心身に影響を及ぼす「自律神経(交感神経と副交感神経)」の働きと整え方 -自律神経が乱れると起きる症状とは-

執筆者: colonna
はじめに

私達は体調を崩した時、原因が良く分からないと「自律神経がおかしいのかな」などと言ったりします。


自律神経失調症、自律神経を整える…意外にも日常生活において「自律神経」という単語を聞く機会は多いのです。

しかし、自律神経が一体何なのか、きちんと知っている人は少ないのではないでしょうか。


自律神経とは、私たちの体でどのような働きをしているのでしょうか。


 

交感神経と副交感神経

自律神経は、交感神経副交感神経とに大別されます。

活動的な状態では交感神経が優位に働き、リラックスする場面では副交感神経が優位に働きます。

この二つがバランスよく働くと、体は健康な状態を保つことができるのです。


病気になりやすい時というのは、交感神経が高過ぎるレベルで活動し、副交感神経が低過ぎるレベルで活動している時です。

 

自律神経は白血球の働きにも深く関係しています。

白血球の中には、細菌などに対抗する顆粒球と、ウイルスなどに対抗するリンパ球とがあります。

交感神経が優位だと顆粒球が増え、副交感神経が優位だとリンパ球が増えるという仕組みになっています。

 

交感神経ばかりが高くなってしまうと、顆粒球が異常に増えてしまいます。

すると、体内に必要な菌までも攻撃するので、免疫力を低下させてしまうのです。

 

副交感神経の働きを高めることが大切

どうすれば自律神経を自分でコントロールすることができるのでしょうか。

 

私達の生活は、ともすると時間に追われ、せかせかした環境に置かれています。

常に交感神経の活動が高くなりがちなのです。

 

もちろん、ある程度交感神経を優位におく状況も必要です。

しかし、意識して副交感神経の働きを高めていかないと、体調を崩してしまいます。

 

つまり「副交感神経が優位な状態を自ら作り出す」ようにすることが、健康の秘訣となるのです。

そのためには、いくつかの方法があります。

副交感神経の働きを高める方法
時間に余裕を持つ

まず、心に余裕が持てるよう、時間に追われるような事態は避けるということです。

 

「そんなことで?」と思われるかもしれません。

余裕がなく急がなければならなかったり、時間に追われて予想外の事態になったりすると、呼吸が浅く早くなり、心拍数が上がり、そして血圧も上がります。

 

これは交感神経の働きを高めることになります。

時間に余裕を持ち、ゆっくりとした動きで生活することは、呼吸も深くなり、副交感神経が優位になるのです。

 

睡眠時間を十分に取る

次に睡眠時間を十分に取るということが大切です。

 

副交感神経は夕方・夜になると優位に働きます。

このタイミングで睡眠をとらないと、副交感神経が働かないまま交感神経優位となる朝に突入してしまうのです。

睡眠不足になると、自律神経のバランスが崩れ、血流も悪くなります。

それにより、体の機能が正常に働かなくなってきます。

 

それだけ睡眠は、私たちの体にとって大切なものなのです。


睡眠を疎かにしないことと同時に、規則正しい生活をすることも重要です。

早寝早起きをして、日中は活動し、夕方以降はリラックスして過ごしましょう。

 

 

深呼吸をする

自律神経をコントロールするには、呼吸に気を付けることも必要です。


副交感神経を優位に働かせる場合には、深呼吸が有効です。
深い呼吸をすると血管が拡張し血流が良くなるのです。

血流が良くなると筋肉が緩むため、体がリラックスした状態になります。
それにより様々なことに効果があります。


冷え性は、手足の血流が悪くなっていることが原因の一つです。

肩こりを始め、筋肉のこわばりも、血流の滞りが要因の一つなのです。

 

肩こりを解消するマッサージは、この血流を良くすることで筋肉の硬さを和らげているのです。

深い呼吸をして、血流を良くすることは、体にさまざまな良い影響を与えているのです。

 

 

 

おわりに

いかがでしたでしょうか。

最後にちょっとしたことで、副交感神経を高める方法を紹介します。

 

それは、笑顔を作ることです。

逆に怒った表情は、副交感神経の働きを大幅に下げてしまいます。

笑顔を浮かべることで脳は「なぜ笑顔を浮かべているか」という理由を探し始めます。ポジティブ面を進んで探してくれるので、ストレス軽減の効果があります。


そのため、なるべく笑顔でいられるような精神状態でいることが心身の健康にも繋がるのです。