皮膚トラブルを防止!犬・猫・ペットの、正しいシャンプーの選び方
こんにちは、獣医師の小野匡です。
ペットは家族の一員という考えが浸透してきた近頃、ワンちゃんのシャンプーやトリミングにも、気を遣っておられる方は多いのではないでしょうか?
今回は、間違えると皮膚病になってしまう恐れのある『シャンプーの選び方』に関してです。
- 過剰な皮脂の除去
- アレルゲンや病原体の除去
- 皮膚バリア機能改善
つまり、汚れを落とすと共に、皮膚病になりにくい皮膚を作るという事がシャンプーの目的です。
- 汚れを落とす
- 被毛に艶を与える(ふわふわにする)
- 良い香りをつける
外から見える部分を、綺麗にするという事が美容シャンプーの目的です。
特に皮膚トラブルのない健康な子に関しては、獣医学的なシャンプーであっても、美容的なシャンプーであっても問題はありません。
しかし、感染症やアレルギー性皮膚炎などの皮膚トラブルを既に抱えている子や、今は何の症状もないけれども、皮膚病の多い犬種(柴犬、シーズー、フレンチブルドッグ、Mダックス、Tプードルなど)は、シャンプー選びを間違うと皮膚病が悪化・発症する事があるのです。
最も確実なのは、現在のその子の皮膚のコンディションをチェックする事です。
動物病院へ行けば、10分ほどで分かります。
- 細菌や真菌(カビ)がいないか?
- 脂漏症(ベタつくタイプの皮膚)ではないか?
- 乾燥肌ではないか?
など、現在の皮膚のコンディションを確認する事で、適切なシャンプーを選ぶ事が可能となります。
ポロポロと大きめのフケが多く痒みが強いので、皮膚が弱いと考え『低刺激シャンプー』を使ったが、ますます痒みがひどくなった。
- 『低刺激シャンプー』とは、皮膚への刺激が抑えてある分、多くの場合『洗浄力も弱い』のです。落とすべき汚れが落とせないと、その残った汚れの中で細菌や真菌が増殖し、悪化する事があります。
- また、皮脂も落としきれない事で被毛が生乾きになりやすく、これも皮膚病を悪化させる原因となります。
冬場に粉状のフケが出始め、どうも痒みがあるようなので、薬用シャンプーで洗ったが赤みが強くなってきた。
- 『薬用シャンプー』と言っても成分は様々ですが、ほぼ確実に入っているのが界面活性剤です。
- 界面活性剤は、汚れを落とすには必要な成分なのですが、乾燥肌や重度の皮膚病の子にとっては、刺激が強すぎる場合がありますので注意が必要です。
- 特に、出血するほど掻きむしっているような場合は、傷口にシャンプーをつけるようなものです。
どの子にも使える万能なシャンプーはありませんし、1種類のシャンプーでは対応できない場合もあります。
しかし、おうちではなかなか判断できませんよね。
- ベタつきや大きめのフケが出る子には、洗浄力のしっかりした、薬用シャンプーを。
- カサつきや粉状のフケが見られる子には、低刺激シャンプーを。
- 皮膚が真っ赤になっていたり、出血するほど掻いている場合はシャンプーを使わず、ぬるま湯だけで洗うという事もあります。
シャンプーをしても、痒みや赤みが続く場合や悪化する場合は、早めに動物病院で現在の皮膚コンディションに合ったシャンプーを、選んでもらうようにして下さいね。
家族の一員である動物達に、いつも快適でいて貰える様に心がけましょう。
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滋賀県大津市のみらい動物病院院長です。
ワンちゃん・ネコちゃんと少し元気に長く暮らせるよう、獣医師の目線から見た
情報を発信しています。
皮膚病・腫瘍を得意としています。
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