うちの子、言葉の発達が遅いかも… 子どもから「自ら体験して学ぶ」機会を奪ってない?
他の子と比較して「言葉が遅い・反応が遅い・理解が薄い」など、乳幼児期に我が子の成長に不安を感じたときに…。知っておきたい「仮性精神遅滞」の症状と原因、解決法を紹介。
こんにちは。メンタルケア心理士の桜井涼です。
「我が子のちょっとした行動が気になって不安に思う」
親であれば、そういうことはよくあります。
その中でも、乳幼児のときに、他の子に比べて「言葉が遅い・反応が遅い・理解が薄い」ように感じたときは、ストレスを感じるほど心配になるでしょう。
今回は、そのような症状が子どもに見られる場合に考えられる原因のひとつ「仮性精神遅滞」について解説します。
「仮性精神遅滞」は、脳の異常や病気ではありません。
環境的要因で症状を見せるものです。
生まれてから3歳くらいまでの子どもは、適切な刺激を必要としています。
例えば、コップの水をこぼして冷たいと感じることや、おもちゃを口に入れて状態を知るといったことです。
ところが、不適切な環境で育てられ、このような本来必要である自らの行動で学ぶ機会が極端に減ってしまったような場合に、「仮性精神遅滞」と呼ばれるような症状が起きる場合があるのです。
【仮性精神遅滞にみられる症状例】
- 言葉が遅い
- 視線が合わない
- 言われたことを理解していない
- 周囲からの働きかけの応じない など
仮性精神遅滞は、病気とまではいきませんが、子どもの知的発達に影響を及ぼす可能性があるのは確かです。
先ほど、原因として環境的要因が考えられると書きました。
わかりやすく言うと、家庭で子どもに必要なある程度の自由を奪ってしまっていることにあります。
そこに見えてくるのは、放置・過干渉・虐待です。
- テレビやビデオなどを見せて、1日を過ごさせてしまう。
- 愛情をかけず、放置している日が何日もある。
- 子どもが自ら経験して学ぶことを、親や兄姉が先に手出しして機会を奪ってしまう。
- 愛情をかけるのではなく、身体的・精神的などの虐待をしてしまっている。
発達には個人差があるものですが、1~2日で影響が出るものではありません。
上記のようなことを長期間続けているのが良くないのです。
ときには、兄姉が下の子の面倒を見てくれることがあるかと思います。
その際に、「危ないから」とおもちゃを取り上げてしまうなど、上の子が良かれと思って先回りをしてしまう場合があります。
このようなことは、下の子がある程度自由を持てるように、親が兄姉に教えてあげることで解消できるはずです。
もし、症状が見られて「おかしいな」と感じたら、小児科を受診しましょう。
何らかの病気が隠れているケースもあるからです。
脳に異常がないと診断されたら、家庭環境の状態を振り返ってみてください。
思い当たる点があった場合は、そこを改善するようにします。
それ以外に、親からの愛情という適切な刺激が対処法となる場合もあります。
- 抱っこする
- スキンシップをとる(叱った後は特に!)
- 子どもの目を見て、笑顔で話しかける など
これらの愛情で、子供の心を満たしてあげることが大切です。
乳幼児期は、心の発達にとって重要な期間。
親からの愛情が必要不可欠であるのと同時に、自ら体験して学ぶための自由さも必要であることを知って欲しいと思います。
この大切な時期の子を持つ親は、さまざまなことが心配になるでしょう。
それを少しでも解消できるように、家庭環境を思い返してみたり、検討したりすることも大切です。
|
|
|
|