失敗しない空間コーディネート!広さを演出する色・素材・柄物の選び方とは

執筆者: 五十嵐 洋介 職業:まちづくり、地域クリエイター、住宅・不動産ライター
はじめに

こんにちは、山形県へのUIターン移住支援を行っている五十嵐洋介と申します。

 

私はこれまで設計デザインやインテリアコーディネーター、住宅雑誌のライターの仕事に携わり、この経験を活かして、移住を希望されている方に対してお住まい探しのアドバイスを行っています。


今まで家を建てた方にたくさん接してきましたが、家づくりで大変だったところ、苦労したところ、失敗したところなどを伺うと、大抵「色決め」や「内装選び」「インテリアコーディネート」について振り返ります。

 

そこで今回は上手な空間のコーディネート方法、床や壁、天井の色や素材の選び方、組み合わせ方を、簡単ではありますがご紹介していきたいと思います。 

 

空間コーディネートはなぜ難しいのか

床や壁、天井のコーディネートが大変なのは、あまりに建材や商品が世の中にありふれているからです。

 

クロス(壁紙)などのカタログは分厚いですし、何千枚の中から選ぶことになります。

また、様々なメーカーがあり、メーカーによって機能やデザインも全く異なります。

サンプルも決して大きくはないので、この中から自分の理想の物を探すことに、多くの方が苦労しているようです。 

 

 

基調色から始まる空間創り

そこで、出来るだけ失敗しない空間をつくるためのヒントをご紹介します。

 

それは「基調色」を1つ決め、色味を絞り込むことです。

具体的には床を明るい色にするのか、暗い色にするのか。

もう少し分かりやすく言うと、ホワイト系、ナチュラルなベージュやライトブラウン系、ダークブラウン系の3パターンの中から選ぶと良いでしょう。

 

そして色は床、壁、天井の順に明るい色を選んでいくと、失敗はぐんと減ります。

例えば基調色(床の色)にダークブラウンを選んだ方は、壁にベージュもしくはホワイト、天井にホワイトを持ってくると、まとまって見えます。

明るい色を上部に持ってくることで天井が高く見え、より開放的な空間が演出されるのです。 

 

個性を魅せるアクセントカラー

中には「それじゃつまらない」という方もいるのではないでしょうか。

その方は、床よりも壁や天井に暗い色を選ぶことで、確かな個性は生まれます。

 

しかしながら圧迫感は否めません。

そこで、私は部分的にアクセントを取り入れることをお勧めしています。

 

例えば、壁の一面だけ柄クロスを取り入れたり、色を変えるだけで個性的な空間に生まれ変わります。 

 

素材の違いでオリジナリティを演出

単にクロスの色や柄を変えるのではなく、素材を変えるというのも大きな効果を生みます。

例えば、床には無垢材、壁には漆喰や珪藻土、タイルといった自然素材を採用することで、豊かな質感や温もりを演出することが出来ます。

 

最近は、珪藻土クロス、紙クロス、布クロスなど、クロスの中にも質感豊かなものが増えてきているので、ぜひチェックしてみて下さい。

 

 

柄物の選び方

柄物を選ぶときは、柄の大きさが開放感に影響します。
これはファッションにも共通するのでぜひ覚えていてほしいのですが、柄が小さい方が、空間には広がりが生まれます。

洋服ならば柄が大きい物の方が太って見え、小さい物の方が痩せて見えるのです。

さらに横ストライプは横に広がりを生みますが、天井は低く見えます。
逆に、縦ストライプは縦に広がりを生みますが、横の広がりは減少します。
また、同じストライプ柄でも、例えば大きな幅のストライプは、小さな幅のストライプよりも膨張して見えます。

 

 

おわりに

ここまで色の組み合わせや素材の使い方をご説明してきましたが、失敗しないポイントは「出来るだけ開放的に見える空間」を目指すことです。

 

例えば床をダークブラウン系にして壁と天井を明るい色にする方法、思い切って床から壁、天井までホワイト系でまとめるのもよいでしょう。

また、床にダークブラウン系を取り入れた場合、壁や天井にブルーやグレーといった寒色を持ってきても、空間に遠近法のような効果が生まれ、広く見えます。

 

「大きな空間を想像出来ない」という方は、まずは自分自身のファッションにたとえてイメージしてみるのも一つの手かもしれません。 

 
 コラムニスト情報
五十嵐 洋介
性別:男性  |   現在地:東京都  |   職業:まちづくり、地域クリエイター、住宅・不動産ライター

1982年、山形県酒田市生まれ。
早稲田大学 法学部を卒業後、大和ハウス工業株式会社に入社し、同大学で建築学を学びながら、住宅・マンション・インテリアの設計、都市デザインに従事。その後、SUUMO(株式会社リクルート)をはじめとする住宅・不動産媒体のライターとして活躍し、今まで200社を超える企業や経営者を取材・執筆。
現在、「株式会社 ainak」を設立し、地域活性化、まちづくりに携わる。「酒田市を音楽のまちへプロジェクト」代表。ヤマガタ未来LAB.にて「住まいのナビゲーター」としても活動し、山形県へのUIターン移住支援を行っている。

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