珈琲がもたらす身体への健康効果・効能! -幻の超高級コーヒー豆「コピ・ルアック」の味と歴史-
こんにちは、管理栄養士・ダイエットコーディネーターの水谷俊江です。
アラビア半島で飲まれるようになったコーヒーが、ヨーロッパに渡ってきた17世紀。
当時のヨーロッパのカトリック信者達は、イスラム教の国からの黒いその液体を「悪魔の飲み物」と忌み、嫌っておりました。
そのような時代、コーヒーに魅了されたローマ教皇クレメンス8世は、コーヒーに洗礼を施して、クリスチャンの飲み物として認めたと言われています。
しかし、時は流れても「コーヒーのカフェインは体に悪いもの」「コーヒーには中毒性がある」と悪者扱いを受けていた時代も、長く続いていました。
ところが近年、「コーヒーは緑茶以上にがんや糖尿病の予防に有効」という、コーヒー愛好家に嬉しい報告が続いています。
コーヒーを飲むと、運動をした時と同じく、糖が体の中で消費されやすくなります。
糖尿病やがん細胞の増殖を促す「インスリン」の過剰な分泌を抑え、がんや糖尿病の予防が期待出来るという内容です。
コーヒーを日常的に飲む人は、肝臓がんのリスクが約半分に減少すると言われています。
さらに、1日5杯以上飲む人は、発生率は4分の1にまで低下しているというデータも発表されているほど。
また、コーヒーのカフェインには、ストレスを軽減させる効果や、自律神経を活性化させ、脂肪燃焼を高める効果があるとも言われています。
運動30分前にコーヒーを飲むと、脂肪燃焼に特に有効との報告もあります。
さらにコーヒーに含まれる「クロロゲン酸」をはじめとする抗酸化物質が、肝炎などの炎症の進行を抑えるということは広く知られるようになってきています。
ただし「クロロゲン酸」は、高温の焙煎では壊れてしまいます。
抗酸化作用を期待するならば「浅煎りコーヒー」がお勧めです。
酸味が強めで、色が薄いアメリカンタイプのコーヒーです。
先日、幻のコーヒー「コピ・ルアック」をいただきました。
その香りとお値段は、私の経験をはるかに超えているものでした。
産地はインドネシア。
現地語でコピはコーヒー、ルアックはジャコウネコを意味します。
ジャコウネコの名前は、その分泌液がジャコウ(ムスク)と良く似ているところからです。
実際、霊猫香と呼ばれ、香水の原料になっています。
妖しくセクシーなその香り。
クレオパトラは薔薇と調合して、身にまとっていたと言われています。
また、日本でも有名な映画「かもめ食堂」の中でも、コーヒーを美味しくするおまじないとして唱えられていましたね。
さて、インドネシアの動物ジャコウネコは、さくらんぼのような、コーヒーの完熟した赤い実を食べます。
その量1日1kg。
果肉や果皮は消化しますが、コーヒーの豆は消化されずそのまま出てきます。
そのコーヒー豆を、もちろん綺麗に洗って焙煎します。
そうして出来たのが先ほどの「コピルアック」。
ジャコウネコの体内にある、消化酵素や腸内細菌で発酵します。
元々は植民地時代、領主が収穫の全てを取り上げてしまうため、一般市民はジャコウネコの落し物を洗って飲んでいたことが始まりだと言われています。
リッツカールトン東京のラウンジでは、1杯3,500円~にていただくことが出来たのですが、今年の4月からは1杯7,000円となってしまいました。
夏には世界的なコーヒー豆の高騰、不足されるとの予測から、提供すらなくなってしまいました。
しかし諦めることはありません。通販で取り寄せることが出来ます。
家で挽いて淹れても、1杯500円也。
待ち望んでいた、胸騒ぎのその香り。
噴煙のように立ち上る芳香はストレートに鼻を打ち、爽やかではあるけれど、クセも強い香ばしい香り。
香りに比べ、味わいは上品で大人しいような気がします。
毎日のコーヒーは、ポリフェノールを意識するため浅煎りで砂糖抜きにして、牛乳或いは豆乳を少しだけ入れるのがお勧めです。
健康のためには、砂糖、コーヒー用のクリーム(植物性の油です)は控えた方が無難でしょう。
また、カフェインは刺激物ですので、胃腸の調子が悪い時は飲むのを止めて下さいね。
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管理栄養士としてクリニックでのダイエットや腸活アドバイスなど2000人以上の相談業務に携わってまいりました。
アーユルヴェーダセラピスト、風水鑑定士の資格もあり、このコラムでは西洋医学の栄養学だけでなくインド、中国の叡智を取り入れた新しい健康アドバイスをご紹介します。
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