葬式をしなくても、終活は必要!死亡後の片付け・手続き、誰にも頼れない人はどうすればいい?
高齢者の孤独死で問題になるのが、後始末は誰がするのかということ。死後に発生する諸々の手続き・遺品整理などについて、家族や親戚などに頼れないときは、「死後事務委任契約」という方法があります。
こう考えていませんか?
実際には、人が亡くなるとお葬式もさることながら、その後の事務手続きや手配など、やらなければならないことがたくさんあります。
もちろん、おひとり様も例外ではありません。
「役所がどうにかしてくれる」のは最低限のことだけ。
いきなり疎遠になっていた親戚に連絡がいったり、住んでいた賃貸住宅の大家さんが、部屋の片づけ費用を負担しなければならなかったりと、周りに面倒をかけてしまうこともあるのです。
旅立った後の手続きを、自分で行うことは確実にできません。
自分の死後にやるべき事務処理や手続きを手配しておくことは、おひとり様にとって大切な終活のひとつです。
遺言書が効力を持つのは、主に「財産」に関することになります。
「負担付遺贈」などの方法により、遺言書で死後の事務処理を依頼することができますが、強制力がないため、受遺者(遺贈を受ける人)に放棄されてしまう可能性もあります。
そのため、「負担付遺贈」の内容について、受遺者にあらかじめ同意を得ておくことが必要です。
つまり、遺言書で死後の手続きを依頼するというのは、あまり上手い方法ではありません。
受遺者が一定の義務を負う見返りに、遺贈を受けることができます。
逆に、遺贈を放棄するとで、義務を負う必要がなくなります。
法改正で、成年後見人でも一定の死後事務が行えるようになったけれど…
「成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」が平成28年10月13日に施行されました。
この改正により、成年被後見人(後見によって保護される人)の死亡後に、成年後見人が火葬の手続きや医療費、光熱費などの支払いなどができるようになりました。
ただし、それを行うためには一定の条件を満たしていることが必要です。
成年後見人とは、成年後見制度により、認知症などの理由で判断力が不十分な方(成年被後見人)の保護をする人のことです。
成年被後見人が不利益を被らないように、生前、法律行為の代理、取消、財産の管理、療養看護などを行います。
これまでは、成年被後見人が亡くなってしまうと、後見人はその本人の身の回りの事務や財産を管理する権利を失うと定められていました。
ですが、実際に成年被後見人が亡くなると、成年後見人はやはり一定の事務(死後事務)を行うことを周囲から期待され、社会通念上これを拒むのは簡単ではありません。
そこで、改正法では、「成年後見人は、成年被後見人の死亡後にも、一定の範囲の事務を行うことができる」としたのです。
死後事務委任契約とは、生前に契約しておくことで、自分の死後、さまざまな事務処理や手続きをしてもらうための委任契約になります。
以下のような様々なことに対応可能です。
- お葬式や埋葬に関すること
- 医療費や光熱費の支払い
- 役所の手続き
- 遺品整理 など
個人のほか、行政書士などの専門家に依頼することができます。
その場合、契約内容によって費用が異なってくるので、自分に必要なものを把握したうえで、信頼できる専門家に相談しましょう。
他にも、自分の死後の手続きや整理を「専門家」や「その他の第三者」に依頼する方法があります。
気になる方は、一度、専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
「立つ鳥後を濁さず」という言葉があるように、自分の人生の締めくくりは丁寧に閉じたいものですね。
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