自動車保険の種類にはどんなものがある?保険加入のポイントとコツ

執筆者: 森村仁
自動車を購入したらやっておくべきこと

自動車を購入するのはいいけれども、かかるお金は自動車本体だけではありません。
税金を払わなければなりませんし、強制的に契約させられる自賠責保険の保険料、生活環境によっては駐車場代も払わなければいけません。


さらに重要なのは自動車保険です。

 

任意とはいえ、万が一の際、人生を棒に振ってしまうかも知れません。
そこで、自動車保険の選び方とポイントを紹介したいと思います。

 

 

自動車保険の種類

自動車保険には、「大手損保」「ダイレクト系損保」があります。

「損保(そんぽ)」とは損害保険の略称です。損害保険会社が取り扱う保険商品の総称のことで、自然災害や自動車の衝突事故などで発生した損害を補償してくれます。保険料は、保険会社が予想する損害率に応じて決定されます。


保険を選ぶ際に、代理店を通して加入する大手損保と、ネットや通販で直接加入できるダイレクト系損保という大きな選択肢があります。
まず、双方のメリット・デメリットを比較してみましょう。

大手損保

メリット

  • 契約時に代理店がコンサルティングをしてくれる。
  • 事故に関することだけでなく、他不明点にも代理店が答えてくれる。
  • 契約者本人に保険の知識が無くても問題ない。

デメリット

  • 保険料に代理店が受け取る手数料も含まれている。
  • 稀に知識が浅い代理店がいる。

 

ダイレクト系損保

メリット

  • 自分で補償内容を指定できる。
  • 利用頻度などによってはかなり保険料が安くなる。
  • 独自性がある。

デメリット

  • 契約者本人にある程度保険の知識が必要。
  • 事故の際、フォローしてくる存在がいない。


どちらも事故の際は保険会社が交渉を代行してくれますが、書類の記入、返送などを行ってくれたり、フェイス・トゥ・フェイスで相談に乗ってもらえる代理店の存在をどう捉えるかですね。

はじめて自動車を購入する人向けの保険

迷わず大手損保です。

実際、自分で車を所有してみないと保険のことをよく理解できないですし、契約時に分からないことがあれば代理店が噛み砕いて説明してくれます。
また、車の利用状況や、家族構成が変わったときに連絡すると、それに見合った契約変更のアドバイスを貰えます。

あまり車に乗らないので安くしたい人向けの保険

保険に関する基本的な知識があり、どういった部分の補償を厚くしたいかという考えがあるなら、ダイレクト系損保です。
多少の違いはあれ、保険自体の補償内容は均一化してきている傾向があり、ダイレクト系損保は各社ロードサービス(走行中に起きたアクシデント全般に対して対応してくれるサービス)に独自性を打ち出してきているように思えます。

JAFなどがその大手ですね。
見積もりだけでなく、ロードサービスの内容によって検討するのも一つの手です。

新車で購入する人が加入すべき保険

新車で購入をした場合、保険会社を問わず、契約に車両保険を付けるようにしましょう。

車両保険は、例えば走行中に車の端を擦ってしまった際などに補償をしてくれる保険のことです。
車種や年式によって保険料は異なりますが、車両保険を付けると一気に保険料が高くなってしまうのがネックです。

 

そこで登場するのが、「限定型」車両保険です。

保険会社によって呼称は異なりますが、「車対車+限定A」という保険のことです。

これは補償を限定しており、特に単独事故や当て逃げといったキズの補償がされません

 

ちなみに通常の一般車両保険は「オールリスク(一般)型」と呼ばれ、バランスよく補償がされます。

よく「付けないよりはマシ」と、限定型の「車対車+限定A」を選ぶ方がいますが、よほど肝が据わっていない場合は一般車両保険がおすすめです。

単独事故なら補償されなくても自分を納得させられますが、当て逃げ被害に遭って補償されないと虚しくなってしまうからです。

 

 

保険料を安くする限定特約

自動車保険には1~20まで等級があり、新規契約の場合は6等級で、一年間無事故につき一つずつ上がっていきます。
この等級が高いほど保険料が安くなっていくのですが、その他にも保険料を安くできる方法があります。

限定特約です。

保険金支払いの対象を、車の所有者とその家族の運転による事故に限定した場合、保険料が安くなる制度などがあります。


全社共通なのは、運転者の年齢を制限する特約と、運転する人を限定する特約です。

代理店を先入観で判断しない

 

大手損保のメリットとデメリットに代理店の存在を挙げました。
代理店にも保険代理店を本業とするプロ代理店と、ディーラーや整備工場のように本業と併行して代理店業務も行っている代理店があります。

よく「プロ代理店は知識も豊富で安心できる」とか「ディーラーは車を売るのが商売だから保険に詳しくない」という評判を耳にしますが、そういった決めつけは適切ではありません。
プロ代理店でも保険の改訂についてよく勉強していない人もいるでしょうし、ディーラーでも保険担当のスタッフが在籍していることもあります。
要は、実際相談してみて見極めるのが一番ということですね。

 

おわりに

自動車保険は生命保険と違って返戻金がありませんから、どれだけ安くできるかといったコツをよく目にします。しかし安くなるということは、どこかで補償が狭められているということでもありますので、目先の値段に釣られず先々のことを見据えた保険選びを心がけましょう。

地域によって差異はありますが、ドライバーの4~5人に一人は自動車保険に加入していないという統計もあります。
これから自動車を購入される方は、安全運転だけでなく自動車保険の加入も必須と考え、忘れないようにしましょう。