9月9日「重陽(菊)の節供」の楽しみ方6つ!和菓子や飲み物、花の香りで”秋の女子会”はいかが? (1/2)
9月9日は重陽の節供。別名「菊の節供」とも呼ばれるこの節句を、現代風に楽しむ方法を紹介。和菓子・菊茶・菊酒・菊枕、大人の女子会にもぴったりです。
こんにちは、「季節の和菓子と楽しむ日本茶サロン」主宰・日本茶アドバイザーの柳澤ゆり子です。
今回のテーマは「重陽の節供」、最近耳にする機会が増えたのではないでしょうか。
どんな意味のある節供で、現代の生活においてどのように楽しんだら良いか、分かりやすくご紹介します。
先ずは重陽についてですが、こちらは中国から伝わった考え方です。
中国の陰陽思想においては、奇数を陽・偶数を陰と考える為、「9」という数字は陽の数字となります。
また、その陽の数字の中でも最大の数字である「9」が重なるので、9月9日は「重陽」と呼ばれます。
「重陽」と呼ばれる9月9日の節供は、別名菊(古代中国では邪気を祓い長生きする効能があると信じられていた)の節供とも呼ばれる五節供のひとつであり、長寿を祈る日とされています。
中国の影響を受け、日本では平安時代(奈良時代と言う説もあり)から、宮中や寺院で菊を観賞しながら詩歌を詠んだり、菊酒を飲んだりして邪気を祓い、成就を願う宴などが行われてきたそうです。
また、前日の夜に菊に真綿を被せておき、翌朝、綿についた朝露や香りで身体を清め、不老長寿や無病息災を願ったそうで「着せ綿」「菊の被綿」などと呼ばれます。
1月7日の人日の節供(七草)・3月3日の上巳の節供(雛祭り・桃の節供)・5月5日の端午の節供(子供の日)・7月7日の七夕の節供・9月9日の重陽の節供の事です。
江戸幕府が制定した当時は、大切な国民の祝日だったものです。
桃の節供や端午の七夕と違って、どう楽しんだら良いのかわからないというお話を聞きますので、現代風な楽しみ方をいくつかご紹介しますね。
重陽の節供の時期になりますと、和菓子屋さんでは様々な種類の菊のお菓子が作られます。
折角ですので、色々な菊を楽しんでみてはいかがでしょうか。
菊せんべい
干菓子
練りきり
饅頭
菊には「齢草」「星見草」「まさり草」「千代見草」など別名もたくさん。
お菓子の銘を意識して和菓子屋さん巡りをするのも、楽しいものです。
菊茶を楽しむ
菊には様々な効果があります。
強心作用、眼精疲労、頭痛、肩こりにも効果があるそうですし、抗酸化作用や血行促進など、書ききれない程です。
「菊茶」と言っても、菊だけだと苦味が強いと感じる方も多いので、煎茶などと一緒にブレンドするのも良いですし、「八方茶」もお勧めです。
八方茶とは、漢方生薬としても使われる様々な効能を持った乾物がブレンドされたお茶で、「龍眼・クコの実・陳皮・棗・金銀花・白きくらげ」などに「菊花」が入り、「氷砂糖」でほんのり甘く飲み易く仕上げられた茶です。
花の色が白・ピンク・黄色と、菊の花の色が違うだけで雰囲気も大きく違いますし、ブレンドされる素材も色々、もちろん緑茶がベースの物もありますので、お好みのものを探すのも楽しいでしょう。
なお、ハーブで使われるジャスミンやタンポポもキク科です。
身近なカモミールや小菊にも鎮静や沈痛効果があるので、柔軟にとらえてハーブティーなどを取り入れるのもよいですね。
本来はお酒に菊を漬け込む様ですが、お酒の上に小さな食用菊をぽつんと一花、もしくは、花びらをぱらぱらと散らすだけでも、十分に雰囲気を楽しめます。
こちらは乾燥させた菊を詰めた枕で眠る事で邪気を祓い、不老長寿を得られるとされるものですが、カモミールのサシェなどを枕元に置いても良いですね。
眼精疲労や頭痛にも効果がありますし、安眠効果も高いので、ぐっすり眠る事ができそうです。
3月3日から半年後の重陽の節供の日に、虫干しを兼ねて雛人形を飾り、女性の健康や長寿を願う「後の雛(のちのひな)」という風習が、江戸時代には親しまれていたそうです。
これを「大人の雛祭り」としてとらえて楽しむというお話も、最近耳にする機会が増えました。
雛人形を飾り、菊茶や菊酒を楽しむ大人の雛祭り、今年はぜひ楽しんでみたいですね。
大輪の菊だけでなく、下の写真の様な丸い「マム」と呼ばれる菊もあります。
コロンとして可愛いですし、これなら洋風の家やマンションでも楽しめます。
こんな菊を一本、会社帰りに・お子さんのお迎えの際に・お夕食の買い出しのついでに買い求め、自分の為に飾るもよし、遠く離れた家族の健康を願うもよし。
それぞれの出来る範囲で無理することなく行事を楽しむのが、現代流ではないでしょうか。
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