子供同士の喧嘩、親は介入すべきではない!正しい対処法は?いじめとケンカの境界線は?

子どもが喧嘩した時の、親の正しい対応の仕方とは? 口出ししたり、介入したりすると、かえって話がこじれてしまうケースも。子ども同士で仲直りできるよう上手にサポートする方法や、ケンカといじめとの境界線を見極めるポイントを解説。

執筆者: 桜井 涼 職業:メンタルケア心理士、コラムニスト
子ども同士のケンカに、親はどう関わるべき?

こんにちは、 メンタルケア心理士の桜井 涼です。

兄弟同士、友達同士でのケンカは、いつどこで勃発するかわかりません。

そのため、親は「手が出てしまうのではないか」、「いじめに発展するのではないか」など、さまざま心配をしてしまいます。

 

つい仲裁をしてしまいたくなるけれど

ですが、子ども同士のケンカに親が口出しをしてしまうと、かえってややこしいことになってしまったり、仲直りすることができなくなったりする問題が発生します。

どんなことが起こったら止めに入るのか、どう対処すればいいのかの境界線が分かっていれば、親の気持ちが少しは楽になるのではないでしょうか。

 

子ども同士のケンカは勉強です!

多くの専門家が、「子どものケンカには親が介入するべきではない」と言っていますね。

私もこの意見には賛成です。

 

なぜかというと、兄弟同士・友達同士で勃発したケンカは、子どもに学ばせるいい機会なのです。
「ケンカで何を学ぶの?」と思われる方もいるかもしれませんね。

 

ケンカをすることで、次のようなことを体験することができます。

 

  • 人間関係の動き
  • 叩いた(叩かれた)時の痛み
  • 言葉によって生じる悔しさ
  • どのように仲直りをすればよいか など


こうした経験は、子どものうちに体験して大人になります。

大人が言葉で教えるよりも自分で体験した方がずっと身につくのです。

 

 

叩いたり蹴ったりするようなケンカになると、ケガをする(させる)のではないかと、親は気が気ではありません。ですが、痛みや悔しさなどを感じることは、心が発達していく上で非常に重要です。


叩かれて痛ければ、力の加減を覚えます。

また、相手を泣かせるような言葉を言ってしまったら、言葉の言い方にも気をつけることができるようになります。

こういった気づきが勉強になるのです。

 

ケンカといじめの境界線は?

時には、「ケンカ?いじめ?」と判断が付けにくくなる場面が出てくることもあるでしょう。

これらにも境界線があります。

 

次のようなことに当てはまる場合は、いじめである可能性が高いです。

子どもの様子を見ながら判断する必要があります。

 

  • 複数の子どもにやられている
  • 「嫌なこと」を何回もされている
  • 物を取られてしまって返してもらえない
  • 関係が対等ではない など


この時も、最初から親が「いじめられているんじゃないの」と子どもを突き詰めるような言い方をしないでください。

子ども自身がいじめだと気づいている場合、それ以降、親に話さなくなってしまいます。


「どうしたの?」・「大丈夫?」と、子どもと2人きりの時間を作って話をするようにしましょう。

この時は、優しく接してあげることが本音を聞き出すポイントです。

 

 

子どものケンカが起きたら、親はこう対処するのが正解!

対処の方法は、状況によって異なってきます。

ケンカが言い合いだけで終わった場合

親は介入しないようにします。

ただし、子どもが親に悔しい気持ちを話してきた場合は、しっかり受け止めてあげなくてはなりません。


「こんなことをされた」・「あんなことをされた」と言ってきた場合は、話(気持ち)を聞いてあげましょう。

話を聞いてもらえただけで、子どもはスッキリします。

 

そうすれば、仲直りするためにどうすればいいかを自分で見つけることができるようになります。

 

 

殴り合いのケンカになった場合

これは、ケガの度合いによります。
かすり傷程度で、本人がケロッとしている場合は、「どうしてケガをしたのか」くらいは聞いても問題はありません。

 

ですが、親が騒いでしまうと、子どもたちが仲直りができなくなってしまいます。

そんなことにならないように、この場合も話を聞いてあげるだけに留めましょう。

病院に行かなければならないような大ケガをした場合は、話が変わってきます。

まずはケガの治療をして、ケガをしたことを相手の親に話さなくてはいけません。

ケガをさせられた経緯もわかってくるでしょうから、毅然とした態度で話す必要があります。

 

 

ただし、ケンカをしたこと自体を責めるようなことはしてはいけません。

ケガをさせてしまったとショックを受けているのは、当事者の子どもです。

 

その後も仲良く遊べるように、ケンカしたことを責め続けるようなことは言わない方がいいです。
子ども同士、気まずい雰囲気になって仲直りすることができなくなってしまうからです。

2~3歳くらいの小さい子どもの場合

心が発達途中であるため、何が良くて何が悪いかがまだ理解できていません。

このくらいの年齢の子どものケンカには、親が入って関わり方などを教える必要があります。

おわりに

基本的には、子ども同士のケンカに親は介入してはいけないものです。

大人が介入するとかえってこじれてしまうことが多く、子ども同士仲直りができなくなってしまうからです。

ここは、止めさせたい気持ちぐっと抑えて我慢しましょう。

 

子どもが親にグチや悔しい気持ちを話してきたら、全てを受け止めてあげましょう。

そうすると、自分で答えを見つけられるようになります。

今、そういう力を持たずに大人になってしまう人もいます。

そうならないように、親が我慢をして子どもを育てるようにしましょう。

 
 コラムニスト情報
桜井 涼
性別:女性  |   職業:メンタルケア心理士、コラムニスト

元学習塾講師。妊娠出産のハプニングを乗り越え、現在は2児の母。
その頃より子どもの心の動きや医療に関係することに興味を持つ。

2009年より文筆家として活動。
子どもの心に関するコラム、子どもの心が正常に育つために夫婦へのアドバイス、子どもの病気関係を取材しコラムを執筆中。
心の闇を抱える子どもへの取材や心理学を学び、2016年「メンタルケア心理士」資格を取得。

ブログ『フリーライター桜井涼のたなごころ』
http://ameblo.jp/miehime0617/