怖い都市伝説「暗い日曜日」とは?呪いの歌詞とメロディの真相!
「検索してはいけない」と言われる音楽、「暗い日曜日(Gloomy Sunday)」。
とはいえyoutubeなどにもアップされている有名な曲なのですが、この曲を聞くと呪われてしまうだとか、生への気力を失ってしまう等の噂があります。
今回はこの謎の楽曲「暗い日曜日」について追っていきましょう。
「暗い日曜日」は、1933年にハンガリーで発表された楽曲です。
原曲はヤーヴォル・ラースロー作詞、歌はシェレシュ・レジェーが担当しています。
この曲は、シェレシュ・レジェーが人生の失意の中にいた時に作られた曲とされています。
そのあまりに暗い曲調や歌詞は、一般受けしないと各出版社や放送局から断られ続け、ようやく世に送り出された際も、元の歌詞は使われず、ヤーヴォル・ラースローが担当となりました。
この歌詞の内容は、どんよりと気が滅入りそうな日曜日に、ある女性が亡くなった恋人を想い嘆き、最後は自ら命を絶つというものです。
非常に暗い歌詞で、メロディも重苦しい旋律を奏でています。
ハンガリーの一部の放送局や、イギリスBBCでは放送禁止とされています。
フランスをはじめとした各国、日本では淡谷のり子や越路吹雪、美輪明宏、夏木マリなどの大御所歌手がカヴァーをしています。
特にフランス人シャンソン歌手ダミアが歌ったものは、効果がケタ違いだという噂も。
恐怖系の都市伝説にありがちですが、噂の真相としては残念ながら憶測の域を出ません。
確かに数人の自殺者が、この曲のことを遺書に記して命を絶ったという記録はあるようですが、ハンガリーでの自殺者の数が200人を超した、心霊現象が起きたなどという話は明確な数値も出ておらず、まさに都市伝説として語り継がれているのみです。
では、なぜこのように都市伝説化をしてしまったのでしょうか。
確かに精神に影響を与える旋律というものは存在します。
有名なアルフレッド・ヒッチコックの映画「サイコ」で流れる、ガラスを引っ掻いたような例の不気味なメロディは、人間の精神に恐怖を与える旋律で作られていると言われています。
ちなみに信号機の青が点滅する時の音も、不安を与えるメロディと言われています。
「暗い日曜日」の出だしの暗さや、荘厳な歌声などが不安感を与え、メンタルに影響を与えた可能性はあります。
この曲は発表された当時は、ヨーロッパ中が戦争の激化とナチスドイツの侵攻に怯えて過ごしていました。
不安定な社会情勢の中、このような曲を聞いた人々のメンタルを悪化させ、噂として流れていったのではないかと言われています。
作曲者であるシェレシュ・レジェーは、1968年、ブダペストで投身自殺をしています。
しかし原因は当然曲ではなく、病気による精神的なものと言われています。
この曲を歌った歌手は自殺をする、カヴァー曲を演奏した人間も後を追うなど言われていますが、逆に先ほど述べた
シャンソン歌手ダミアは、90歳まで長生きをしています。
音楽家、芸術家などは常人より繊細な神経を持っているため、情緒不安定になった時にこのような曲を聞くことで、何らかのトリガーになった可能性は否定できません。
都市伝説は当時の情勢、世情を強く反映します。
激動の昭和時代、赤マントやトイレの花子さん、怪人20面相、ミミズバーガーなどが流行した理由も同様です。
今はもう、街のどこにも暗がりはなく、路地裏に正体不明の怪人は潜んでいません。
しかし時代を象徴する大企業や商品、人物にまつわる都市伝説は次々と生み出され続けています。
「暗い日曜日」も、当時の情勢を背負った「不安の概念(都市伝説)」として、現代まで語り継がれています。
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