春の星空・天体観測!「木星&しし座」の位置と探し方
春の夜空で星空&天体観測!注目は、真夜中の明星とも呼ばれる巨大な惑星「木星」とライオンの姿をしている「しし座」。探し方のコツや観察のポイントをご紹介します。
桜前線もどんどん北上していき、すっかりと暖かくなってきました。
冬のきらびやかな星座に比べると、春の星座は少し地味ですが、しし座を始め、星占いでも有名な星座が沢山あります。
春分も過ぎると、すっかり日暮れも遅くなってきます。
そんな夜の帳が降りる頃、東の空を見てみると、明るい星があるのに気が付きます。
これは、「真夜中の明星」とも呼ばれる惑星、木星です。
木星は太陽になり損なった星、とも言われれている位で、太陽系の惑星の中で、もっとも大きな惑星になります。
その大きさは、なんと地球の10倍以上もあります。
それだけ大きな惑星なので、地球から離れた位置にあっても、-2等級もの明るさで輝いて見えます。
30cm反射望遠鏡で撮影した木星
木星を望遠鏡で見ると、大赤斑と呼ばれる紅い模様を見ることができます。
上の写真で、赤く目玉のように見えるのが大赤斑です。
この大赤斑は、巨大な台風ではないかとも言われており、その大きさは、なんと、地球が2~3個、すっぽり入ってしまう程。
近年の観測で、縮小していっていることが判明していますが、大赤斑や木星の縞模様は小型の望遠鏡でも見ることができるので、ぜひ、望遠鏡をお持ちの方は見てみてください。
望遠鏡をお持ちでない方は、お近くの公共天文台施設での観望会が無いか、探してみてください。
木星は土星程ではありませんが、面白い天体ですので、観望会のメニューには必ず加えられていると思います。
なかなか都合よく、大赤斑が見える時間帯に見られるかは分かりませんが、それでも、木星の2本の縞模様は一見の価値ありです。
望遠鏡も持ってないし、近くに公共天文台も無い、という方は、もし、双眼鏡をお持ちなら、ぜひ、双眼鏡で木星を見てみてください。
さすがに縞模様までは見えないと思いますが、明るい木星の周りに、いくつかの小さな星々がほぼ一直線に並んでいる様子が判ると思います。
木星とガリレオ衛星
これらは、木星の月(衛星)で、木星の周りを回っています。
かのガリレオ・ガリレイは、この木星の衛星の動きから、地球が回っていることを確信しました。
宗教裁判で「それでも、地球は回っている…」とつぶやいたという話は、余りにも有名です。
このことから、この木星の明るい4つの衛星は、「ガリレオ衛星」と呼ばれています。
木星の自転とガリレオ衛星の移動
こちらは、望遠鏡を使って、ガリレオ衛星のうち、2つが木星の手前を移動していく様子を捉えた写真です。
2つの衛星が動いていく様子や、衛星の動きの速度の違いが判りますね。
双眼鏡でも、時間を置いて見てみると、衛星の位置が変わってる様子を確認することができます。
ぜひ、地動説を感じてみませんか。
ガリレオ衛星は、200mm程度の望遠レンズでも写しとることが出来ますので、写真撮影にもチャレンジしてみてください。
以前のコラムでも紹介しましたが、惑星は、常にその位置を変えるため、惑い星と呼ばれています。
2016年春、木星は、しし座に位置しています。
木星は、春の星座のどの星よりも明るく輝いているので、良い目印になります。
木星を見つけたら、ぜひ、しし座も探してみましょう。
しし座は、まさに狩りをする為に駆け出したライオンの姿をしているのがお分かり頂けるのではないでしょうか。
星座の中では、比較的形が整っている星座です。
しし座の頭部は、「?」を鏡に映してひっくり返した様に見えます。
この部分は、「ししの大鎌」と呼ばれています。
西洋の草刈り鎌から、この名称があるそうです。
星座は、ギリシア神話が有名であるように西洋がメインですが、日本では、どちらかというとS字フックの方がイメージが湧くでしょうか?
今回は、春の夜空に輝く「真夜中の明星」木星と、その木星がいる星座、しし座についてご紹介しました。
ぜひ、夕空に輝いて見える木星を探してみてください。
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銀河鉄道999や、ボイジャー2号の写真などで、子供の頃から宇宙に興味を持って以来、天文に興味を持ちました。
デジタルカメラのおかげでアマチュアでも、図鑑の様な写真が撮影できる様になり、すっかりとのめり込んでしまいました。
星空の魅力を伝えていければと思って、天体観望会のお手伝いなどもしています。
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