「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」にある社会保険料控除の書き方!年末調整書類で損をしない申告方法

執筆者: ヨースケ城山 職業:節約アドバイザー
はじめに

節約アドバイザーのヨースケ城山です。
節税の基本は各種控除をきちんと確定申告することですが、実は知らなくて損していることも多いものです。

 

社会保険料控除もその一つ、皆様がお得になるところを今回はご紹介したいと思います。

 

 

年度の途中の転職で国民年金や国民健康保険に加入した方

給与所得者の方は、毎月の給料の中から健康保険料を天引きされていると思います。


ここでまず気をつけて欲しいことは、年度の途中で転職や退職をした方についてです。
退職をして無職になった場合は、自分で確定申告をする必要があるので申告漏れはないのですが、転職などをすると会社が年末調整をしてくれますので、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出する際に、いつも通り提出してしまいがちです。

 

該当者は社会保険料控除の記入を忘れずに

今の転職先に移るまでの間に国民年金、国民健康保険に加入した人は、年末調整の際に「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」の用紙の右下に、社会保険料控除を記入する欄がありますので、ここを必ず記入して必要書類を添付して、会社に提出をしましょう。

 

ここで記入を忘れて損している人が多いのです。

また確定申告は5年間遡及適用されますので、例えば4年前の転職の時、もしかしたらというのがあれば提出可能ですので、必ず提出しましょう。

 

過去の国民健康保険料の滞納分を支払った場合

過去に国民健康保険料滞納分があり、その滞納分を支払った場合は、その支払った年の社会保険料控除になります。

訳があって滞納していて、今現在支払い能力があるという方は、支払った方がお得になります。

 

しかし、滞納延滞金が発生している場合、延滞金は社会保険料控除の対象にはなりませんので注意が必要です。

過去の国民年金の滞納分や免除分を支払った場合

リストラや自発的失業などで、国民年金に加入してはいるが、支払いが出来ずに滞納や免除をしてしまうとうことも長い人生ではあることでしょう。

しかし安定した仕事に就いて、過去の滞納分、免除分を支払った方がお得かも?なんて思うこともありますよね。

国民年金には時効があります。

本来は2年前までしか支払うことは出来ませんでした。

 

しかし最近の特例などもあり、滞納分、免除分とも過去10年間まで支払うことが可能になっていますので、検討をして欲しいと思います。

ただし、両制度とも2年前以上の納付には延滞金、追加納付金が発生しますので注意をして下さい。

滞納分について

滞納分については、後納と呼んでいます。
平成24年10月1日から平成27年9月30日までの間に限り、申し込みによって事後納付(後納)することが可能となっています(後納制度の創設)。

 

後納制度の対象となるのは、過去10年以内の未納期間に限られ、古い保険料から順次納めることになります。

この特例はあと1年間に限られます。

特例終了後は、また2年間の時効に戻りますので、滞納していた人はあと1年間のチャンスになります。

 

後から年金額を増やすのは難しいので、良い機会ととらえて後納制度を活用して下さい。

(国民年金の制度には60歳から65歳まで任意加入という制度があり、そこで加入月数を増やすことが可能ですが、実際に60歳から国民年金を支払っていくことは難しいのが現実です)

 

免除分について

免除分については、追納と呼んでいます。

追納の対象となるのは、過去10年以内の免除および猶予期間に限られ、古い保険料から順次納めることになります。

追納に関しては、年金額の一部を免除の種類に応じて、税金から補てんがされております。

よって追納に関しては、追納をした方がお得かどうかの判断が求められるケースもございます。


何でもかんでも追納すれば良いのではなく、専門家に相談するか、詳しい方に聞くのが一番良いと思われます。

おわりに

所得控除を上手く活用することによって、所得税、住民税が安くなります。

過去の分の社会保険料控除も支払って上手く節税をしていくことも可能です。

 

また、確定申告は時効が5年間となっています。

滞納分、追納分を支払ったのに過去申請を忘れてしまった方も、まだ間に合いますので申請を行いましょう。

 
 コラムニスト情報
ヨースケ城山
性別:男性  |   職業:節約アドバイザー

社会保険労務士合格者

ファイナンシャルプランナー

住宅ローンアドバイザー

年金アドバイザー

1973年生まれ。大学卒業後、商売の基本を学ぶため大手100円ショップに入社。1円単位の原価計算の重みを知る。その後、大手スーパーに転職し、値引きやタイムセールを担当。リアルな現場での駆け引きや相場観を養う。またその手腕により東京地区エリアマネージャーとなり、新人採用を年間4000人担当した。

著書「給料そのままで月5万円節約作戦!!」の中では固定費の削減を中心に
ラクして貯めるをモットーに活動している。

ブログでいつも取り上げているテーマは節約全般、社会保険労務士試験 住宅ローン 労働問題 ブラック企業 障害年金 40代の転職 出版について 潜在貯蓄 教育についてなどになります。興味がある方は是非ブログも覗いてみてください。

著書は『給料そのままで「月5万円」節約作戦!』(ごま書房新社)。本の内容は、『らくらく貯蓄術。住宅ローン地獄に落ちない為の家計防衛のススメ。』
http://kotukotushinai.jimdo.com/
にもまとめられている。

ブログ『節約アドバイザー ヨースケ城山ブログ』http://ameblo.jp/yousukeshiroyama
では、節約だけではなく転職活動、著書、社労士、FPのことを配信中。

【著書】
2012年 給料そのままで「月5万円」節約作戦【ごま書房新社】より発売
2015年 給料そのままで「月5万円」節約作戦がkindle化されました。
2015年 「kindle無料キャンペーン」でベストセラーランキング1位を獲得して販売につなげる方法 発売。
2016年 給料そのままで「月5万円」節約作戦 増補改訂版発売
2016年 「子供の教育費は削りなさい!」奨学金利用者50%以上時代の新教育費計画発売
2017年 給料そのままで「月5万円」節約作戦 増補改訂2版発売
2017年 老後資金は49.9歳までに貯め始めなさい!: 私の老後に必要な資金は2164万円です あなたの金額は? 発売
2017年 人生の3大支出「住宅」「教育」「老後」を節約しなさい!お金の裏技3冊セット: この3つを節約すれば他の節約は不要!発売

 

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