はじめに

こんにちは、妊活アドバイザーの中村あやです。

「産まない」と決めたわけじゃない、「産めない」わけでもない…だけど、目の前には仕事…何より「結婚相手が見つからない」…。

 

そんな独身女性が気になる話題、「卵子凍結」。

 

「結婚が遅くなっても…不妊に悩まず妊娠を望めるかも?」
「卵子凍結しておいた方が良い??」


なんて、将来の妊娠に備えることを考えられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

少し待ってください。
その「卵子凍結」、本当に必要なものか慎重に考えましょう。


今回は、「卵子凍結」と妊娠を考える「女性のライフプラン」について書きたいと思います。

 

 

卵子の老化の現実

「卵子の老化」は最近は広く世間に認知されてきました。


卵子の質は年齢によるところが大きく、流産や染色体異常の確率を考えると、一般的に高齢はリスクが大きいと言えます。

 

それを考えるとやはり「適齢期」に価値があるということになります。

卵子を凍結するのはあくまで保険

「卵子凍結」は、排卵誘発〜採卵と、不妊治療で行うのと同じステップ・その後の保管費用がかかります。

 

昔は癌患者など、止むを得ず保管しておく必要がある人に限られていた技術でしたが、生殖医療の進化で「未受精卵」も凍結保存できる施設が増え、凍結技術も日々進歩してきました。

しかし、若い年齢の女性が「卵子凍結」した場合、保管された「卵子」は結婚後に自然妊娠して必要がなくなることは普通に考えられます。

 


また、もし不妊治療をすることでそれを使うことになったとしても、単独の「凍結卵子」はお相手の精子と受精させることになるため、相手との相性、100%確実に受精〜分割〜着床〜と妊娠のステップを踏むとは限らないのです。

 

妊娠はできたとしても、高齢になっていた場合には周産期的なリスクも出てきます。

 

実績データも不足している

過去「卵子凍結」を実施してきたクリニックでも、実際に出産にまで至ったという実績はまだ少なく、データも不足しています。

 

日本産婦人科学会は「自治体の補助制度などの啓蒙は「出産の先送り」に繋がる、健康な女性への卵子凍結は推奨しない」とも発表しました。


独身でいなければならない明確なプランがある方、卵巣年齢(AMH)が20代〜30代前半で極端に低い女性など、費用を負担しても凍結する明確な理由がある人にはメリットかも知れませんが、単に「結婚できそうにないから」という理由でやみくもに実施するものではありません。

 

また、アラフォーになってから焦って凍結しても、あまり意味がない事も知る必要があります。

妊娠力を意識したライフプランニング

多くの現代女性は「結婚・出産のタイミング」を後回しにしがちです。


その背景には、以下のようなライフスタイルが関係しています。

  • 結婚より「今やりたいこと」が沢山ある
  • お相手と出会うチャンスがない、積極性がない
  • 妊娠力に関する知識がない

 

多忙な中でも、"自分の子宮やホルモンバランス"などを知り、"セルフケア意識を高める"こと。

そして、妊娠を意識して「婚期」を考えましょう

 

社会的にも、あらゆる手段で結婚のチャンス(婚活)の啓蒙、女性就業の環境が整うことが必要です。

 

おわりに

「卵子凍結」という手段で安心する前に、早い時期から「妊娠力」を意識し、仕事選び、お相手選び、そして結婚のチャンスに真剣に向き合いましょう。

 

キャリアも出産も叶えるためには、そのためのライフプランをしっかり立てることが大切です。

 

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