[読むプラネタリウム]オリオン座からうさぎ座、はと座まで…冬の星座の見つけ方と星空神話
冬の夜空にある小さな星座「うさぎ座」「はと座」の探し方。分かりやすい「オリオン座」を起点にして見つける方法を解説。宵の明星「金星」の情報も。
こんばんは、天体観測アドバイザー・星空案内人の宇都正明です。
寒気が入り込み、すっかりと寒くなりました。
しかしながら、一年のうちで最も空気が澄み、星空観察には良い季節です。
さて、夕方から宵の口にかけて、西の空に目を向けると、非常に明るく輝く星が目に飛び込んできます。
宵の明星、金星です。
地球よりも、太陽の近くを回っている惑星を「内惑星」といいます。
具体的には、この「金星」と、太陽の最も近くを回っている「水星」の2つの惑星が内惑星です。
内惑星は、地球との位置関係上、夕方か明け方の空でしか見ることができません。
本コラムでも何回か紹介しているように、惑星は星座の中で位置を変えていきますが、内惑星は特に移動が大きく、今回の宵の明星も、3月くらいまでしか見ることができないのです。
その後は明け方の空に回っていきます。
冬の星座探しの起点は、やはり「オリオン座」です。
宵の口にはすでに、東空からオリオン座が昇ってくるのを見ることができます。
少し復習になりますが、写真からオリオン座の形を結んでみてください。
さて、オリオン座を見つけられたら、そのすぐ下(南)に、着目してみましょう。
ここにも小さな星座があります。
うさぎ座です。
位置としては、オリオン座の白い一等星「リゲル」の下(南)で、全天一明るい一等星、おおいぬ座の「シリウス」の右(西)あたりになります。
目立つ星はありませんが、星座線を結んでみると、なるほど、耳もあり、短い尻尾もあり、たしかに、飛び跳ねるうさぎの姿を連想させてくれます。
星座の中には、名前と星並びがイマイチ一致せず、疑問符をつけたくなるような形のものも多いのですが、このうさぎ座は小さく、暗い星ばかりですが、形が整っている星座です。
ちなみにこのうさぎ座は、その昔、野兎がはびこり、田畑を荒らした為、「オリオン座の足元に星座を置いて、猟師オリオンに追い払ってもらおう」というおまじないの為に設定されたのだとか。
なるほど、猟師オリオンの足元を逃げ回り、オリオンの猟犬であるおおいぬ座に追われている獲物のうさぎ、とも見てとれますね。
さて、もう一つ、小さな冬の星座を探してみましょう。
うさぎ座のはるか下(南)、かなり低空になりますが、ここにも小さな星座があります。
おおいぬ座から探す方が探しやすいかもしれません。
おおいぬ座の足先、右(西)にある、いくつかの星がはと座です。
はと座は、はとが羽ばたく姿を横から見ている様な星並びですね。
このはとは、旧約聖書にある大洪水の際、ノアの方舟から放たれてオリーブの葉を持ち帰り、ノアに陸地があることを教えてくれた鳩なのだとか。
今回は、冬の夜空にある小さな星座についてご紹介しました。
どちらも、小さな暗い星からなる星座たちですが、冬の澄んだ空の下では、きっと見つけることができると思います。
ぜひ、探してみてください。
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銀河鉄道999や、ボイジャー2号の写真などで、子供の頃から宇宙に興味を持って以来、天文に興味を持ちました。
デジタルカメラのおかげでアマチュアでも、図鑑の様な写真が撮影できる様になり、すっかりとのめり込んでしまいました。
星空の魅力を伝えていければと思って、天体観望会のお手伝いなどもしています。
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