珍しい自然現象「ブロッケン現象」を山や飛行機で見るための条件は?
影の周りに丸い虹の輪が現れる、不思議で神秘的な現象「ブロッケン現象」。飛行機内からブロッケン現象を見るために必要な条件や、著者が実際に見て撮影した写真を紹介します。
「山ガール」という言葉も、すっかり一般的になりました。
女性でも気軽に登山を行うなど、山に魅せられる人はますます増加傾向にあります。
山がお好きな方の中には、「ブロッケン現象」という言葉を聞いたことがある方が多いのではないかと思います。
この山の不思議な現象、実は飛行機から見られる場合もあるのです。
ブロッケン現象とは、太陽などの光が背後から差し込み、影の側にある雲粒や霧粒によって光が散乱され、見る人の影の周りに丸い虹の輪となって現れる現象を言います。
山登りをする方々にはよく知られた現象で、山岳の気象現象として有名です。
ドイツの中北部にあるハルツ山地のブロッケン山でよく見られたことに由来するそうです。
雲の上に日に照らされて出来た自分の頭の影の周りに虹が見られたことから、「ブロッケンの妖怪」・「ブロッケンの怪物」・「ブロッケンのお化け」とも呼ばれています。
日本では、「御来迎」とか「御光」と呼ばれるようです。
このブロッケン現象は、日本でも見ることができます。
有名なのは、福島県の奥会津地方の只見町(ただみまち)。
夏の朝、川霧が発生する晴れた午前6時から8時にかけ、ブロッケン現象が見られるそうです。
つまり、気象条件が揃った状態でないと見ることはできないという訳ですね。
実は、このブロッケン現象、飛行機の機内からも見ることができる場合があります。
先ほど、山岳で気象条件が揃えば見られるとご説明しましたが、空でも同じことが言えるのです。
機内からブロッケン現象を見るために必要な条件は、次の通りです。
- 機体の位置
- 太陽の方角
- 雲の位置
- 雲量の状態 など
下の写真は、機内から見えた実際のブロッケン現象を、私が撮影したものです。
鮮明ではないのですが、虹の輪の中に影が見えますよね。
これは、自分が乗っている飛行機の影です。
2014/3/30 羽田発新千歳行ANA69便からみたブロッケン現象
また、ブロッケン現状以外にも、機窓から見らえる光学現象もあります。
ブロッケン現象も珍しい自然現象ですが、日暈(ひがさ、にちうん)という現象をご存じでしょうか?
英語ではhalo(ハロー、ハロ、ヘイロー)と呼ばれますが、このうち太陽に掛かった暈(かさ)のことを日暈(ひがさ)と言います。
太陽に薄い雲がかかった際に、その周囲に光の輪が現れる大気光学現象のことです。
こちらも、ブロッケン現象と同じで、条件が揃って初めて見られる現象ですね。
2013/3/30 羽田発那覇行ANA121便からみた日暈
上の写真も、私が過去のフライトで撮影したものです。
まるで丸い傘をさしているようですね。
もしかすると、この反対側ではブロッケン現象が現れているかもしれません。
飛行機に乗ることを決めたとき、「窓側の席を予約したし、上天気だと地上もくっきり見えて良いだろうな」と期待でワクワクしていたのに、当日は生憎の天気で、上空へ行っても雲の絨毯が一面に広がって地表は全く見えなかった…。
そんな経験のある方も多いと思います。
ですが、そんな時でも、太陽を背にして機窓から下を見てみてください。
運が良ければ、白い雲の絨毯にブロッケン現象が見えるかもしれません。
皆さまの飛行機での旅の楽しみになれば幸いです。
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