英語の読み書きの基礎「フォニックス(Phonics)」とは?日本人のカタカナ英語と発音を覆す勉強法
こんにちは、英語講師の植田朋子です。
「ジョリーフォニックス」というフォニックスプログラムを使って、奈良県香芝市で英語教室を主宰しています。
また、昨年5月からはジョリーラーニング社のトレーナーとして、大阪や東京を中心にジョリーフォニックスの教え方のセミナーを開催しています。
日本の英語学習者にはまだまだ馴染みの薄い「フォニックスとは何か」について、紹介していきたいと思います。
「フォニックスって発音を練習するんですよね。」
フォニックスを教えているというと、よくこのような質問を受けます。
日本ではなぜか、フォニックスは発音の練習だと思っている方が多いです。
確かにフォニックスを教えていると発音「も」教えて行くことになりますが、本来は「読み書き」を学ぶプログラムです。
フォニックスの定義を見てみましょう。
Phonics teaches students about the relationship between phonemes and printed letters and explains how to use this knowledge to read and spell.
つまり、
- 音と文字の関係を教え
- その知識を読み書きに活かす
ことができるようになるのが、フォニックスというものなのです。
ではなぜ、読み書きのためのプログラムがあるのでしょうか。
それは「文字を読めない子ども」が多いからです。
想像してみてください。
アメリカのように英語を母国語とする国で、もし子どもが本を読めないとなると、本を通じて学習できないということになります。
英語ばかりでなく、ほかの科目についても学習することができません。
するとその子どもはどういう立場に置かれるのか、容易に想像がつくかと思います。
アメリカでは2000年にナショナルリーディングパネルという組織が、国家プロジェクトとして「読む力をつけるためにはどのような方法がいいのか」を調査し、報告を出しています。
その中では、フォニックスについても触れられており、「Systematic phonics instruction(システマティック・フォニックス指導:体系的にフォニックスを教える)ことが、読む力をつけるためにはよい」という結論を出しています。
そして現在では、アメリカでもイギリスでも、システマティック(体系的)・シンセティック(合成)・フォニックスがよい、という結論が出ており、学校教育の早い段階で取り入れられています。
昨年、香港で開かれたジョリーフォニックスの出版会社であるジョリーラーニング社のトレーナー会議に参加してきました。
その中で強く感じたのが、英語圏の先生たちのフォニックスに対する情熱です。
少しでも多くの子どもたちが「読み書きができるように」とジョリーフォニックスを伝える活動をしている先生たちの話を聞き、フォニックスが果たしている役割の大きさを再認識しました。
さて、話を日本に戻しましょう。
日本では、早期にフォニックスを学ぶということはまだまだ一般的ではありません。
昨年、大阪市が小学校にフォニックスを導入することを決めた時は、ニュースで大きく取り上げられたぐらいです。
また、フォニックスを教えていても体系的とは言えない場合も多いと思います。
フォニックスについては、導入に反対する方もいらっしゃるそうですが、私は日本人にもフォニックスの学習は大変有効であり、特に英語を学び始める最初の方に学ぶのが望ましい、と考えています。一番の理由は、フォニックスが「ひらがなの五十音表」にあたるからです。
つまり、英語の音と文字両方を学ぶことができるからです。
読み書きのために文字と音との関係を学ぶ。
フォニックスプログラムについて興味を持っていただけましたでしょうか。
フォニックスは英語を学び始める最初に学ぶのが望ましいと記載しましたが、大人になってからでも遅くありません。
フォニックスを学ぶと、以下のようなメリットが期待できます。
- 英語の文字を英語の音にできる。
- 英語の音の種類を学ぶことができる。
- 英語の音から文字を書くことができる。
英語を学んでいる方すべてにお勧めの学習方法です。
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