大学の授業料無償化が本格化?安倍政権の新たな「教育費無償化」制度の可能性

大学の教育費無償化が実現されると、どう変わる?検討されている内容や、現行の大学生給付型奨学金制度との違いなど、最新の情報を紹介。

執筆者: ヨースケ城山 職業:節約アドバイザー
大学の授業料無償化が本格化?安倍政権の新たな「教育費無償化」制度の可能性

節約アドバイザーのヨースケ城山です。

自民党の圧勝で終わった今回の総選挙、「教育費無償化」を看板に掲げていましたが、実際にはどのようになるのでしょうか?

最新の情報では、2019年10月度に消費税率を8%から10%に引き上げた後に「教育費無償化」が始まる予定です。

今回は、その概要をご紹介します。

 

どんなことが検討されているの?

2017年11月9日、政府が検討している高等教育の無償化について、次のようなニュースが発信されたのをご覧になった方もいらっしゃると思います。

 

検討中の案によると、高等教育では、住民税の非課税世帯の学生を対象に、国立大学の授業料を原則無料にする。授業料が高い私立大学では、国立大と授業料の平均額を比べ、その差の半分ほどを国立大の免除額に上乗せする方針だ。


さらに、生活費の支援として、返済のいらない給付型奨学金を大幅に拡充。最も費用がかかる「私大・下宿」の学生の場合、年100万円程度を支給するとしている。無償化の対象にならない一定の低所得層にも、給付額を段階的に減らす形で給付型奨学金を配るなど、無償化対象の世帯との格差が極端にならないように配慮する方向だ。

 

  • 引用元:朝日新聞デジタル「高等教育などの無償化、住民税非課税世帯で検討 政府」http://www.asahi.com/articles/ASKC85F38KC8UTFK01B.html

 

いずれも財源は、2019年10月の消費増税の税収増で賄い、増税後に実施する予定で、高等教育の無償化に8千億円弱が必要と試算されています。

今後の動きに注目です。

 

現行の大学生給付型奨学金はどうなっているの?
概要
  • 2018年度に本格導入される
  • 住民税非課税世帯の学生に月2万~4万円を給付
  • 1学年あたり2万人程度を想定
  • 必要な資金は200億円程度を見込む
  • 2017年度は、児童養護施設退所者等と、低所得世帯(住民税非課税世帯)で自宅から通えない私立大学に進学した人に対してのみ先行して実施

 

給付額は、月2万~4万円

新設される国の給付型奨学金の給付額は、月3万円をベースに、進路など負担に応じて給付額が調整されます。
次のような給付額が想定されています。

国立・自宅 =2万円 /月

国立・自宅外=3万円 /月

私立・自宅 =3万円 /月

私立・自宅外=4万円 /月

 

*児童養護施設退所者等には、別途24万円の入学一時金

 

対象者の選定方法は?

対象者の選定方法ですが、高校が推薦した生徒の中から、文科省や日本学生支援機構が選ぶことになっています。

全国に約5,000校ある高校等に最低1人以上を割り当てる形で、推薦時に活用するガイドラインに沿って、各学校が推薦規定を策定します。

 

現行の大学生給付型奨学金と「教育費無償化」の違いは?
予算が大幅増

必要な資金が200億円 → 8,000億円に増額となることから、予算が40倍必要です。

 

対象者が、住民税非課税世帯全員に

現行の大学生給付型奨学金は、住民税非課税世帯1学年あたり2万人程度を想定していますが、「教育費無償化」では、実際には6.1万人いる住民税非課税世帯全員が対象になります。

 

無償化対象外の一定の低所得層にも、給付型奨学金を支給

現行の大学生給付型奨学金は、住民税非課税世帯だけが対象であるため、無償化の対象にならない低所得層との格差が懸念されています。

そのため、無償化の対象にならない一定の低所得層にも、給付額を段階的に減らす形の給付型奨学金を支給することが検討されています。

 

国立大の年間授業料の負担額がゼロに!

