うつ病の原因は、親と家庭環境?子どもの頃の育ち方と精神疾患の関係!

うつ病などの心の病は、子ども時代の親の育て方・育てられた環境が関係しているケースが多数。今現在のストレスだけが原因ではないかも…。虐待や親の離婚などの辛い経験は、子どもが大人になってからも影響を及ぼす可能性があります。

執筆者: 桜井 涼 職業:メンタルケア心理士、コラムニスト
心の病気の原因は、過去も関係!子ども時代の育ち方と精神疾患の関係とは?

こんにちは。メンタルケア心理士の桜井涼です。
今回は、うつ病などの精神疾患のことについてお話ししたいと思います。

 

心の病気と言われたら、「仕事や家庭などのストレスが原因では?」と真っ先に考えるかもしれません。

しかし、それだけが原因ではないことを知っていただきたいと思います。

 

 

うつ病にかかった人の幼少期を調べてみると…

うつ病などの精神疾患は、遺伝が関係しているケースもありますが、子ども時代の過ごし方、主に親の養育態度が大きく関係していることがわかっています。

うつ病にかかった人の養育歴を追跡調査した結果、子どもの頃に以下のような経験をしている人が多いことが明らかになりました。

 

  • 母親の養育態度の異常
  • 転居
  • 両親の別居や離婚
  • 11歳以前に両親のいずれかと別離
  • 教師から問題児と評価
  • 内気な子ども

 

また、非定型うつ病においては、ネグレスト・性的虐待・身体的虐待などの経験をした人が多く見られました。

 

※ 怠けているように見えがちな「非定型うつ病」とは?


会社に行かなければならなくなると具合が悪くなり、休日や趣味などを行っているときは元気になる。
こういった症状の出方をする『非定型うつ病』は、「怠け病」なんて呼ばれることもありますが、これは間違いなく心の病です。

 

それって「季節性うつ病」かも?! 秋冬になると、気分が落ち込む・甘いものが無性に食べたくなる…。

 

子ども時代は、親からの愛情を受けて然るべきなのに、子どもが不安になってしまうような辛い経験をしています。

それらが大人になって関わってきているのです。

子ども時代の辛い経験は、脳にダメージを与えるという研究結果も…

幼少期の辛い出来事(別離や虐待など)というのは、脳内で「危険」と認識されるため、強いストレスとして残ってしまいます。

このようなストレスは、脳の一部の発達に支障を生じさせることが研究の結果によってわかってきました。

脳の機能や神経構造に、ダメージを与え続ける可能性が高いのです。

自分では辛かった記憶を閉じ込めようとしたり、忘れようとしたりするでしょう。

ですが、それでもその記憶は脳や神経には残っていて、強いストレスがかかってしまうと、心に大きな傷を負わせる可能性があるのです。

今、目の前にある大きなストレスだけが原因ではないことがわかりますね。

 

やっぱり愛情が大切!

「これまでに挙げた経験をしたすべての人が、うつ病などの精神疾患になってしまう」というお話しではありません。

可能性の話です。(ならない人も多くいます。)

しかし、子どもの心にとって、大きな危険やストレスとなっていることは確かです。

 

私が、面談を行っている子どもたちや大人たちでも、何らかのストレスを子どもの頃に受けています。
だからこそ、子どもには愛情を持って接して、育ててあげなければならないということを認識していただきたいのです。

 

もし今、「何らかの虐待や虐待に近いことをしているのでは?」と思った方は、子どもにしてきたことを思い返してみてください。
それを今すぐやめて、子どもに対して愛情を持って接してあげれば、子どもたちは救われます。
今からでも決して遅くはありません。

 

  • 参考書籍 貝谷 久宣. 非定型うつ病 パニック症・社交不安症 (よくわかる最新医学) . 主婦の友社
 
 コラムニスト情報
桜井 涼
性別:女性  |   職業:メンタルケア心理士、コラムニスト

元学習塾講師。妊娠出産のハプニングを乗り越え、現在は2児の母。
その頃より子どもの心の動きや医療に関係することに興味を持つ。

2009年より文筆家として活動。
子どもの心に関するコラム、子どもの心が正常に育つために夫婦へのアドバイス、子どもの病気関係を取材しコラムを執筆中。
心の闇を抱える子どもへの取材や心理学を学び、2016年「メンタルケア心理士」資格を取得。

ブログ『フリーライター桜井涼のたなごころ』
http://ameblo.jp/miehime0617/

 

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