自己改革セミナー、たった「3日」で自分を変えられるって本当?!
心理学やコーチングを使った自己改革や自己啓発、「早く変われる」という甘い言葉に飛びついてはいけない理由をライフコーチが解説。キャッチコピーに惑わされないで!
こんにちは、ライフコーチの牧原悠心です。
ネガティブな性格や厳しい生活環境による生き辛さを感じる…。
そんな人に向けて、最近は、心理学やコーチングを使った自己改革や効率的な能力向上が盛んに行われています。
そして、特にネット上では「たった〇〇日で△△が変わる!」といった変化の早さを競うような文句をよく見かけます。
あなたも、そういったものが気になりますか?
辛い状況にいれば、明日にでも、いや、今すぐにでも穏やかな状態になりたいですよね。
誰だってそう思います。
「生き辛い状況に身を置きたい」なんていう人はいませんから。
確かに、個人の状況や環境などによって比較的早く変われるケースもあるかもしれません。
ですが、この“早く変われる”ことに惑わされないほうがよいでしょう。
なぜか… それは、人の発達、つまり「変化」というのは、段階的に時間をかけて行われていくものだからです。
今まで根付いた思考や行動の習慣が、数日、数週間で変わることは通常ありません。
人の変化はもちろんのこと、周囲の環境も時間をかけて段階的に変わっていくものです。
「短期間」というのは、急ぎ、焦りです。
気持ちはやる気マンマンなのに、実際には体がついていかない。
あなたにも、このような経験があるのではないでしょうか。
そんなギャップを感じると、取り組み始めた自己改革も挫折してしまいます。
さて、急いで変わろうとすることを推奨しないのには、人の習慣の変化には時間がかかるということの他に、もう1つ理由があります。
自己改革をするには、それに必要な段階的な行動を続けていく必要があります。
ところが、急ぐことを念頭に置いてしまうと、この行動を支えるものが、感情的な「動機だけ」になりやすいからです。
自分を変えたいと思い立つきっかけとなった動機、これは心の中の強い感情によって作られ、そして、支えられています。
憧れ、悔しさ、怒り。 これらの動機はどれも人を動かす大きな力になります。
特に“怒り”のパワーは、けた違いの大きさですね。
ネガティブと捉えられる感情は敬遠される傾向にありますが、自分を動かすきっかけになるなら、それ自体、本当は何でもいいのです。
憧れ、悔しさ、怒りなど、自分を変えたいと思わせた動機は、あなたの心の中に湧き出た自然の感情であって、決して間違いではありません。
ただ、ここで気を付けなければいけないのは、同時に目指すところを考えなければならないということです。
改めて、「動機=感情」と捉えてみてください。
動機だけに依存した行動は、一時的に心地よい状態である「回避」や「快楽」を得ることはできますが、その後が続きません。
自己変革をするには、「こういう状態になりたい」という目標がなければ、行き当たりばったりで中途半端にさまようことになります。
そもそも、自分を変えたいと願うのはなぜでしょうか。
充実した生活、人生を手に入れたいからでしょう。
そのためには、一時的な感情による動機だけを行動のモチベーションにしていてはいけません。
人の心も建築物も、取り急いで作ったものは、脆(もろ)いものなのです。
劣等感や嫌いな性格を克服したい、厳しい生活状況を改善したいなど、いわゆる自己改革をするには、それなりの労力が必要です。
せっかく勇気をもってチャレンジをするのですから、「早く変われる」という言葉に飛びつかず、しっかりと自分の理想の姿をイメージして、そこに近づくための計画を立て、人の自然の変化スピードを認めながら課題に取り組んでいきましょう。
そうすると、「リバウンドしにくい体質」、将来同じような苦しさに出会ったときにも「それに向き合える体質」を作ることができ、充実した生活に繋げられるようになるのです。
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牧原 悠心(まきはら ゆうしん)
ライフコーチ
大手組織での職務経験後、新入社員研修に長く携わり、指導スキルを得るとともに人の成長をサポートすることの素晴らしさを体感。
在職中にコーチンと出会い、その素晴らしさをもっと多くの人に広めたいとの思いから、コーチとしての活動を開始。
コンプレックスや仕事力の改善、共存に視点を置いた人間関係の構築などをテーマとし、主に会社で働くサラリーマンや男性を対象にコーチングを行う。
セッションでは、人の変化の自然法則である「スモールステップ」を重視。
ブログ → https://ameblo.jp/bractage-blog/
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