レトロかわいいトイカメラ、フィルムの種類と現像時の特徴 (1/2)

執筆者: 山本穂高 職業:写真家/ロモグラファー
はじめに

こんにちは。写真家の山本穂高です。

前回の記事では、代表的なトイカメラの種類とその特徴について説明をしました。
今回は、それらカメラに必要な「フィルム」についての説明をしたいと思います。

このフィルムについての話は、トイカメラのみならず、「フィルムカメラ全般」について共通といえる内容となります。

大まかで良いので、ぜひその特徴をつかんでみて下さい。

 

フィルムがないと始まらない

トイカメラに必要なもの、それは「フィルム」です。
フィルムがないと写真は写りません。

 

デジカメにメモリーカードがないと写らないのと同じです。
では、フィルムとは何?というお話をしたいと思います。

 

フィルムとは

フィルムとは、レンズからやってきた光が当たる(感光される)と、それに反応して化学変化が起き、そこに像を焼きつけられるというものです。

そして「現像」(感光によって起きた化学変化を画像にする処理)により記録媒体となります。

 

フィルムの種類やメーカーによって違う特徴

フィルムの種類によって、そしてメーカーや製品によってその特徴は全く異なります。

鮮やかな色であったり、きめ細かい描写であったり、落ち着いた色であったり、白黒だったり、見た目と全く違う不思議な色合いであったりします。

それらの特性を良く理解して、カメラの種類と共に、「使い分け」をすることで、写る写真は見違えるように変わってきます。

フィルムの種類と特徴

それでは、代表的なフィルムの種類とその特徴について説明します。

 

カラーネガフィルム

撮った画像の明暗や色が、実物と反転して作られるフィルムのことです。

撮影後は「ネガ現像」を行います。

 

特徴としては、滑らかで派手すぎない落ち着いた色合いとなります。

失敗が少なく扱いやすいことから、最も広まった一般的なフィルムです。

 

 

リバーサルフィルム(ポジフィルム)

現像後のフィルムが、見た目と同じ明るさ・色調になっているフィルムです。

「リバーサル現像」という処理を行います。


鮮やかな色再現性や解像度の良さが高く評価され、フィルム全盛時代においては、プロやハイアマチュアカメラマンに良く愛用されました。


トイカメラファンの間では「クロス現像(クロスプロセス)」という現像方法が人気ですが、その場合もこのフィルムを用いて撮影します。

 

 

レッドスケールフィルム

通常のカラーネガフィルムを「表裏逆」に巻いてあるフィルムのことで、ネガフィルムに分類されます。

 

通常とは逆の裏面(乳剤面)から露光することにより、写真全体が赤みを強く帯びた色になり独特の世界が表現出来ます。

 

 
 コラムニスト情報
山本穂高
性別:男性  |   職業:写真家/ロモグラファー

hodachrome(ホダクローム)の名でさまざまな写真活動をしています。Lomo LC-AやHolgaなど、いわゆる「トイカメラ」と呼ばれるカメラを使っています。フィルムならではの「味わい深さ」、「レトロ感」に「独自のテクニック」を加えて、幻想的で不思議な世界の創造がメインテーマです。

【プロフィール】
1974年岐阜県生まれ。大学卒業後、趣味の写真撮影を生かすべくカメラマンとなる。さらにグラフィックデザインやイラスト等の分野でも幅広く活動も始める。2007年にトイカメラの代表格であるLomo LC-Aと出逢い、その魅力の虜となる。世界のロモグラファー・フォトグラファー達と研鑽を重ねながら、国内外を問わず写真展への参加、写真集・グッズ販売、写真講座・ワークショップ等、幅広く活動する日々を送る。

【撮影スタイル】
主にLomo LC-AやHolgaを使用し、さまざまなフィルムや現像方法、そして独自に考案したアナログならではの撮影技法を駆使して独創的で幻想的な写真を制作する。特に「多重露光」(重ね撮り)を用いた作品はhodachromeの代名詞的な作風のひとつ。主なテーマは、「日本の四季の美しさ」と「非現実な世界の創造」。

【最近の主な活動】
2011年8月 作品展「トイカメラ展 -幻想トラベル-」
2012年3月 「Fred Perry 60th Anniversary La Sardina」発売記念ギャラリー出展
2012年3月 「Fred Perry 60th Anniversary La Sardina」発売記念チャリティーTシャツ採用
2012年3月 中津川市デジタルカメラ教室講師
2012年4月 ロモグラフィーギャラリーストア・マドリード出展(スペイン)
2012年6月 「フィガロジャポン」掲載(2012.6月号)
2013年2月 「First Edition Restaurant Exhibition」出展(ロンドン)
2013年3月 作品展「Dream or Reality? in 名古屋」
2013年3月 hodachromeトイカメラ教室(名古屋)
2013年10月 「フィルムカメラの撮り方BOOK」(玄光社)掲載
2013年10月 作品展「Dream or Reality? in Malaysia」(マレーシア)
2013年10月 撮影会・フォトセミナーinマレーシア
2014年6月 作品展「Dream or Reality? in 自由が丘」
2014年7月 「Toy Tokyo」(Kingyo Books)掲載
2014年7月 作品展「30 pieces ~LC-A 30th Anniversary Exhibition~」
2014年7月 「hodachrome x gocchin トークショー ~LC-A+で撮影する多重露光の魅力、楽しさ、テクニック~」
2014年9月 「Hungry Eye」(イギリス)掲載 等

【受賞履歴】
2008年 カメラピープルみんなのまち採用
2009年 塩尻市観光ポスター採用
2011年12月 LomoGuru of the week
2012年 世界最優秀ロモグラファー2位
2012年 世界最優秀ロモグラフ1位・5位・11位
2013年 世界最優秀ロモグラファー8位 等

【著書】
「Dream or Reality?」、「Toycamera de 恵那・中津川」、「ナチュラル廃」、「トイカメラで撮った写真たち」、「四季折々の輪舞曲」等

【リンク】
hodachromeホームページ: http://www.hodachrome.com/
ブログ「Dream or Reality?」: http://hodachrome.blog10.fc2.com/
ロモグラフィー: http://www.lomography.jp/homes/hodachrome
Flickr: https://www.flickr.com/photos/hodachrome/
twitter: https://twitter.com/hodachrome2
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