春の野菜「山菜」6種類を、野菜ソムリエが解説!山菜のおすすめ料理法も
春の野菜「山菜」には、美容&健康におすすめの栄養素がたくさん。苦いですが毒素排出や便秘解消などのデトックス効果や、ビタミンも豊富。アクや下処理をしてでも食べる価値あり!
こんにちは、野菜ソムリエ我妻飛鳥です。
晴れた日の日差しや雪解けの山に新芽が出始めると、心が躍ります。
山野に自生する植物で食用にされるものを「山菜」と呼びますが、山だけではなく、身近な道端・里山や畦道・水辺などにも自生しているものです。
アクが強く、苦みがあるものが多い山菜ですが、その苦みに含まれる成分には、「冬の間に溜まった身体の毒素を排出する効果がある」とも言われています。
まさに、昔から伝わる自然の力すら感じ取れます。
「ワラビを食べるのは、世界でもある国の先住民と日本人だけ」と言われるほど、山菜はアクが強いものが多いですね。
アク抜きの知恵がなければ、現代に伝承されることもなかったのではないかと思います。
食料の乏しかった時代、アク抜きしたり、塩漬けにしたり、乾燥させたりと、様々な工夫を加えました。
現代にまで食を紡いできた先人の知恵に驚かされるとともに、飢餓を乗り越えた保存食として底力を感じるものです。
山菜の若芽には、これから成長していくための養分がたくさん詰まっています。
日本で食べられる山菜は、350種類前後あると言われていますが、そのうち美味しいと万人に食べられるのは、およそ80~100種類ほど。
ここでは、手に入りやすい山菜の主な品種をピックアップして、その効果について取り上げてみたいと思います。
タラノキの若芽のことで、「山菜の王様」とも呼ばれています。
若芽の株にトゲがあるので、取り除いて水洗いします。
アクが少ないので、さっと茹でて、煮物や和え物にしたり、そのまま天ぷらにしたりしていただきます。
タンパク質やミネラル、ビタミンE、食物繊維などが豊富に含まれています。
苦み成分のエラノサイドは、糖の吸収とインスリンの上昇を抑える効果があり、ダイエットにも効果的です。
アルコールの吸収抑制、整腸作用もあるので、ビールのお供にタラの芽の天ぷらは、一押しです。
βカロチンも含むので、風邪や花粉症予防にも効果が期待できます。
全国の山野に自生し、いたるところに生える、強い生命力をもった山菜です。
天然のふきのとうは、栽培品と比べると、ビタミンCの含有量がなんと約15倍とも言われます。
肌の若返り効果に期待大です。
また、カリウム、リン、鉄、食物繊維などの成分が豊富で、利尿作用のあるクエルチン、苦み成分のケンフェロールやアルカロイド、フキノトールも含みます。
健胃効果や痰を切る効果もあるとされています。
アルカロイドはアルカリ性の毒素さなので、塩や重曹を入れて茹で、アク抜きしましょう。
細かく刻んでフキ味噌にすれば、ご飯が進みます。
ふきのとうの天ぷらも苦みがくせになる一品です。
自生したものを「山うど」、軟化栽培されたものは「うど」と呼びます。
野生種は、短毛が密集していて赤褐色が強く、風味も刺激的。
堅い根元部分を取り除いて短毛を洗い流し、堅い皮は削り取ります。
酢味噌和えやゴマ味噌和え、酢の物など、香りと歯触りを楽しむ山菜です。
カリウムが豊富で毒素を排出する効果、むくみ解消に効果があります。
ぜんまいは、ポピュラーな山菜の一つです。
アクが強いので、重曹で下処理をしてから使います。
和え物やおひたし、煮物など、さまざまな料理でいただけます。
茹でたものを乾燥させたものは、保存食としてもよく使われます。
栄養・効能
ビタミンCやβカロチンな、カリウム、葉酸、食物繊維などが豊富に含まれます。
風邪予防にも美肌作り、便秘解消効果もあり、女性にもお勧めです。
ほろ苦さとぬめりが特徴の「うるい」。
アクが少ないため、下処理の必要がなく、普通の野菜のように使えるのが嬉しいですね。
みそ汁の具やおひたし、酢の物などで、美味しくいただけます。
ビタミンCが沢山含まれているため、美肌効果が期待できます。
”おべんとうばこのうた”でも有名で、長い茎の歯触りとほろ苦さが特徴の「ふき」。
食べ方
下ごしらえとして、いたずりをしてから、茹でて水にさらします。
その後、皮をむいて煮物にします。
葉は、佃煮にもよく使われます。
カリウムを含むため、毒素排出、むくみ解消に効果があります。
この他、紹介しきれない山ほどの種類の山菜があり、じつは目で春を楽しむ「タンポポ」や「つくし」も実は食べられる山菜のひとつなのです。
食べるまでに手間がかかるイメージの強い山菜ですが、天ぷらなどの加熱ですぐ食べられるものもありますし、下茹でだけで食べられるものも、意外と多いのものです。
冬の間に知らずに溜まってしまった毒素を排出するため、少し水辺や畦道まで散歩して、美味しい山菜を見つけに出かけてみてはいかがでしょうか。
心も体も春を感じることができるかもしれません。
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