。
好奇心が強く人懐っこいロビンは、人々に親しまれています。
イエス・キリストが十字架に磔にされたとき、一羽のロビンがキリストのそばに寄り添い、彼を慰めるために耳元でさえずったといいます。
茶色がかったロビンの胸元は、それ以来キリストの流した血の色で赤く染められたという伝説があります。
プレゼントを運んでくれるヒゲのおじいさんは、イギリスでは「サンタクロース」ではなく、「ファザークリスマス」と呼ばれています。
子どもたちは、プレゼントのお礼として手紙とミンスパイ、ブランデーを用意し、ファザークリスマスをねぎらいます。
日本では馴染みがないミンスパイとは、ドライフルーツやスパイスがつまったクリスマスに食べるお菓子。
その起源は、東方の三博士が、イエス・キリストの誕生を祝うために捧げた没薬だと言われています。
パイがゆりかごの象徴で、かつては、小さなイエスの像を入れて焼き上げたそうです。
イギリスでは、プレゼントをもらうのは、子どもだけではありません。
大人も子どもも、親しい人やお世話になった人に贈り物をする習慣があります。
家族に渡すプレゼントは、ツリーの下に置いて25日に皆で開けます。
大きな物をひとつよりも、こまごまとした物をたくさんあげる方がよいという伝統があり、数を確保するために、洗剤や歯ブラシなどの日用品をきれいにラッピングして贈ったりもします。
日本とは違った、家族で過ごすイギリスのクリスマス。
良いと思える習慣があれば、取り入れてみてはいかがでしょうか。
口ではなかなか言えない感謝の気持ちをカードに託し、親しい人に贈ってみるのもよいですね。
皆さんも、楽しいクリスマスをお過ごしください。
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旅行とマーケット・蚤の市めぐりが大好きな庶民派ロンドナー。
コレクションのヴィンテージ食器を眺めている時に幸せを感じます。
ロンドン発 -庶民的生活-
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Travel.jp「たびねす」にてガイド記事執筆中
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