いま日本酒の主流は甘口!辛口神話の崩壊から見る消費者趣向 (2/2)

執筆者: 松尾伸二 職業:酒屋


また、人間や動物にとって、甘味は本能的に食べて安全なものと判断しますので、甘味が美味しいというのは当然のことなのです。

甘味のある日本酒は、現代の料理に良く合う

フォグラなど油脂分の多い料理に甘口のワインが合うのはよく知られたことですが、日本酒も同様、フォグラや脂の強いマグロのトロなどには、甘味のある日本酒がよく合います。

 


酸味は脂を切ってくれるので、甘酸っぱい日本酒の方が油脂分の多い料理には合うのです。
日本酒だけを飲むと甘いと感じられるお酒も、油脂分の多い料理と合わせると不思議と甘さを感じなくなります。


油脂分の多い現代料理は、甘味を活かした甘酸っぱい日本酒と相性が良いのです。

 

おわりに

今、甘味のある日本酒が主流な理由は、この3点でした。

 

  • 甘味を無条件で好む人間の生理的本能にあった
  • 「男は辛口」の風潮は薄れ、自分の好みで飲むようになった
  • 油脂分の多い現代料理に合う、甘酸っぱい味わいの日本酒が求められている


消費者の趣向は変わってきています。

若者の味覚傾向や現代料理との相性などから考えて、甘酸っぱいフルーツ系のお酒は、今後日本酒の大きな流れになるでしょう。

 
 コラムニスト情報
松尾伸二
性別:男性  |   現在地:神奈川県横須賀市深田台93  |   職業:酒屋

全品試飲できる住宅街にある隠れ家的酒販店Sake芯店主

日本酒好きが高じて、日本で唯一サロン風スタイルの一客一亭の酒屋を脱サラで開業。

果物のような甘味や、柑橘類のような爽やかな酸味を基調とした、エレガントでスタイリッシュな新感覚の日本酒をコンセプトに、厳選した銘柄ラインナップを心がけて日夜テースティングに励んでいる。

フランス料理と日本酒を合わせる企画を平成5年から始め、以後毎年開催し料理と日本酒の相性を探求。