お中元の「なるほど!」贈答マナー。正しい折り方・結び方・包み方の意味
こんにちは、マナープロトコール講師の矢野誉美です。
日本ならではの素敵な贈り物の習慣「お中元」。
今回は、この”夏の贈りもの”お中元の起源と、贈り物には欠かせない「熨斗」と「水引」の由来について、ご紹介したいと思います。
しきたりや日常のマナー・習慣において、大陸の影響を色濃く受けている我が国日本。
お中元とは、もともと古代中国で生まれた道教の三元節の一つで、一年の中で上元(1月15日)、中元(7月15日)、下元(10月15日)の日に、供物を捧げて祝う習慣が起源となっています。
このならわしが日本に伝わり、お盆の行事と時期的に重なる「中元」の時期に、両親への感謝の気持ちや先祖供養の意味を込めて、品物を贈る習慣が定着しました。
今日のように、取引先の会社など、仕事関係でお世話になっている人にも贈り物をするようになったのは、実は明治時代になってから、百貨店などの商業戦略によるものと言われています。
昔の進物は、品物を台に載せ、塵や埃を避けるために、紙で覆って贈っていました。
現代において、私たちの身近なところでは、ご祝儀袋や箸袋、熨斗、お年玉を包む袋などがあります。
かつてはその包み方を、紙を折ることから折紙(おりがみ)と呼んでおり、贈る物の内容にふさわしい形に折り上げることから、「折形(おりがた)」と呼ばれるようになりました。
また、別の包む文化としては風呂敷などもあります。
大切な品物を贈るにあたり、紙や風呂敷で幾重にも包み、贈る相手への敬意を表していました。
素敵な文化だと思いませんか?
「折形」と共に大切なのが「水引」です。
水引とは、贈答時に紙や封筒にかけられる紙糸の飾り紐のことです。
飛鳥時代に、小野妹子が隋国(中国)から持ち帰った品にかけられていた、紅白の麻紐が原型といわれています。
ずいぶん歴史の深い習慣なのですね。
水引はその贈り物の用途によって、結び方が異なります。
「真結び」や「あわび結び」、「もろわな結び(蝶結び)」があります。
もろわな結びは、水引の先を引っ張るとほどける為、何度でも結び直せることから、出産やお宮参り、入学や卒業、長寿のお祝いなど、何度あってもよいお祝いに使用されます。
それとは反対に、「真結び」や「あわび結び」は水引の左右を引っ張るほどに強く、固く結ばれることから、結婚や弔事などの一度きりと考えられることに使います。
「熨斗紙」や「熨斗袋」についている「熨斗」は、正式には「熨斗鮑(のしあわび)」と言い、仏事や不祝儀でない場合の贈答に用いられます。
古くから、鮑は高級品として供えられ、また、中世になると貴族の間で進物に用いられたり、武家の出陣や帰陣の際の贈答品に添えられていました。
「熨斗」の語源は「伸す(のす)」で、その鮑を薄く切り、平らにして伸ばしたものが熨斗鮑です。
そもそも、贈り物に熨斗鮑を付けるのは、その品物が不祝儀ではない証として「鮑」が添えられたのが始まりとされています。
古来、日本では、魚、鳥、卵、海産物など臭気があるものが、あらゆる邪気を祓うとの考えがあったため、慶事にはこのような「生臭いもの」が必要とされていたようです。
最近では祝儀・不祝儀袋も、紙に水引や熨斗柄が印刷されたものが多く用いられるようになり、水引の意味を知らないまま贈り物をしている傾向にあります。
熨斗も水引も、日本人の贈り物に込めた気持ちを、細やかな形として表わしたものです。
すべてのしきたりが簡略傾向にある現代だからこそ、私たちが今一度その意味を見直して次世代に伝えていくべきではないでしょうか。
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