イチゴの赤いところは「実」じゃない!旬の苺を美味しく食べるコツ
世界中で愛されている果物「いちご」について紹介。栄養効能と選び方・保存方法や、主な品種の特徴、歴史まで学べます。いつも食べている赤い部分、実じゃないって知ってました?
こんにちは。野菜ソムリエの我妻飛鳥です。
だいぶ春らしくなってきましたね。
桜が満開の地域もあるとのことで、お花見シーズン到来のニュースに、こちらの地方ではまだ先の桜をイメージして心を躍らせているところです。
さて今回は、世界中で愛されている「イチゴ」について取り上げてみたいと思います。
イチゴは、「バラ科オランダイチゴ属」の植物です。
私たちが実だと思って食べているイチゴの赤いところは、実は「花の付け根の部分(花托)」が発達した部分で、本来はイチゴの“つぶつぶ“のひとつひとつが果実です。
その歴史は古く、石器時代からヨーロッパやアジア一帯で、野いちごのような自然のイチゴは食べられていたようです。
現代で食べられているイチゴのもとになったのは、北アメリカに自生する「バージニアイチゴ種」と南アメリカ原産の「チリイチゴ種」で、あるオランダの農園が、この2つの品種を交配させた結果生まれたものであると言われています。
日本には、江戸時代末期にオランダ船によりもたらされたと言われており、本格的に普及し始めたのは明治時代以降のようです。
イチゴの旬は5月~6月ですが、日本ではクリスマスやひな祭りなどのマーケットニーズに合わせて、温室栽培が主流となりました。
国内生産量のほとんどは冬~春に出荷されています。
産地競争も激しく、より大きくより甘いいちごが求められ、品種改良が進んでいます。
今では多くの品種のイチゴが市場に出回り、人気品種もどんどん交代しています。
イチゴは、ビタミンCを豊富に含み、130gほどで(およそ6~7粒)1日分のビタミンCが摂取できます。
ビタミンCには、コラーゲンの生成・保持を助ける作用があるので、美肌効果が期待できます。
さらに、葉酸と食物繊維もたっぷり含んでいるので、女性に人気があるというのは大いに納得できますね。
その他、カリウムやカルシウムも含んでおり、かわいらしさと美味しさだけではなく栄養成分も優秀なのです。
ビタミンCは水溶性で水に流れてしまうため、洗う時はヘタを取らずに洗ってくださいね。
イチゴを選ぶときは、次のようなものを選びましょう。
- 表面に傷がなくつやのあるもの
- つぶつぶがはっきりしているもの
- ヘタの緑が濃くて乾いていないもの
イチゴはあまり日持ちしません。
ヘタをとらず洗わずにラップで包むか、ビニール袋にいれて冷蔵庫の野菜室で保存して、2~3日中には食べきることをお勧めします。
イチゴの主な品種
イチゴの品種の一部を少しご紹介します。
「久留米49号」に「栃の峰」を交雑した品種。
栃木県産。
東日本で一番流通しています。
甘みが強く、日持ちがよいのが特長です。
九州、西日本で広く栽培されている「とよのか」に変わる品種として福岡県で育成された品種。
【あまい・まるい・おおきい・うまい】の頭文字で名づけられました。
大粒で糖度が高く、酸味もあります。
「章姫」と「さちのか」を交雑した品種。
静岡県産。
香りが強く、実の中まで甘いのが特徴。
さちのかの甘さと章姫以上の酸味をもっています。
1985年に栃木県の女峰山麓で育成された品種。
濃い赤色と適度な酸味が特徴。
「東の女峰、西のとよのか」と呼ばれる程、人気を誇っていた品種です。
ケーキ用のイチゴに使われることも多い。
「ひみこ」と「はるのか」を交雑して育成された品種。
九州、西日本で広く栽培されています。
かつては、女峰と合わせて国内生産量の90%を占めていました。
甘みと酸味が絶妙で、香りが高いのが特徴です。
ジャムやソース、ケーキなど加工品にもひっぱりだこのイチゴですが、やはりそのままがぶっと食べるのがベスト。
観光シーズンならいちご狩りもいいですよね。
赤やピンク色、そして甘酸っぱい香りを満喫しましょう。
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