スイカ(西瓜)の冷やし過ぎはNG!すいかの健康効果・効能と食べ方

執筆者: 田伏 将樹 職業:薬剤師(漢方薬・生薬認定薬剤師)
夏はスイカで風流を味わう。

こんにちは、薬剤師の田伏将樹です。

 

スイカ。
アフリカの砂漠地帯が原産のウリで、中国へは西の方を経由して入って来たことから、漢字では「西瓜」と書かれます。


夏には欠かせない食べ物ですが、中国の様々な薬の効果が書かれた書物によると、スイカ(西瓜)も立派に薬として載っています。
まさに医食同源ということですね。

 

 

スイカ(西瓜)は漢方薬として使われていた!
[処方名]西瓜(せいか)
[基原]ウリ科のスイカの果肉または果汁
[効能]解暑除煩・止渇・利小便
[用法]適量を服食する

 

天生の白虎湯

スイカは、古くから「天生の白虎湯」と称されています。

 

「白虎湯」(びゃっことう)というのは、漢方薬の名前です。

熱中症を起こしそうな夏の暑さの激しい時や、高熱を出した時のほてり感、大量の汗、口の渇きがあるときに用いられる漢方薬です。
熱を鎮めて、喉の渇きを潤すという薬効を持ちます。


スイカは同じように喉の渇きを解消して、暑熱を回避する効果を持つので、スイカは天(自然が)が生んだ「白虎湯」だというわけです。

 


解暑除煩という効能は、体の熱感を鎮めるということと、夏の暑さのせいでイライラしてしまうのも鎮めてくれる、という効能です。


止渇という効能は、例えばお酒を飲み過ぎた時は、アルコールの分解で体の水分が消耗していますので、二日酔いで尿量が少なく、口の渇きがあるときにも良いかもしれません。

 

スイカ(西瓜)でむくみ解消!
高い利尿作用でむくみ解消

そしてスイカの代表的な作用は、利小便つまり利尿作用です。


シトルリンという、ウリ科にたくさん含まれるアミノ酸の効果だと考えられます。
むくみの解消になります。

 

血圧を下げる効果も

カリウムも含まれるので、利尿によって血圧を下げる効果も期待できます。
高血圧の方には良いですが、腎機能の悪い方は控えてください。

 

スイカで口内炎も回復!

その他、スイカの抗炎症効果を利用した民間療法もあります。

スイカの皮の焼いた粉末を口に含ませれば、口内炎に有効だと言われています。

また西瓜霜(せいかそう)という漢方薬もありました。
スイカと、芒硝という生薬を素焼きのかめに密封して、かめの外に滲み出してくる白色の結晶です。


のど、口腔内、舌に発赤や腫れがあるときに用いられていたようです。

 

スイカの皮も生薬として使われていた

スイカの皮もまた生薬として使われていて、生薬名は「西瓜翠衣」(セイカスイイ)といいます。

皮のことは「翠(みどり)の衣」という綺麗な表現で名付けられています。

 

果肉部分より皮部分が効果的?

スイカの利尿効果についてはよく知られていますが、実はスイカの果肉の部分や果汁よりも、皮の部分の方が利尿効果は優れています。

 

食べ方

赤い果肉を食べた後の、下の白っぽい部分を使います。

外側の硬い皮は切り落としてから、スイカの皮の浅漬け、または炒め物として利用できます。

 

スイカは胃腸を冷やしやすい食べ物

暑いときに食べるのはいいのですが、スイカは非常に胃腸を冷やしやすい食べ物です。


クーラーの効いた部屋で食べる、冷蔵庫で冷やして出してきたばかりのスイカは、さらに身体を冷やします。

 

冷え過ぎのスイカは、少し置いてから

スイカの糖は、10℃前後の方が、甘みを感じやすいといわれます。
昔、スイカを井戸水や川で冷やして食べていた時の温度が10℃くらいだそうです。

 

 

冷蔵庫から出してすぐではなくて、少し置いてから食べてみてください。
体も冷やしすぎないうえ、美味しく食べられます。