水の音、波の音…癒しの”自然環境音(サウンドヒーリング)”がもたらす心理的効果に注目してみた
水の音が持つ、不思議な心理的効果を紹介。なかなか泣きやまない赤ちゃんを、ピタッと泣き止ませる対処法として使える場合も。ストレスを軽くしたいときに聞くのがおススメです。
海辺に打ち寄せる波の音、川を流れるせせらぎの音、地響きするような滝の音。
すべて水にかかわる音です。
水の音が持つ、不思議な心理的効果についてお話しします。
私たちのまわりには、驚くほど多くの音があふれています。
無意識のうちに、心地よい音と不快に感じる音に分けている人が多いのではないでしょうか。
それは大人だけとは限らず、どうやら赤ちゃんもそのようです。
ガン泣きの赤ちゃんを泣き止ませるには、スーパーの袋がガサガサいう音や掃除機の音が効果的だとよく聞きます。
そして、一番効果が高いのではと、勝手に思っているのが水の音。
例えば、窓ガラスに打ちつける雨の音や洗濯機のバシャバシャいう音、キッチンの水道の音。
コップの中の液体にストローで息を吹きかけるとブクブクと音が鳴りますが、絶叫していた赤ちゃんがキョトンとするのです。
それはもう、可笑しいくらい露骨な顔つきと態度が見られます。
これは、お腹にいた時に聞こえている音に似ているので、安心できるのですね。
具体的には、お母さんの心臓の音であったり、血液が流れる音だとも言われています。
そしてこれは、ものすごく深い記憶として、生きている間じゅう魂に刻まれているのかもしれませんね。
もうひとつの大きな理由、生きものはお腹にいる間、羊水のなかで育ちます。
これって私たち人間だけでなく、爬虫類や鳥類でも同じ。
羊水は弱アルカリ性の水分で、電解質やアミノ酸をはじめ脂質、糖質などからできています。
この羊水の働きは外側からの衝撃に対し、クッションになるのですね。
羊水があるおかげで、赤ちゃんは安全に手足を動かせるので、筋肉や骨など発育をうながすことができます。
また呼吸や排せつなど、基本的で重要な生命活動も羊水によって育まれていくのです。
これらのことから、生きものが本能的に水の音に反応するのは、潜在意識のなかで「守られている安心感」に包まれるのでは?と、感じます。
水の音は、身近な暮らしにもたくさん取り入れられています。
公園や公共建物のそば、商業施設など、いたるところで目にするのが噴水などの水施設。
これは見た目の癒し効果だけでなく、日々の騒音を嫌な音から耳障りのよい音へ、変換させる役目もあるのです。
サウンドスケープデザインという概念も、都市計画の分野などで応用が進んでいます。
サウンドスケープというのは直訳すると「音景」や「音風景」といった意味で、風景には音が欠かせないという考え方なのだそう。
提唱したのがカナダの作曲家ということで、何だか芸術的ですね。
日本でも、「ストレス軽減効果」を証明しようとする研究が
そういうわけで、日本でもあちこちで活用されているのですが、水の音というのは一番ダイレクトに感性に響くのかもしれません。
東京理科大学は河川や海岸などで、水の音がもたらすストレス軽減効果を科学的に証明する研究も行なっています。
マーカーを使って唾液アミラーゼ計測することで、ストレス度を測れるそうです。
(唾液アミラーゼというのは、口の中で炭水化物を分解する消化酵素のこと)
ほかにもいくつもの大学や研究機関で、水の音が持つリラックス効果が研究されています。
確かに、何かあった時「海が見たい!」と思う人は多いですよね。
動画サイトや音楽チャンネルには、環境音楽などが数多くあります。
「最近、疲れてるなぁ」そんなふうに思う時は、心を空っぽにして水の音に耳を傾けてみては?
波の音と一緒に、洗い流してくれるはずですよ。
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公私ともに海外経験が豊富。旅とゴルフをこよなく愛す「とりあえず離陸型」で、向こう見ずなところも。好奇心旺盛で情に厚く、人を楽しませるのが大好きな性格です。座右の銘は「遊心忘るべからず」。よろしくお願いします。
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