止まらない食欲を抑える3つの方法を、科学的に徹底調査!前頭連合野をコントロールして、ダイエットを成功させよう

執筆者: 水谷俊江 職業:管理栄養士 アーユルヴェーダセラピスト
はじめに

こんにちは、管理栄養士・ダイエットコーディネーターの水谷俊江です。  

 

現在、管理栄養士としてダイエットサポート、トレーナーの仕事をしています。
一緒にダイエットを計画、支援していますがそこで一番多い質問が「食欲が止まらない!食欲を止めるにはどうしたら良いの?」です。

そこで本日のミッションは「食欲を抑える方法を考える」です。

 

 

メソッド1 空腹と満腹のメカニズムを知ること

食欲の情報を伝達しているのは、炭水化物や脂質です。
そのメカニズムは、次のようになっております。

 

満腹になる場合のメカニズム
  1. 食事をする
  2. →炭水化物は小腸でグルコース(単糖類)まで分解される
  3. →血液に入る
  4. →血液中のグルコースの量が増える
  5. →膵臓の細胞から「インスリン」放出(グルコースの量を減らすため)
  6. →グルコースとインスリンは脳の摂食中枢、満腹中枢に到達
  7. →摂食中枢の働きを抑え、満腹中枢の働きを活性化させる
  8. →満腹を感じる 

 

空腹になる場合のメカニズム
  1. 食事をしてから数時間経過
  2. →血液の中のグルコースの量減少
  3. →摂食中枢の神経細胞が動き出す
  4. →更に時間経過
  5. →空腹状態が続き、エネルギー源としての先ほど食べた炭水化物、脂質を使い果たす
  6. →溜め込んでいた皮下脂肪(中性脂肪)などの脂質が肝臓に運ばれ、そこでエネルギーを作る
  7. →肝臓に、中性脂肪が分解された残骸の脂肪酸が残る
  8. →残った脂肪酸が血液に入って、脳の摂食中枢を活発にさせる 

 

ということはなんと、空腹になれば余分な皮下脂肪が分解されるということです。
なのでメソッド1を知った上で、空腹に快感を覚えましょう。

 

メソッド2 満腹中枢のもう一つのメカニズムを知る

もう一つの満腹中枢の働きを活発にするメカニズムは、胃が膨らむことです。
胃が膨らむと、満腹中枢を活発にさせる信号が送られるのです。

そのため、メソッド2を知った上で、食前に1杯のお水や炭酸を飲んでおくことや、千切りキャベツなどの野菜をバリバリ食べておくことが有効です。
低エネルギーで、繊維の多い食べ物で胃を膨らませておく、物理的満腹コースがお勧めです。

 

メソッド3 別腹を作らない

食事は単にエネルギー補給のためではなく、食べる楽しみ、生きる楽しみを与えてくれています。

それは「前頭連合野」で感じます。

 

 

脳の前の方にあり、ここは分析、思考、創造性、社会性、判断などを司る、精神的、理性的な活動を担う場所です。
高度な動物ほど発達していることから「人間らしさの源」と表現されます。

ここで、見た目、香り、盛り付け、温度や食感など感じたものをまとめ上げ、連合させて「美味しい」と判断が下されるのです。

「久兵衛のお寿司が食べたい」「福砂屋のカステラが食べたい」「お母さんのおにぎりが食べたい」という食へのこだわりを示すのも「前頭連合野」の仕業です。

 

前頭連合野は別腹を作る

なんとこの「前頭連合野」は「別腹」を作る役目もあるのです。
お腹一杯食事をしても、「デザートは別腹」と、今まで何度発したことでしょうか。


主食やおかずの中にスィートな味がないと、デザートメニューを見たり、デザートのことを考えたりするだけで、前頭連合野は胃の中にデザートが入るスペースを作ってしまいます。

「これは美味しいもの」と出した信号が、胃の中身を押し出してデザート分のスペースを作ってしまうのです。

お砂糖を使う煮物などがある和食のデザートは、水菓子(果物)が多いのはその為でしょうか。
メソッド3で、デザートを止めたい人は、おかずに甘い味の煮物などを加えてみましょう。

 

おわりに

以上のことを書きながらも、本日も別腹として激しく食べてしまいました。


しかし量が多過ぎて、次第に食べ飽きてしまい「もう食べられない状態」に。
実はこれも「飽きる」と判断する「前頭連合野」の仕業なのです。
これを「感覚特異性満腹」といいます。

「前頭連合野」にゴマをすったり、ごまかしたり、なだめたりしながら、理性的に食欲をコントロールしつつ、お食事を楽しんでいきましょう。 

 
 コラムニスト情報
水谷俊江
性別:女性  |   職業:管理栄養士 アーユルヴェーダセラピスト

管理栄養士としてクリニックでのダイエットや腸活アドバイスなど2000人以上の相談業務に携わってまいりました。
アーユルヴェーダセラピスト、風水鑑定士の資格もあり、このコラムでは西洋医学の栄養学だけでなくインド、中国の叡智を取り入れた新しい健康アドバイスをご紹介します。

 

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