セレブなリゾート地、ハンプトンで過ごす夏のバカンス -アラン・フラッサー流「おもてなしの心」とは-

執筆者: ウリュウアキコ 職業:ニューヨーク在住のインテリアデザイナー
はじめに

インテリアデザイナーのうりゅうあきこです。

前回と引き続き、ファッションデザイナーであるアラン・フラッサー(Alan Flusser)の、セレブなライフスタイルについてご紹介しています。

 

ハンプトンに住む人たちが、これほどの大豪邸に住むには理由があります。

 

もちろん、多忙な日常を離れて完全なプライバシーのもと自分たちが寛ぐため、または、家の財産を引き継ぎ守るため、というのもありますが、なによりも彼らは大変社交上手なのです。

 

週末はたいていゲストを招いて、週末の数日間を一緒に寛ぎます。

それはまるで生まれ持った才能のようなもの。

小さいときからプロのベビーシッターに育てられていたり、大人の社交場を出入りするうちに自然とマナーを身につけ、自分だけでなく周囲をもリラックスさせる技を持っています。

 

ダイニングルームは社交の場

 

こちらはいくつかあるダイニングルームの一つ。

壁紙はペパーミント・グリーンにピンクの花柄がアクセント。テーブルクロスや壁の絵で、ローズピンクをリピートしています。
天井はゴールド色で、ベネチアンペイントと呼ばれる仕上がりになっていました。

こちらの部屋は、おもにクリスマスなどホリデーシーズンに使われます。

 

ディナーはシェフにおまかせ

普段はメイドが朝と昼の食事を用意してくれましたが、ディナーは通いのシェフがやってきました。

 

前日までにアランは写真付きの豪華な料理本を捲り、ブックマークします。

そしてシェフに「xx日はこれとこれを作るように。人数はxx分、ディナーの開始はxx時。デザートはこれを頼むよ」などと、細かく指示を与えていました。

それを受けてメイドが買出しをし、シェフが腕を振るう、というチームワークです。

 

 

一番使われていた部屋がこちら。全体はイエローの色調です。

テーブルの上は、普通の家だったらシャンデリアですが、アランがデザインしたおもちゃのお城を模った照明が飾られ、壁にはくるみ割り人形の兵隊さんを思わせる置物が飾られています。

思わずにこりと笑いたくなるような、ユーモアのあるお部屋ですね。

 

朝の目覚めはガーデンテラスでゆっくりと

 

こちらはガーデンテラス

朝はゆっくり目覚めて、自分で冷蔵庫を開けて、オレンジジュースを飲みながら綺麗な空気を吸う。

鳥のさえずりに耳を傾け、アランの著作を読んでいました。

すると、どこからともなくメイドが、コーヒーと新聞を持ってきてくれました。

 

自分のことは自分でする習慣の私には少し躊躇いがあったものの、アランの心遣いと思って、お言葉に甘えて委ねました。
その代わり、食事の支度や後片付けは出来るだけお手伝いさせていただきました。

 

ゲストルームに主人の心遣いを感じる

 

いくつかあるゲストルームの一つ。今回はこちらのお部屋で滞在させていただきました。

全体はブルーの基調色で白がアクセント。ビーチを思わせる、爽やかなカラーコーディネーション。
昼間はプールサイドで過ごし、部屋に戻るとメイドがきちんとベッドメーキングしてくれていました。

部屋全体はブルーですが、バスルームはピンクと白で統一。

タオル、石鹸、ボディークリームにいたるまで、すべてピンクか白で統一。

ゲストの好みになるよう、アランがメイドさんに指示して全てとり揃えて下さっていたことに感動です。

寝るときでさえ、そんな心遣いを感じました。

 

プールの温度調節は前日から

 

昼間はプールサイドでごろごろと横になっておしゃべりをしたり、お昼寝をしたり、プールに入ったりの繰り返しです。

その間、メイドは私がオレンジジュースが好きと察したのか、時間を見計らって持ってきてくれるなど、こまごまとお世話をしてくれました。

プールのメンテナンスは結構大変なはず。

前日から温度調整を始め、当日はお客さんである私たちの到着時に合わせて、アラン好みの完璧な温度になっていました。

 

さいごに

引用元 www.alanflusser.com


昨年は建物やインテリアをつぶさに観賞したのですが、今年はアランがどのようにメイド達に指示をするかを観察していました。

自分ひとりでは賄いきれないほどの大きな豪邸に住む場合は、何人かのお手伝いしてくれる人たちに、常に明確な、細かい指示を与えることが重要です。
大抵の場合は会社の社長など、はっきりした好みやビジョンが常にあり、日頃から人に指示するのが得意な人たち。
メイドやシェフも、注文が細かいほどプロフェッショナル性を発揮し、やりがいをもって従事しているという感じでした。

こちらはニューヨーク流の洗練された人たちの例ですが、お手伝いさんを雇うのが普通な国に滞在している人たちにも、指示の仕方は応用できる筈です。

もちろんお金があるからこのようなライフスタイルが送れるわけですが、まずは自分の好みを確立し、その選択をきちんと表現できることが、本当の豊かなライフスタイルを実現する基本なのかもしれませんね。

 
 コラムニスト情報
ウリュウアキコ
性別:女性  |   職業:ニューヨーク在住のインテリアデザイナー

1992年よりアメリカ在住。10年以上米系の建築事務所でインテリアデザイナーとして勤務の後、現在はフリーランスで仕事を掛け持ちしつつ、日本向けに海外のインテリアやライフスタイル情報を発信中。
ブログ http://interiorgirlsguide.com (インテリアガールズガイド)

 

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