現行の大学生給付型奨学金は、月額2万~4万。

年額でいうと、24万円~48万円です。

それが、授業料相当額に合わせて、次のようにアップする方向で検討されています。

 

  • 国立大学:国立大学授業料54万円を給付。
  • 私立大学:私立大学授業料は74万円です。これと国立大学授業料の差額20万円(74万円-54万円)の半額にあたる10万円を、国立大学授業料に上乗せした64万円を給付。

 

※いずれも28年度平均授業料を参考

 

つまり、次のように変わると考えられます。

 

  • 国立自宅の場合 年額24万円→54万円へアップ
  • 私立自宅の場合 年額36万円→64万円へアップ
  • 私立自宅外の場合 年額48万円→64万円へアップ

 

生活費の支援も

現行の大学生給付型奨学金は、生活費まではサポートしていません。

それを、生活費の支援として、返済のいらない給付型奨学金を大幅に拡充する予定。

最も費用がかかる「私大・下宿」の学生の場合、年100万円程度を支給するとしています。

今後の動向に注目!

この政策が実現すれば、今後大学生になる予定のお子様がいらっしゃる低所得者層の家庭では、大幅な救済策となります。

現在中学生、高校生のお子様がいらっしゃる家庭では、お金がなくて進学できないということがなくなりますね。

 

また、保護者の所得に関係なく、政府が授業料を肩代わりして、学生が卒業した後に年収に応じて支払う「出世払い」制度の案も、幅広い層の学生の負担を軽減するために検討されています。

 

是非、今後の動向も確認して期待していきましょう!

 コラムニスト情報
ヨースケ城山
性別:男性  |   職業:節約アドバイザー

社会保険労務士合格者

ファイナンシャルプランナー

住宅ローンアドバイザー

年金アドバイザー

1973年生まれ。大学卒業後、商売の基本を学ぶため大手100円ショップに入社。1円単位の原価計算の重みを知る。その後、大手スーパーに転職し、値引きやタイムセールを担当。リアルな現場での駆け引きや相場観を養う。またその手腕により東京地区エリアマネージャーとなり、新人採用を年間4000人担当した。

著書「給料そのままで月5万円節約作戦!!」の中では固定費の削減を中心に
ラクして貯めるをモットーに活動している。

ブログでいつも取り上げているテーマは節約全般、社会保険労務士試験 住宅ローン 労働問題 ブラック企業 障害年金 40代の転職 出版について 潜在貯蓄 教育についてなどになります。興味がある方は是非ブログも覗いてみてください。

著書は『給料そのままで「月5万円」節約作戦!』(ごま書房新社)。本の内容は、『らくらく貯蓄術。住宅ローン地獄に落ちない為の家計防衛のススメ。』
http://kotukotushinai.jimdo.com/
にもまとめられている。

ブログ『節約アドバイザー ヨースケ城山ブログ』http://ameblo.jp/yousukeshiroyama
では、節約だけではなく転職活動、著書、社労士、FPのことを配信中。

【著書】
2012年 給料そのままで「月5万円」節約作戦【ごま書房新社】より発売
2015年 給料そのままで「月5万円」節約作戦がkindle化されました。
2015年 「kindle無料キャンペーン」でベストセラーランキング1位を獲得して販売につなげる方法 発売。
2016年 給料そのままで「月5万円」節約作戦 増補改訂版発売
2016年 「子供の教育費は削りなさい!」奨学金利用者50%以上時代の新教育費計画発売
2017年 給料そのままで「月5万円」節約作戦 増補改訂2版発売
2017年 老後資金は49.9歳までに貯め始めなさい!: 私の老後に必要な資金は2164万円です あなたの金額は? 発売
2017年 人生の3大支出「住宅」「教育」「老後」を節約しなさい!お金の裏技3冊セット: この3つを節約すれば他の節約は不要!発売