理系と文系、企業で重宝されるのはどっち?理工系学生の就職進路事情
「理系は就職しやすい、文系は就職しにくい」は本当?理数系の頭脳を持つ学生は、どの企業でも重宝されます。理数大学生が、研究室で学んだことを生かす方法とは。
こんにちは、就職コンサルタントの藤田美智です。
今回は理工系の方向けの話です。
最近は、学際的な学科も出現し、理系・文系という枠に囚われないという領域の学問も徐々には認知されつつありますが、まだまだ理系・文系という頭脳分類法は、世間の常識なのだと感じています。
ここで、気づいておかなければならないこと。
それは、文系頭脳しか持っていない人は、残念ながら理系頭脳を必要とする仕事はできないということです。
逆の場合はどうでしょうか。
たいていの場合、理系頭脳を持っている人で、文系頭脳を全く持っていないということはありません。
したがって、理系頭脳を持っている人は、文系頭脳を持っている人よりも、担当できる仕事の範囲は相当広くなります。
分かりやすい具体的な例を挙げてみます。
医師という資格を取得するには理系頭脳が必要ですが、医師でありながら小説家や詩人として活躍している人は、少なくありませんね。
ところが、私のように高校生の数学が殆ど理解できないような者に「医師になれ」と言っても、これは完全に無理な話となってしまいます。
私に言わせれば、理系頭脳≧文系頭脳という図式にも思えます。
最近は新たな学部学科名が増えて一概には言えないのですが、たいていは理工学系、農水産学系、医薬学系といった括りの中におさまります。
そういった学部学科に在籍している人に出会うと、必ず聞く質問。
それは、「どうして、その学科に行こうと思ったの?」ということです。もちろん、答えは人さまざまなのですが、大まかに答えは二つに分かれます。
やりたいこと・興味のあること・好きなことが明確な人と、なんとなくという人の二つです。
理工系の人は、やはり法文系の人に比べて学問的興味へのこだわりが強いと感じるのは、やはり、この「やりたいこと・興味のあること・好きなこと」を持つ人が多いからなのだと感じます。
大学や企業の研究機関で、基礎研究・応用研究を担う仕事には、やはり「向き不向き」があります。
前章で述べましたように、「やりたいこと・興味のあること・好きなこと」を大学・大学院でやってきた学生が、就職という次のステップに進むとき、意外にも、これが大きな問題として現れます。
基礎研究というものは、そう簡単には成果が出ませんから、修士・博士課程を了えても期待するような論文をまとめられないのが常です。
そこで、大学に助教として残れるような道がある人や、企業と共同研究している大学の研究室からその企業に就職できる人、海外の大学に留学できるような人であれば、同じ分野の研究を続けることは可能かもしれません。
そして実際に、これまで研究してきたことそのものや、その分野に近い研究をさせてくれそうな所に入りたいと考える学生は非常に多いのです。
ところが、一般企業への就職となると、そうはいきません。
必ずといっていいほど異なる分野の研究開発職の担当になります。
もっと言えば、研究開発職になれればよい方で、生産技術・特許法務・情報技術・技術営業といったように、企業において技術を必要とする裾野はとても広く、企業は、とことん人物を見極めて配属を決めます。
このように、就職する場合は、自分がこの研究分野を究めたいと思っても、そうはならないことの方が圧倒的に多いということを覚悟しておくべきです。
大学の先生方はこう言います。
「大学は研究の方法を学ぶべき場である」と。
企業に就職して、全く経験していないテーマを与えられても、「研究する方法が身についていれば大丈夫」と言うのです。
そして先生方は、こうも必ず付け加えます。
「数学が苦手、数学が嫌いな人は、研究職は無理。向いておりません」
理系頭脳を持った学生が、一時、金融証券系の企業に大量入社したことが話題になった時期がありました。
とは言っても、保険会社が昔から商品設計のために数学科の学生を採用していたように、どのような分野の企業でも、理系頭脳はとても重宝されます。
研究開発職以外でも、理系頭脳が活躍できる場は無数にあります。
理工系出身の学生があらゆる部門に配置されている企業には、とても強みを感じています。
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こんにちは!藤田美智(ふじたよしとも)と申します。これまで、書籍・雑誌の編集、上場企業における広報、人事(主に採用・教育研修、人事評価制度設計)を長年にわたって経験。現在は、東京都港区赤坂に株式会社ネクサスグリッド(略称NG笑)を設立し、就職・転職・人事戦略・組織戦略をメインとする人事コンサルティングを展開しております。このコラムでは、仕事選び・就職・転職を成功させるために、何をどのように考えて行動に移していったらよいのかについて、お話しするとともに、企業における人材採用・育成の方法、その仕組みづくりについても解説してまいります。私は現在、社員のモチベーションUPを実現する人事制度設計・導入・定着のコンサルティングをメインとして仕事をしております。人事評価制度設計だけでなく、企業の人事戦略、組織戦略、事業承継ついても多様なコンサル実績があります。個別のご相談(無料=お金は一切いただきません)、講演、顧問契約等のご依頼、諸々のご相談は、メールにてご連絡ください。「ご連絡は以下のmail addressまでお願いします(●の代わりに@を入れて送信してください)」nexus.grid.akasaka●gmail.com
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