栄養効果を高める「ごま」の食べ方は?ゴマの健康と美容効能
ゴマは抗酸化作用が高く、アンチエイジング食材の一つです。ごまの栄養効能と効果的な食べ方を見ていきましょう。疲労回復や便秘解消効果もあります。
「ゴマには栄養がたくさん含まれている」。
何となくわかっていても、具体的にどんな栄養が含まれているのかと聞かれると、首を傾げてしまう。
そんな方も結構いらっしゃるかも知れないですね。
今回は、そんなゴマの栄養素や効果効能、賢い使い方などをご紹介します。
原産がアフリカのサバンナ地域のゴマ。
日本でも、遺跡からゴマの種子が見つかり、紀元前の昔からゴマが食べられていたことが分かっています。
そんな古くから日本で食べられてきたゴマですが、最近では、我々の食卓にのぼるゴマはほとんどが輸入品です。
国産のゴマはわずか0.1%。
99.9%が輸入に頼っており、主に中南米、アジア、アフリカから輸入されています。
手間のかかる作業と収益性の低さが原因です。
栽培自体はそんなに難しくはないようですが、収穫以降の手間のかかる作業と収益性の悪さから、次第にゴマ栽培を止めていく農家さんが多くなりました。
写真は、近郊の農家さんから購入した、希少な「金ゴマ」です。
80歳を越えるおばあちゃんが、ピンセットを使って選別作業をしてくれたそうです。
収穫してから実をはずし、ごみや砂を除いて天日に干し、さらに選別作業と、手間のかかる作業行程。
お話を伺ってみると、手間と根気を要する作業で、大量生産が難しいことがわかります。
さて、ゴマに含まれる栄養素は、多岐にわたります。
「たんぱく質」や「食物繊維」、ビタミンB群やビタミンE、カルシウム、マグネシウム、鉄分、亜鉛などの「ビタミン、ミネラル」、オレイン酸やリノール酸などの「不飽和脂肪酸」、それから「ゴマリグナン」。
サプリメントのCMなどでよく耳にする、「セサミン」などの成分で構成されるゴマの機能性成分です。
それぞれの栄養素と、その働きをご説明します。
ゴマリグナンが、抗酸化作用をもつビタミンEの働きを高め、また自らの抗酸化作用によって、ダブル効果で活性酸素を除去してくれます。
牛乳などに比べると、カルシウムの量に対してマグネシウムの比率が高く、骨をしっかり作ってくれます。
肉類や加工食品からリンを多く摂取すると、血液中のカルシウムとのバランスを保とうとして、骨を溶かしてカルシウムを血液に放出してしまいます。
ゴマにも、リンは多く含まれますが、加工食品に含まれる無機リン、また有機リンの中でも動物性のものに比べると、リンの吸収率は低くなります。
骨を強くするためにマグネシウムを摂取するには、ゴマは良い食材と言えるでしょう。
豊富な必須アミノ酸が、からだを構成するたんぱく質を作ります。
大豆製品と組み合わせると不足するアミノ酸(※1)を補い、相性の良い組み合わせになります。
※1 ゴマの第一制限アミノ酸であるリジンは、大豆製品に多く含まれます。
肉食過多や砂糖の摂りすぎなどで、血液が酸性に傾くと中和しようと働き、ここでも骨を溶かしてカルシウムを血液中に放出してしまいます。
骨を強くする意味でも、動物性のものばかりでなく、植物性のたんぱく質も、ゴマや大豆などから、しっかり摂取しましょう。
ビタミンB1やナイアシンなどのビタミンB群が、摂取した糖質、脂質のエネルギー代謝を助け、しっかり動くからだを作ってくれます。
ゴマリグナンが肝臓の解毒酵素の機能を高め、アルコールを分解する機能も高めます。
不溶性食物繊維を含み、消化気管で水分を抱え込んで便の容積を増やし、排泄を促します。
さて、ゴマにはいろいろな食べ方があります。
「いりごま」、「すりごま」、「練りごま」などは一般的ですね。
それ以外にも、指で捻り潰し、香りをたたせる「ひねりごま」や、包丁で切って使う「切りゴマ」など、日本料理店などでの「通」な使い方もあるようです。
ゴマアレルギーの方でも「すりごま」「ねりごま」は駄目でも、なぜか「いりごま」は大丈夫、という方がいらっしゃいます。
ごまの粒は小さいため、噛み砕かれることなく体内にはいり、固い殻におおわれたまま、消化されない確率が高くなるのでしょう。
このことからも、しっかりゴマの栄養を消化吸収したいなら、「すりごま」「練りごま」の方が良いことがわかります。
「練りごま」は、家庭でも簡単に作ることができます。
脂質が半分以上を占めるゴマは、ミキサーやフードプロセッサーに、炒りゴマを入れて撹拌するだけで「練りごま」になります。
スイッチを入れて5分ほど放っておくだけで、少し粗めの「練りごま」の出来上がりです。
既製品の練りごまに比べてかなりリーズナブルで、粒度を自分の好みに調整できるのも良いところだと思います。
せっかくゴマを食べるなら、栄養をしっかり吸収したいですよね。
「練りごま」で、ゴマ料理のバリエーションを増やしませんか。
次回は、その「練りごま」や「すりごま」を使ったレシピをご紹介したいと思います。
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