クラシックから現代ミクソロジーまで!TPO別・カクテルの分類方法

執筆者: 伊藤 誠 職業:カクテル評論家

こんにちは、カクテル評論家の伊藤 誠です。

今回は、これまで紹介したカクテルの種類について、さらに詳しくご紹介します。

 

 

カクテルの分類 概念図

最初は「カクテルの分類 概念図」です。

これはカクテルの分類について年代を基本に分類してみたものです。

 

古典的なカクテルと現代的なカクテルに明確な線を引いて分けることは難しいのですが、ここでは敢えて観念上分けています。

古典的なカクテル
クラシックカクテル/スタンダードカクテル

カクテルのレシピが現在でも知られているものを「クラシックカクテル」とし、その中でも一般に多く提供されているカクテルを「スタンダードカクテル」としました。

 

その他のカクテル

古典的なカクテルは、カクテルが混ぜたものであるということから、古代のビールやワインに蜂蜜などを加えて飲まれていたものもカクテルでしょう。

 

それらはカクテルの起源のようなものですが、「その他のカクテル」に含まれます。

 

古典と現代との中間的なカクテル

また、これらクラシックカクテル(スタンダードカクテル)について、現代風のアレンジを加え、「ツイスト」したものは、古典と現代との中間的なカクテルと位置づけました。

 

現代のカクテル
オリジナルカクテル/その他のカクテル

次に、現代のカクテルです。

 

星の数ほどあろうかと思われるあまたのカクテルで、カクテルコンペティションの受賞カクテルなど、有名なカクテルを「オリジナルカクテル」とし、あまり知られていないものを「その他のカクテル」としました。

 

ミクソロジーカクテル

また、現代風のカクテルで「ミクソロジーカクテル」を分けて分類しました。

ミクソロジーとは、「MIX」と「~logy(論)」を組み合わせた造語です。

 

一般にはフレッシュフルーツを使ったカクテルとして認知されていますが、これらの他に、新しい調理器具を使った現代のカクテルも含まれます。

 

使われる調理器具は、真空調理器、ロータリーエバポレーター(減圧蒸留器)、液体窒素、エスプーマやカーボネイトシェイカーなどがあります。

 

これらの技法を使って「ツイスト」したクラシックカクテル(スタンダードカクテル)は、先の説明のとおり、古典と現代の中間的な位置づけのカクテルとして分類しました。

 

一般的なカクテルの分類パターン

ここからは、具体的なカクテルの分類の説明になります。

 

パターン1から3まで温度や飲む時間帯などでの分類です。

カクテルコンペティションでも、パターン2や3の分類を使い、競技種目を分けて開催される場合があります。

 

 

温度による分類(パターン1)

第1回のコラムでフローズンカクテルとホットカクテルをご紹介しましたが、厳密には、「コールド・ドリンクス」と「ホット・ドリンクス」という分類で、フローズンカクテルはコールド・ドリンクスの一部になります。

スタイルによる分類(パターン2)

次も同様に第1回で紹介した、「ショートカクテル」と「ロングカクテル」です。

ショートとロングの意味は飲む時間の長さのことですが、敢えてスタイルによる分類としました。

 

  • ショート

アルコール度数が強くカクテルグラスで提供されることが多く、短い時間で飲まないと味が変わってきてしまいます。

 

  • ロング

氷が入ったタンブラーなどで提供されることが多く、長い時間でも適度に冷えた状態になるので、時間をかけて飲む場合に向いています。

氷が溶けて水っぽくなる場合もありますが。

時間帯と目的による分類(パターン3)

時間帯による分類は、「食前」と「食前・食中」と似た分類がありますが、それ以降は「食後」「サパーカクテル」「ナイトキャップカクテル」となり、全日では「オールディ・カクテル」となります。

目的では「クラブ・カクテル」と「シャンパン・カクテル」というように分類されます。

 
 コラムニスト情報
伊藤 誠
性別:男性  |   職業:カクテル評論家

NPO法人「カクテル・コミュニケーション・ソサエティ」(C.C.S.)の一般メンバーです。
カクテル作りを楽しむブログ「ホームカクテル」を主催。自宅でカクテル作りを楽しもう!ということで「ホームカクテル」というネーミングのブログにしています。
カクテルを作る道具や副材料、お酒、自分で実際に作ったカクテル、その他、バーに関する本や実際のバーも紹介しています。これまで紹介したバーは200店。(2014年11月現在)