[ピアニスト解説]自分で弾くピアノの音が小さい…原因は?ピアノ演奏時に大きい音を出す方法
ピアノで大きい音を出すには?音が小さくなってしまっている原因と、大きい音で弾けるようになる練習法を紹介。指先が弱いまま、細かな練習をせずに、音量だけを求めて弾くのはNG。きれいな響きになりません。
こんにちは。ピアニストの小川瞳です。
今回は「自分が弾くピアノの音が小さい気がする、どうすればいいでしょうか?」というご相談に、わたしなりのアイディアを述べてみたいと思います。
ピアノの音は「大きければいい」というものではありませんが、「大きな音を出せるけれど弱い音を弾く」というのと、「弱い音しか出せない」というのは、やはり違いがありますよね。
強く弾くべきところが弱くなってしまうと音楽が盛り上がらなくなってしまうので、問題です。
ではまず、ピアノの音が小さくなってしまっている原因を考えてみましょう。
「強い力」で「すばやく打鍵」すれば、大きな音で弾ける!
ピアノの音を大きく弾くには、簡単に言えば、強い力で、すばやく打鍵する必要があります。
どんなに強い力を使っていても、時間をかけて鍵盤を押していると、音は小さくなってしまいます。
逆に、すばやく打鍵しても、力が弱いと、小さい音になります。
どちらの方法でも、よい打鍵の仕方をしていれば、よい音になるので、それはそれで必要な打鍵ですが、大きな音を出したい場合には、適していません。
そこで、強くすばやく打鍵するために必要なことは、指先を鍛えることです。
指先がしっかりとしていないと、強い力を入れたくてもその力に指先が堪えられないし、打鍵するために必要な瞬発力も発揮できないからです。
指先を鍛える方法は色々とありますが、確実なのは「ハノン」をしっかりと行うことでしょう。
毎日欠かさずハノンを練習する習慣をつけると、絶対に上達する筈です。
指を鍛える方法としては、やはりハノンという練習曲が有効だと思います。
単純な音楽ですが、しっかりと学ぶことで、指の筋力をつけることが出来ます。
難しいパッセージにつまずいた時、そのパッセージを繰り返し練習することも大切ですが、ハノンなど指のための基礎をおさらいし直すことも有意義です。
その方が返って難しいパッセージを弾くことにも早道で、指の筋力が上がれば他のパッセージにも応用出来ます。
1音1音、しっかりと鳴らすことを意識して弾いてみる
また、大きな音で弾きたい曲や、そのフレーズを、とにかくゆっくりと、1音1音、はっきりと響いていることを確認しながら、弾く練習をしましょう。
特に片手ずつに分けて、指先を意識しながら練習してみると効果が高いです。
まずは、4小節だけ取り出して、全部の音をしっかりと鳴らすことを意識して、それができたら、次の4小節…というのを繰り返していきます。
ある程度練習できたら、今度は8小節を続けて弾いてみるというように、地道に丁寧な練習を重ねていくとよいでしょう。
あまり細かな練習をせずに、とにかく音量だけを求めて弾いても、きれいな響きにはなりません。
肩や腕の力で無理やり出した音や、コントロールできていない音では、どんなに大きな音になったとしてもNG。
指先が弱いまま強引に強い音を出すくらいなら、弱い音のままでよいとわたしは思います。
全体の音量は弱い中でも、強弱をつけることは可能ですし、他にも音楽の表現力を高める方法はたくさんあります。
ですが、指先を鍛えることは、音量アップ以外にもとても大事なことですので、すぐには効果を感じることができないかもしれませんが、意識してみるとよいでしょう。
いつのまにか自然と、大きな音を出す方法が身につくと思います。
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ピアニストとして東京や茨城を中心に、ソロの演奏会やオーケストラとの共演など、数多くの演奏活動を行っております。
音楽心理士の資格も持ち、トークコンサートやコンクールの審査員もつとめております。
また長年に渡り執筆活動も並行して行っており、小説を3作品出版しております。
こちらのサイトでは、幼少時よりピアノを学び続け、クラシック音楽の世界に身を置く私ならではのコラムを執筆できたら、と思います。
よろしくお願い致します。
小川瞳 公式ホームページ https://ogawahitomi.amebaownd.com/
小川瞳作曲 笑顔のBGM
https://youtu.be/Qrt-stZPTb8
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