人はなぜ花を飾るのか?植物を用いたお部屋づくりの効果と、ココロ潤うライフスタイル

執筆者: 宇野 知子 職業:フローリスト 花講師 アート作家
はじめに

こんにちは、フローリストの宇野知子です。

 

フローリストとしのある生活を提案している私ですが、ずっと前から感じている素朴な疑問があります。

コラム初回となる今回は、まずそのお話からさせて頂きたいと思います。

 

 

なぜ人は花を飾るのか

花を飾る度にふと浮かんでくる疑問です。
花屋を始めて15年になりますが、この問いは自問自答の繰り返しで答えはなかなかハッキリしません。

永遠のテーマですね。皆さんは何故だと思いますか?

 

花を飾るということ

「野に咲く花は美しい」ことは皆さんご存知だと思います。

では、なぜ人は花を摘み取り飾るのでしょうか?


人は、自然の姿が美しいことを知っていながらも生活空間に花を飾り、その華やかな彩りを取り入れ、自らの感性を刺激ながら暮らしたいから、と考えます。

 

そう考える一方で、実は私自身がこの考え方に少し抵抗を感じていました。

なぜなら、綺麗な花を自分の手の届くところに飾りたいという人間のエゴが見え隠れしているように感じるからです。

しかし、このエゴを含めても、花を飾ることには意味があるのだと思うようになりました。

 

人間も自然の一部

時々、野山に出かけ自然の中に身を置きたいと思うことがありませんか?

野原や公園を散歩したり、山登りをしたり、旅行に出掛けたりすることで、自然に帰り、バランスをとろうとしているのだと思います。そう考える事で人間のエゴも理解できます。


私自身は自然の多い野山の中で育ちました。その頃は、花を飾りたいと思いませんでした。

身近に花が咲いていたのでわざわざ生活空間に花を飾るという感覚がなかったのでしょう。上京して都会で暮らすようになると、不思議と花を飾りたいと思うようになりました。


花屋をしている私が言うのも何ですが、今でも時々、素朴な野草を飾りたくなります。

野草を摘み、はじめて1輪挿しに生けた時の充実感は鮮明に思い出せますし、今でも野草を生けた時にはその充実感を味わいます。

 

花が教えてくれる心の豊かさ

花の命は短いものです。

エゴと知りつつも摘み取られた花と共に生活をしながら、花が咲く喜びを分かち合い、その美しい姿を享受しながら大切に飾らせてもらう。こういった気持ちを抱くこと。

植物が朽ちる姿を眺めながら生命の神秘を想い、最後の姿までしっかり見届けて「ありがとう、さよなら」そう言えること。

 

下の3枚の写真で花の一生を感じてみてください。

 

咲きはじめ


盛りを少し過ぎたころ

 

枯れてしまいポプリに


このような過程を最後まで見守り、感謝の気持ちを抱く心の豊かさを育むのも、花を飾る意味の一つだと思います。


日常に一輪挿しを

まずは一輪挿しに花1本を飾ることからお勧めします。

その1本をじっくり眺めて、大切に育てることで花への想いに向き合うことが出来るような気がします。


一輪挿しに花を飾るということ

生ける花と一緒に、その花の葉も一緒に飾ってみて下さい。

葉も一緒に飾ることでより自然に近い姿を楽しむことが出来ますよ。

 

おわりに

人は昔から花を身近な存在として親しんできました。


冠婚葬祭や様々な行事、お祭りなど人が集う時に花を飾る風習がありますよね。

ぜひ、記念日やイベント、人生の節目、ちょっと嬉しい事があった時や大切な誰かに花を贈りたい時など、あなた個人の大切な日にも近所の花屋さんを覗いてみて下さい。

きっと素敵な花に出会うことが出来ますよ。

 

豊かな心を育むため、花を大切に飾り花のある生活を楽しみましょう。

 
 コラムニスト情報
宇野 知子
性別:女性  |   職業:フローリスト 花講師 アート作家

フローリスト
フラワーコーディネーター

フラワーショップ『La vie en Fleur』経営。
花教室運営に加えて、親子で楽しむ花のある生活を提案、
通信講座を企画し発信しています。

フラワーアート作家としても活動。
手作り雑貨サイト等で販売もしています。

著書
『花育のすすめ』(三省堂)

HP 
La vie en Fleur
http://www.la-vieen.co.jp/

楽天 フラワーギフト専門店Vivre
http://www.rakuten.co.jp/vivre/

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