こんにちは、吉本歯科医院の吉本彰夫です。

今回は、意外に知られていない日本人の多くが勘違いしている虫歯予防に関することと、歯医者さんの分類について紹介してまいります。

「虫歯を防ぐめためには、どういう歯磨きすればいいですか？」

「歯磨きはどうすればうまく磨けますか？」

このような質問を数多く頂きます。

この質問を多くの方がされる理由は「歯磨きさえきちんとしていれば、虫歯を防げるのではないか？」と思われているから、ではないでしょうか？

実はこれ、都市伝説かもしれません。 

「え？防げないの？」と、びっくりされた方もいらっしゃるかもしれません。

昔から日本では、｢1日3回、食後３分以内に、３分間は歯を磨きましょう！｣ということを教えられていたからか、まだまだ「歯磨きをしっかりしていればいい」という考え方を怪しんでいない人が多いのです。

歯磨きだけでは、虫歯予防にはなりません。

WHO（世界保健機構）とCDC（アメリカ疾病管理予防センター）は、いずれも『歯ブラシが虫歯の予防には十分な効果を発揮しない』『清掃だけでは防ぎきれない』と発表しています。
これが世界の常識で、この現実をまだまだ知らないのは先進国の中で日本人だけです。

日本の「歯磨きをしっかりしていればいい」という都市伝説を信じるあまり、本当の虫歯予防というものから、実は大きくかけ離れてしまっているのです。

ちなみに、どのような状態の歯を虫歯と言われているのでしょうか。

虫が食ったように穴があいている状態、白い歯が黒い状態。

このような状態を一般的に虫歯と言われています。

ではなぜ、虫歯になるのでしょうか。
歯磨きができてないから？バイ菌でしょうか？
甘いものばかり食べていたからでしょうか？

実はそれ以外にも原因があるのです。
まずは多くの原因があるということを知って下さい。

病院は、小児科、脳神経外科、内科、外科、神経科、心療内科、整形外科…と細かく専門分野が明記されています。

お医者さんの看板にも◯◯外科、◯◯内科、◯◯整形外科…と、患者さんには分かりやすく標榜表示され、紹介されています。

医科と同じように歯科にも専門があります。

それぞれの専門の先生が、それぞれの立場で診断、治療を行います。

同じ患者さんのお口の中の状態を、10人の歯科医師が診た場合、10人が10人、違う診断を行うことの方が多いのです。

• 歯の予防を専門に行なう予防歯科
• 小児の歯科治療を行う小児歯科
• 歯の根っこの中の治療を行う保存科、歯内療法科
• 歯の根の周囲を治療する歯周科、歯周病科
• 噛み合わせを専門に行う補綴科、噛み合わせ科、入れ歯科
• 見た目を専門に行う審美歯科
• 顎の関節を診る顎関節症科
• 歯の根がなくなった場合に新しい人口歯根を作るインプラント科
• 親知らずの抜歯、口腔癌の手術、顎の骨を手術したりなどを専門に行う口腔外科
• 全身の管理を行う歯科麻酔科
• 歯を動かして歯の並びの治療を行う矯正歯科

歯医者さんにも専門分野、というのが数多くあるのです。

しかしながら、これらには医療広告に関する規制から看板に標榜できないようになっているものもあります。

一般の方には分かりにくく、歯科はどこに行っても同じ診断をされるように勘違いされやすくなっています。

まずは虫歯予防についての間違った思いこみをメインにご紹介しました。

虫歯予防は歯磨きだけでないということ、歯科にはさまざまな分類があること、どちらもあまり知られていなく、意外であったと思われます。

ちなみに私は噛み合わせ、咬合（こうごう）が専門です。
噛み合わせを専門とする立場からの考えを、これからコラムを通じて知って頂けたらと思っております。