家庭で出来るピアノのお手入れ・管理方法。寿命をぐっと伸ばす環境作りのポイント
ピアノは大きくて強くて頑丈そうに見えますが、実はとても繊細な楽器です。
環境によってピアノの寿命が左右されるほど、置く場所は重要な問題です。
日本の住宅事情で、ピアノにとって最適な部屋を用意するというのはなかなか難しいところですが、今日はピアノを置くのに適した場所・環境についてお話ししたいと思います。
最近寒くなってきて、空気が乾燥してきました。
顔や唇、肘や踵もガサガサ、冬の乾燥は多くの女性の悩み。
梅雨の時期は肌がベタベタ、湿気を吸って髪が膨らんで憂鬱。
湿気と乾燥は女性の大敵です。
実は、ピアノも女性と同じで、乾燥のし過ぎと湿気が大の苦手なのです。
ピアノは多少のことには左右されない強いイメージがあるかと思いますが、女性と同様、案外とてもデリケートなのです。
- 水を使う浴室やキッチンなど湿気の多い場所の近くは避ける
- 直射日光が当たる場所に置かない
- 石油ストーブ、ガスストーブは湿気やすいので注意
- 床暖房の上に直接置かない
- エアコンの風が直接当たらないように
ピアノは急激な温度差、湿度、環境の変化をとても嫌います。
日本は高温多湿、夏も冬も温度差があり過ぎて、管理が非常に難しいのが現状です。
冷暖房の普及で一日の部屋の温度差はより大きくなる傾向です。
一日中、一年中、一定の温度・湿度で管理されるのが理想ですが、一般家庭ではなかなかそうはいきません。
- 直射日光が当たる時間はカーテンで遮る
- 石油ストーブの上にやかんを置かない
- 乾燥対策には観葉植物を置いてみる
- 湿気対策には風通しを良くしピアノカバーは外す
以上のように、出来るだけ温湿度差を小さくするよう心掛けて頂くことで、ピアノに優しい環境になります。
時には加湿器や除湿器なども使ってもよいかと思います。
湿度や温度が高い日に人が汗をかくのと同様、ピアノも内部に汗をかきます。
1つの鍵盤を支えるアクションは60以上の部品から出来ていて、88鍵では約5,500個、その材料には木材やフェルト、金属が使われています。
木や布は湿気を吸い膨張し、時には鍵盤が下がったまま戻らなくなったり、汗をかいて弦やパーツがカビたりサビたりしてしまいます。
乾燥のし過ぎで皮膚がひび割れたりするように、ピアノも木のパーツが割れたり雑音がしたりします。
置き場所の環境によって調律が狂いやすくなったり、ネジが緩んだり、ピアノは細かな部品で出来た精密機械ゆえ、非常に繊細です。
女性の敵はピアノの敵、乾燥と湿気に特にご注意ください。
人にも快適な湿度50~60%、温度20℃前後を目安に管理をお願いします。
ピアノを長持ちさせるためにも、ぜひ気にかけてあげて下さいね。
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