無理なダイエットから摂食障害になってしまったヨガインストラクター体験談。拒食症、過食症、うつ症状から改善に導いてくれたのはヨガの呼吸法でした。
こんにちは。美姿勢インストラクターの美宅玲子です。
皆さんはダイエットをしていますか?
または、ダイエットをしたことがありますか?
ダイエット経験の有無にかかわらず、夜遅くに飲み食いをし過ぎてしまったり、それで翌日体調が優れなかったりすると、自己嫌悪に陥った経験があるかもしれません。
通常であれば、すぐに立ち直って平常通りの生活が送れますが、真面目で頑張り屋、完璧主義の人ほど、そこでドツボにはまってしまいがちです。
今回は、インストラクターである私の摂食障害の経験から、いかに人間の体が心の影響を受け、心の健康が何より大切かということをお伝えします。
私は、生育環境や性格上神経質な部分があって傷つきやすく、人に相談したり、気軽に声をかけたりするより、1人で気持ちを抱えて一生懸命になるところがありました。
学生時代に陸上競技に励み、高校のインターハイに出場するのを目標にしていたのですが、そういったメンタルの弱さから、出場者を決める大会で力を発揮できず、出場が叶いませんでした。
そのストレスで、私は、高校3年生の時に摂食障害になりました。
「私が太っているからいけないんだ」と思うようになり、食事量を半分にして、毎日ジョギングを続けながら受験勉強をする日々が半年続きました。
結果、体重が8kg落ちて「低体重」と診断されるまでになりました。
低体重になっても、「食べない」を貫く
体の食欲を無視して、頭の意志で「食べない」と決めていると、食欲はどんどん膨らんでいきました。
夢に食べ物が頻繁に出てくるようになり、食に執着しながらも「食べない」を貫きました。
真面目でストイックな性格だったからこそ、病気にも一直線でした。
食べることに罪悪感が強く、少しでも痩せている人を見ると不安が強くなり、イライラしました。
精神的にも体調的にもおかしいなと思いながらも、太ることが怖くて、元に戻れませんでした。
そして、大学に入学し、陸上部に入部しました。
痩せた体では記録が出るどころではありませんから、少しずつ筋肉を取り戻そうと、食べ始めることができました。
ところが、それまで我慢していた巨大な食欲が爆発し、体の欲する量以上にどんどん食べてしまいます。
過食症の始まりでした。
食べ始めると、自分がどの程度で体が満足するのかが分かりません。
冷凍した食品も解凍せずそのまま食べ、お菓子もお腹がはちきれそうになって「もう入らない」というところまで止まりません。
もちろんそれでは太り過ぎてしまうので、罪悪感も膨れ上がり、せめて早く体内から出してしまわなければと、下剤を使うようになりました。
独立・就職して「気分障害(うつ状態)」も併発したこともあり、ますます「食べては自己嫌悪」という悪循環に一人苦しむ日々が何年も続きました。
最初に体の声を無視して食べずにいたことで、体の本来の声(本当の食欲)が聞こえなくなってしまったのです。
自己嫌悪も、苦しんでいる体にさらにストレスをかけることになり、「食べてはダメだ」「でも食べたい」「どのくらい、何を食べたいのか分からない」「どのくらい、何を食べたらいいのか分からない」という葛藤で、毎日心と身体が消耗していきました。
一度このループに入ると、本当に抜け出すことが難しいです。
たとえダイエットに成功したとしても、心は不安定でイライラし、心身が健康的で幸せとは言えませんでした。
人間関係もおろそかになり、ダイエットのために生きている状態になり、人生が空虚になってしまいます。
ヨガやピラティスは、毎回自分の体や心がどう感じているのか、どう動かした時に心地いいのか、など心身の声を聞く作業をします。
おかげで、ヨガなどを続けるうちに、体はこれが心地いいけれど、その時に心が「ダメ」と否定したり、認めようとしていなかったりという、現状が見えるようになりました。
体の声を無視しない、認める、肯定する、そういうことの繰り返しで心が安定し、食欲も収まるようになってきました。
「体の声に従っていたら、食べ過ぎてしまうんじゃない?」と疑問に思う人もいると思います。
それは、私が体の声を無視して言い聞かせていた「頭・理性の声」と同じです。
例えば、「お腹はいっぱいだけれど、デザートを見たら食べたくなった」というのは、体の声ではなくて頭の声ですよね。
「お腹は空いていないけど、惰性で、口寂しくて、何となく食べ続けてしまう」のもそうです。
そういった周りからの情報や記憶が、ストレスによって体の声を押し切ってしまうのです。
本当に体の声を聴いていれば、食べ過ぎることはないはずです。
それでは、心静かな状態で体の声を聴く練習を、ヨガの方法で行ってみましょう。
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