スタンダードカクテルの王様マティーニ、バーテンダーこだわりの作り方・レシピを楽しもう!
こんにちは、カクテル評論家の伊藤 誠です。
前回のコラムはカクテルの意味と種類、基本の道具を紹介しました。
第2回は、スタンダードカクテルのうち代表的なカクテルを一つ紹介します。
standardとは標準と訳されますが、スタンダードカクテルとなると、これが正しい意味というものはないようです。
一般的には「定番のカクテル」と考えれば良いでしょう。
詳しく言えば、「古いカクテルブックなどで存在が知られているカクテル(クラシックカクテル)のうち、今まで飲み継がれ、バーで提供される数の多い定番のカクテル」です。
さらに、スタンダードカクテル(又はクラシックカクテル)のツイストという言い方をするカクテルがあります。
twistは、ねじる、曲げるなどと訳される動詞ですが、スタンダードカクテルなどに少し手間や工夫を加えたもの、という理解で良いでしょう。
現代風のアレンジですね。
最近は、このようなカクテルを提供するバーも多くなっています。
今回はスタンダードカクテルのうち、代表的なカクテルの「マティーニ」を詳しく紹介します。
マティーニはカクテルの王様(King of Cocktail)といわれているショートカクテルで、ベースのお酒はドライジン。
一般的なレシピは、ドライジン45ml、ドライベルモット15ml、オリーブ1個、ピール用レモンです。
他に、オレンジビターズを加えるレシピもあります。
作り方は、氷を入れたミキシンググラスに、オレンジビターズを加える場合はビターズを1dropから数drop(dropは1滴)、ドライジンとドライベルモットを加えステアして、カクテルグラスに注ぎます。
カクテルピンにオリーブオイルを挿して、カクテルに入れ、レモンピールを入れます。
レモンピールとは、レモンの皮を絞って、レモンの香り付けをするものです。
オリーブはカクテルに入れずに、別に小皿で提供されるバーもあります。
このマティーニはスタンダードカクテルであっても、作り方などにこだわりを持っているバーテンダーが多いカクテルです。
つまり、作り手の個性が表現されるカクテルで、例えばジンとドライベルモットのバランスの違い、使うジンやベルモットの種類、材料の保存温度(冷凍ジン、冷蔵ジン)の違い、ステアのやり方など、作り手によって様々です。
したがって、バーテンダーが客に提供するときは「これが自分のマティーニです」と思って提供されますから、バーテンダーのこだわりに注目していただきましょう。
なお、ジンを多めにすると「ドライ」(辛口)になります。
最近はドライで提供するバーが多いのですが、ジンが多いほど度数が強くなりますので、留意しましょう。チェイサー(お冷)を一緒にいただくのが良いかと思います。
基本のレシピでは、ジンとベルモットの比率が3対1でしたが、飲み慣れてくると自分好みのジンやベルモット、それぞれの比率などが分かってきます。
慣れてきたら、バーテンダーに自分好みのマティーニをリクエストして作っていただくのも良いでしょう。
私自身は、好みはありますが、それぞれのバーテンダーが作るそれぞれのマティーニの味の違いを楽しむことにしています。
今回はスタンダードカクテルの意味と、その代表的なカクテル「マティーニ」について紹介しました。
次回はバーに行くときの留意点なども紹介していきます。
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