「学歴がなくても大企業に入れる」は嘘!一流企業の新卒採用は未だ"大学名"で決まる

有名な大企業や、学生から人気の会社は、新卒を大学名で採用しているって本当?「人物重視」の裏に隠された真実とは。

執筆者: 藤田美智 職業:就職/人事戦略コンサルタント (株式会社ネクサスグリッド 代表取締役)
学歴がなくても大企業に入れる?

こんにちは、就職コンサルタントの藤田美智です。 

 

将来のことは、いくら綿密に予測したとしても、そうそう当たるものではありません。

しかし、地方にある実家に、将来帰らなければならない可能性というのは、自身で判断してもかなりの率で当たるのではないでしょうか。

 

前回のコラムでは、その対処法についてお話しました。

一度は時間をかけ、ご家族と話しておくことをお勧めします。

さて、今回のテーマは、自身の在籍する学校についてです。

 

 

大企業が大量の志望学生を人物本位で絞り込むことは不可能

実際の話として、在籍校名は一切気にせず、あくまでも人物本位のみで採用の合否を決めている会社の例はたくさんあります。

 

但し、そのほとんどが、中小・零細企業の場合に限った話なのです。
ある程度の規模の企業ともなりますと、就活サイトに求人広告を載せたりしますから、学生のリストは大量に集まります。

 

レベルの低い学校というだけで落とされる理由

こうした学生の母集団から、本気で志望してくれる優秀な学生を見極め抽出するということは、はっきり言って不可能に近いことです。

 

ですから、仮に学校の格をA群、B群、C群、D群と4つのレベルに分類したとすると、ある大企業は、C/D群の学生について、エントリーシートの内容等は関係なしに選考のふるいから落としているというのが現状です。

限られた数の採用スタッフで、出来ることは限られていますし、その初期段階で優秀な(?)学生の囲い込みに遅れを取れば、人事部長にカミナリを落とされます。

 

過去の採用実績校名リストに隠された真実

しかし、と皆さんは思うかもしれません。

超の付く一流企業であっても、毎年、C/D群の学生を採用しているではないかと。


確かに、人数比でいえばそう多くはありませんが、必ずC/D群の学生を、どんな超一流企業においても採用しています。

そういったデータを見て、頑張れば自分にもチャンスはあると必死に喰らいつく姿は健気で、つい応援したくなるのですが、はっきり言いますが、それは無駄です。

即刻、止めて下さい。

 

法文系の学生のコネ入社は実存する

超一流企業で採用されている、特に法文系のC/D群学生は、コネ入社である場合が殆どであるからです。

これは、企業側にとっても好都合なのです。

結果から見れば「出身校だけで判断していませんよ」「人物本位で採用していますよ」というメッセージにもなるので、世間受けするのです。


なお、ここで特に法文系と書いたのは、やはり各業界において理工系学生の争奪戦はかなり激しくなっているため、新興の理工系大学、新設の理工系学部から、実力で入社を決める例も数多く見受けられるためです。

 

自身の在籍する学校の社会的評価を客観的に判断する

こういった話を頭に入れて、皆さんが考えなければならないことは、自身の在籍する学校が、どのレベルの社会的評価を受けているのかということを、客観的に見定めることです。

 

採用実績校名リストを数年遡ってみよう

例えば、志望する企業における過去3年間の採用実績校名リストを見て、B/C群で7割を占めている場合。

そしてあなたが、客観的に自身の在籍校をB群と判断出来ている場合。

これは、選考に残る可能性はかなり大きいといって良いでしょう。

 

また、A群で5割以上を占めている企業にも、チャレンジしない手はないという気もします。

 

このように、過去の採用実績校と自身の在籍校のレベルを、客観的に判断するという作業をやっておかないと、100社受けようが200社受けようが、同じ結果となることでしょう。

 

面接を受けた学生は不採用でも「大事なお客様」である

特に、先のコラムで取り上げた消費財メーカーと消費者向けサービス提供会社は、志望してくれる学生、学生の家族、学生の友人等々、皆さん「お客様」ですから、嫌われたくないという気持ちをかなり強く持っています。

 

志望してくれた学生、その学生の周辺の人々には、不採用後も「商品」を買ってもらいたいし、サービスを利用して欲しいのです。

ですから、募集の初期段階では、間口を広く見せたいという気持ちが働き、採る気もない学生に対してそのような素振りは微塵も見せないのです。

 

彼らが考えることは、嫌われずに不採用とすることですから、対応が良いと感じて脈があると思うのは、大いなる勘違いである可能性が大です。

 

学歴を本当に重視しないのは中小・零細企業である

冒頭で、中小・零細企業の話をしましたが、会社の規模が小さくなればなるほど、求人広告費用は少なくなる傾向にあります。

 

小さめの会社であればあるほど、学校名などは本当に関係なしで、人物本位での採用をしている企業が多いと感じています。

D群の学生とB群の学生、どちらか1名という局面で、D群に軍配が上がる例は、枚挙に暇がないほどです。

 

謙虚に、C/D群と自己評価した方は、まずそのレベルでの内定確保を狙いつつ、余力の範囲で、志望レベルを上げてチャレンジというステップをお勧めします。

 
 コラムニスト情報
藤田美智
性別:男性  |   現在地:〒107-0052 東京都港区赤坂2-17-55 プライム赤坂216 株式会社ネクサスグリッド(略称NG笑)  |   職業:就職/人事戦略コンサルタント (株式会社ネクサスグリッド 代表取締役)

こんにちは!藤田美智(ふじたよしとも)と申します。これまで、書籍・雑誌の編集、上場企業における広報、人事(主に採用・教育研修、人事評価制度設計)を長年にわたって経験。現在は、東京都港区赤坂に株式会社ネクサスグリッド(略称NG笑)を設立し、就職・転職・人事戦略・組織戦略をメインとする人事コンサルティングを展開しております。このコラムでは、仕事選び・就職・転職を成功させるために、何をどのように考えて行動に移していったらよいのかについて、お話しするとともに、企業における人材採用・育成の方法、その仕組みづくりについても解説してまいります。私は現在、社員のモチベーションUPを実現する人事制度設計・導入・定着のコンサルティングをメインとして仕事をしております。人事評価制度設計だけでなく、企業の人事戦略、組織戦略、事業承継ついても多様なコンサル実績があります。個別のご相談(無料=お金は一切いただきません)、講演、顧問契約等のご依頼、諸々のご相談は、メールにてご連絡ください。「ご連絡は以下のmail addressまでお願いします(●の代わりに@を入れて送信してください)」nexus.grid.akasaka●gmail.com
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