ベースのお酒で違いを楽しむ!カクテルの基本形とスタンダードカクテルの変化
こんにちは、カクテル評論家の伊藤 誠です。
前回は、カクテルの注文の仕方などバーでの留意点について紹介しました。
第4回目は、カクテルの基本形とベースのお酒の違いで楽しむ、スタンダードカクテルの変化について紹介します。
カクテルは、第1回目にミックスド・ドリンクであると紹介しました。
アルコールの入ったカクテルの基本形は、次のように簡単に表すことが出来ます。
さらに、「お酒」は「ベースとなるお酒(A)」と「ベース以外のお酒(B)」に分類されます。
また、「副材料」は、ひと括りで「副材料(C)」でも良いのですが、これを分類して「割材(C)」と「香り付け・デコレーション(D)」とする考え方もあります。
この「割材」とはソーダ、ジュースなど。
「香り付け・デコレーション」とはレモンピール、オリーブやチェリーなどの飾り付けです。
これらのA~C(A~D)の組み合わせで、ほとんどのカクテルが作られます。
基本形は以上のようになりますが、お酒の種類について少し説明をしておきます。
まず「お酒」は大きく三種類に分類されますが、それぞれ次の通りとなります。
- 「醸造酒」:原料を発酵させたもので、ワイン、日本酒、ビールなど。
- 「蒸留酒」(スピリッツ):醸造酒をさらに蒸留したもので、ジン、ウォッカ、ラム、ウイスキーなど。
- 「混成酒」(リキュール):醸造酒や蒸留酒に香料やハーブ・果実のエキスを加えたもので、ホワイトキュラソー、カンパリなど。
リキュールは種類が多く、一般的には使われる主原料によって、果実系、薬草・香草系、ナッツ・種子系及び特殊系の4つのカテゴリーに分類されます。
これらのお酒のうち、カクテルのベースとなるはスピリッツが多く、カクテルブックでもベースのお酒別にレシピが紹介されることが多いようです。
左から醸造酒のワイン、スピリッツのウォッカ、リキュールのドランブイ
次に基本形の組み合わせで、A+B+Cのカクテルとして代表的なものに、「ホワイトレディ」があります。
基本形とレシピを表すと次のようになります。
シェイクで作られるスタンダードのショートカクテルです。
次に、このホワイトレディは、ベースのお酒を変えると違った名前のスタンダードカクテルになります。
覚えておくと、バーでのオーダーの参考になるでしょう。
また、ベースのお酒の違いによるカクテルの味わいの変化を楽しんでみましょう。
それでは、最初に紹介したホワイトレディから、ベースのお酒を順次変えてみます。
カクテル名はそれぞれ次のようになります。
「ホワイトレディ」=ドライジン+ホワイトキュラソー+レモンジュースでした。
- ウォッカに変えると「バラライカ」=ウォッカ+ホワイトキュラソー+レモンジュース
- ラムに変えると「X.Y.Z.(エックスワイジー)」=ラム+ホワイトキュラソー+レモンジュース
- ブランデーに変えると「サイドカー」=ブランデー+ホワイトキュラソー+レモンジュース
いかがですか?
まずは好みのベースのお酒で試してみて、その後に他のカクテルの味の違いを楽しんでみましょう。
次回は、自分でカクテルを作る場合に知っておきたいレシピの分量表記と、シェイク及びステア以外のカクテルの作り方などについても紹介していきたいと思います。
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