パソコンのデータが読み取れない!光ディスクの保存記録を長持ちさせる方法8つ

執筆者: 矢野勇雄 職業:パソコンサポーター
読み取りエラーを防ぐ、光ディスクの正しい扱い方

こんにちは、パソコンサポーターの矢野勇雄です。


今回は、「光ディスクの取り扱い方が不適切だったことが原因で、保存しておいたデータが読めなくなるトラブル」を回避するための知識をご紹介します。

 

光ディスクの寿命は長い

光ディスクは寿命の長い記録媒体だといわれています。
一般に光ディスクは10年以上、長いものでは30年は持つことが確認されている製品もあります。

 

ハードディスクやフラッシュメモリーの寿命は平均して5年程度といわれていますので、確かに寿命が長いメディアであるといえるでしょう。

 

 

データが読めなくなる原因は、利用者のディスクの扱い方にあり

このように長い寿命があるといわれる光ディスクでも、データが読めなくなってしまうことがあります。


その理由は、光ディスクの記録面に傷を付けたり、直接、指で触れるなど、利用者が光ディスクの正しい扱い方を知らないことにあるようです。


では、光ディスクの仕組みについて簡単にご説明してから、正しい光ディスクの扱い方について詳しく見ていきましょう。

 

光ディスクの仕組み
光ディスクの裏面にある細かい穴(ピット)に、データを記録

光ディスクの裏面(データが書きこまれている側)には、データを記録する細かい穴がたくさん空いています。
これをピットと呼んでいます。

 

ピットにレーザーを当て、反射してくる光の違いでデータを読み取る

これにレーザーを当てることにより色素の化学変化、もしくは金属の相変化を起こして、データを書き起こします。


化学変化が起きた色素や相変化が起きた金属では、光の反射率が変わりますのでレーザー光を当て、反射してくる光の違いをデータとして読み取ります。

 

持つときは、ディスクの縁を持ち、表面に指紋や汚れを付けない

さて、光ディスクの穴の大きさですが、CD-Rの場合で、データを記録する穴(ピット)の大きさは0.83μm、DVD-Rの場合では0.4μm、BD-Rでは0.15μmと、大容量のメディアであるほど穴は小さくなっています。

 

光ディスクの表面に傷や汚れがあると、正しく反射光を読むことができない

このように記録面の穴(ピット)は極めて小さいため、光ディスクの表面に傷や汚れがあると、レーザーが分散してしまい、正しく反射光を読むことができなくなります。

 

大容量の光ディスクであればあるほど、要注意!

大容量の光ディスクであるほど、穴(ピット)が小さいため、相対的に傷や汚れの影響は大きくなります。

 

 

日光の当たる場所に置かない
日光が当たると、色素が変化

また、CD-RやDVD-Rなどではデータの記録に色素を使っているため、日光が当たるところに放置すると、色素が変化して読み取れなくなります。

 

水に濡らさない
金属が錆びる

記録に金属の相変化を利用しているBD-R/REの場合は、水気があると金属が錆びてしまって、やはり正確に読み取れなくなります。

 

金属が錆びることによる問題は、他にもあります。
光ディスクではレーザー光を反射するためにアルミニウムを使っていますので、これが錆びてしまうとやはりデータの読み取りができなくなります。

 

ディスクが歪まないよう、垂直に立てた状態で保管する
光ディスクが歪むとアウト

光ディスクが歪んでいる場合も、データを正確に読み取れなくなります。
ゆがみが原因で、記録面にあてたレーザー光が、読み取り機に正確に反射してこなくなるからです。

 

上に重いものを載せたり、斜めにして長時間放置したりするのはNG!

ディスクの上に重いものを載せたままにしたり、斜めにして長時間放置したりしないように気を付けましょう。

 

レーベル面にシールを貼らない

レーベル面にシールを貼るのもいけません。

 

振動で読み取れなくなる可能性あり

光ディスクを高倍速で読み取りをしたときに、振動してしまい、読み取れなくなる可能性があります。

 

レーベル面にボールペンなど、先の硬いものを使って字を書かない

また、レーベル面に、ペンなど硬いもので字を書きこむのも、よくありません。

レーザー光を反射するために張られているアルミニウム層に、傷が入ってしまいます。

 

レーベル面のすぐ裏にある層に届いてしまう

このアルミニウム層はレーベル面に張られている薄い樹脂層のすぐ裏にあり、レーベル面にボールペンなどの先が固いもので文字を書くとすぐにアルミニウム層に届いてしまいます。

 

レーベル面に文字を書くときには、先が柔らかい水性ペンなどで

レーベル面に文字を書くときには、水性ペンなどの先が柔らかいものを使いましょう。

 

BD-R/REでは、不織布が付いたケースに入れて保存しない

BD-R/REでは、不織布が付いたケースに入れて保存するのはよくありません。

不織布は、ディスクの保管に適した素材に思えますが、BD-R/REを保存するのには向いていないのです。

 

BD-R/REの表面は、圧迫による傷が付きやすい

なぜなら、BD-R/REの表面を保護しているハードコートは、汚れやすり傷には強いのですが、圧迫による傷が付きやすいという特性があるためです。

 

不織布の繊維の痕が付いて、読み取れなくなることも

不織布が付いたケースに入れて保存すると、BD-R/REの記録面に繊維の痕が付くことがあり、データが読み取れなくなることがあります。

 

おわりに

上記に上げたような障害に備え、光ディスクはいずれも高度なエラー訂正の機能を持っていますが、それでも訂正しきれない時に、読み取りエラーが起きるようになります。

 

以下に、光ディスクを取り扱う際に注意すべき事柄を箇条書きします。

 

  • 持つときは、ディスクの縁を持ち、表面に指紋や汚れを付けない。
  • レーベル面にシールを貼らない。
  • BD-R/REでは、不織布が付いたケースに入れて保存しない。
  • 日光の当たる場所に置かない。
  • 垂直に立てた状態で保管し、上に重いものを載せたりしない。
  • 水に濡らさない。
  • 傷をつけない。
  • レーベル面にボールペンなど、先の堅いものを使って字を書かない。


これらの事柄に注意して、長期保存したデータが読み取り不能に陥らないようにしましょう。

 
 コラムニスト情報
矢野勇雄
性別:男性  |   職業:パソコンサポーター

福岡市とその近郊でパソコンの出張サポートをやっています。パソコンを使っていて困った際のサポートを行っています。具体的にはパソコンの初期設定、インターネットへの接続、ウイルスなど迷惑ソフトの削除、旧パソコンから新規パソコンへの各種設定・データの引っ越しなどをやっています。