お土産・ギフトにもおすすめの、京都の和菓子。まるで宝石みたいな秋の上生菓子10選

執筆者: 小倉 夢桜-Yume- 職業:和菓子ライフデザイナー・和菓子ライター
はじめに

こんにちは、和菓子ライフデザイナーの小倉 夢桜-Yume-です。


秋の、一気に木々が色づき始めた京都
多くの方々が京都を訪れてこられることだと思います。
訪れられた際には、和菓子屋に立ち寄っていただき、上生菓子からも秋を感じていただければと思います。


上生菓子と一言で言いましても数多くの種類があります。
今回は、秋に見かける代表的なお菓子をご紹介いたします。

お火焚き饅頭をご存知ですか?

11月になると、京都のあちらこちらの神社からお火焚き祭の煙が立ち昇ります。


お火焚き祭は、火を焚いて秋の収穫、五穀豊穣に感謝します。
また、ご神火の霊力により汚れや罪が祓われ、願い事が叶うとされています。
そのお火焚き祭の際にお火焚き饅頭・おこし・みかんの三品が供えられ、そのお下がりを近所さんに配ります。


地蔵盆と同様に、京都の子供たちの楽しみのひとつです。


紅白の小判型の上用饅頭に火炎宝珠の焼き印が押されているのがお火焚き饅頭の特徴です。
11月の代表的な和菓子のひとつです。

きんとん製

上生菓子では欠かすことのできないお菓子です。

暑い夏には見かけることが少なくなりますが、涼しくなるとどちらのお店でも見かけることのできるお菓子のひとつです。

 

 

蒸した山芋を裏漉しして砂糖と炊いたものや、白餡を求肥でつないだものを、様々な色に着色して、うらごし器でそぼろ状にしたものを『きんとん』と呼びます。

 


うらごし器の目の大きさによって、細くなったり、太くなったりと、写真のような様々な表情のきんとんが出来ます。


餡などの芯の周りにきんとんを付けて季節を表現します。

練切(ねりきり)製


きんとん製と同様に上生菓子では欠かすことのできないお菓子です。

その理由は様々な形を作るのに適しているからです。

 


一般的には白餡に求肥をつなぎに加えて練り上げ『練切』を作ります。
細工がしやすい餡となり、写真のようなお菓子たちが生み出されます。

 

 

外郎(ういろう)製

京都の上生菓子で、これほどまで多くの外郎製のお菓子があるとは数年前までは知りませんでした。

関西に住んでいると、外郎といえば名古屋のイメージが強く、多くの方が外郎と京都の和菓子を結びつけることはありません。


写真のお菓子は、この時期にになると多くの和菓子屋で見かける紅葉した銀杏の葉を模ったお菓子です。


餡を外郎で包んだとても食べごたえのあるお菓子です。

薯蕷(じょうよ)製

みなさんには一番こちらのお菓子が馴染みがあるのではないでしょうか。

薯蕷とは山芋、つくね芋など薯蕷芋のことです。
この薯蕷芋をつなぎに使い蒸したお饅頭を薯蕷饅頭と呼びます。
最近では、『薯蕷饅頭』よりも『上用饅頭』の方が一般的になりつつあるようです。


意匠的には地味なお菓子が多い薯蕷饅頭です。
しかしながら、このお菓子でそのお店の職人の技量がわかると言われるほど、大切なお菓子です。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

秋に見かける代表的なお菓子の種類をご紹介させていただきました。


普段、和菓子にあまり触れることのない方にとっては初めて見た単語だったかもしれませんが、それ以外にもたくさんの種類のお菓子が京都の和菓子屋には並んでいます。
ぜひ、これを機に和菓子屋を覘いて、秋を感じてみてください。

 
 コラムニスト情報
小倉 夢桜-Yume-
性別:男性  |   職業:和菓子ライフデザイナー・和菓子ライター

京都五感処・京都Loversフォーラム代表。
『今だけ』『ここだけ』『あなただけ』をコンセプトにオフィシャルホームページ『きょうの「和菓子の玉手箱」』で京都の素敵な和菓子たちの世界を毎日お届け。
この2年間に自身が食べた和菓子の数は1000個を優に超える。

数々の和菓子を見て、食べて感じた経験を活かして、現在は和菓子関連のテレビ制作に協力。

みなさんに和菓子の素晴らしさを伝えて、より身近に感じていただけるような活動を目指しています。

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