夏の星座「いて座」の見つけ方!まずは”南斗六星”の探し方からスタート!
晩夏の夜、星空観察してみませんか? 注目は「火星」と、隣のさそり座を弓で狙っている「いて座」。星座の探し方や天体観測の楽しみ方を紹介します。
こんにちは、天体観測アドバイザー・星空案内人の宇都正明です。
夏も終わりですね。
夜はすっかりと、涼しくなってきました。
夕涼みがてら、星空を眺めてみませんか?
前回のコラムでもご説明しましたが、今夏は火星が楽しめました。
最盛期は過ぎましたが、夜の帳が下りた頃、南西の空を見ると、まだ赤い火星を見ることができます。
ちょうど、さそり座の1等星「アンタレス」に近くなり、2つの赤い星が、その明るさと、赤さを競っている様子を観察することができます。
かなり南西に低く、早い時間帯に沈んでしまいますので、なるべく暗くなってすぐに見るのがポイントです。
さそり座を探したら、そのまま、少し東に目を向けてみましょう。
さそり座の東隣りには、やはり星占いでご存知の星座「いて座」があります。
いて座は夏を代表する星座なのですが、目立つ星が少なく、最初に探すのは大変かもしれません。
いて座には「南斗六星」と呼ばれる、北斗七星に似た、ひしゃく型の星並びがあります。
まずは、これを探してみましょう。
北斗七星に比べるとやや小さく、また暗めの星になりますので、もし目で見つけにくい様でしたら、ぜひ写真に撮影してみてください。
いて座の『いて』とは『射手』と書きます。
暗い星が多く、なかなか結ぶのが大変ですが、こうしてみると案外、大きな星座であることが判りますね。
いて座は、ギリシア神話では、半人半馬の(上半身が人間、下半身が馬)ケンタルウス族で、複雑な星並びになってしまいますが、南斗六星の柄の部分が弓の一部となって、まるでさそり座を狙っているかの様です。
さて、そのいて座ですが、少し結び方を変えてみてみましょう。
南斗六星のひしゃくの部分が、ティーポットの取っ手、いて座の前足部分を、ポットの注ぎ口に見立てて、結んでいくと、星空のティーポットの完成です。
この部分の星々は、2等星~3等星と比較的明るい星々で構成されていることもあり、結びやすく、形も整っていることから、探しやすいと思います。
また、南斗六星は、ミクルディッパー(ミルクさじ)とも呼ばれています。
いて座付近は、濃い天の川が流れています。
天の川は、英語で「ミルキーウェイ」。
ティーポットや、ミルクディッパーなど、紅茶を連想する様な愛称が多いのも頷けますね。
でも、ここは、さそり座をスプーンに見立てるのはどうでしょうか?
こうして見ると、ティーポットから、スプーンにミルク(天の川)を注いでいるかの様ですね。
(ちょっと、苦しいでしょうか …?)
この様に、星座の結び方は必ずしも決められているわけでありません。
古代の人々も、満天の星空を見上げながら、個人個人、自由に星並びを結んで、身近な物を連想していったに違いありません。
ぜひ、自由な発想で、星々を結んでみてください。
今回は、過ぎゆく夏を名残惜しみながら、西空に見えている夏の星座「いて座」をご紹介しました。
華やかな夏の星々も、まだまだ西空に見えて楽しむことができます。
夏に比べると秋の星空はかなり寂しくなりますが、次回以降でご紹介していこうと思います。
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銀河鉄道999や、ボイジャー2号の写真などで、子供の頃から宇宙に興味を持って以来、天文に興味を持ちました。
デジタルカメラのおかげでアマチュアでも、図鑑の様な写真が撮影できる様になり、すっかりとのめり込んでしまいました。
星空の魅力を伝えていければと思って、天体観望会のお手伝いなどもしています。
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