子供の英語教育はいつから?バイリンガルに育つ脳の仕組みと効果的な学習のやり方

執筆者: 大澤眞知子 職業:英語教育専門家
はじめに

こんにちは、Super World Clubの大澤眞知子です。


「うちの子をバイリンガルにさせたい」

「せめて子供は英語ペラペラにしたい」

 

そう思っている親御さんは多く、昔から日本では幼児の英語教育が盛況です。

外国人に保育させる幼稚園まで出来たほどです。

 

しかし、英語が出来る日本人が飛躍的に増えたかというと、残念ながら伸びていません。

その原因は何なのでしょうか。

 

 

幼少時の英語教育に効果がない理由

実は、幼児の英語教育は役に立っていないのです。

 

「早期外国語教育と称し、DVDを聞かせたり、教室に通わせても、脳の言語部分は反応しない」。

実は多くの科学的研究が、このように証明しているのです。

 

バイリンガルに育つ脳は、生後6か月~10か月までに決まります
その期間に2か国語での語りかけ、乳児と2か国語の音でインターアクトする活動によってのみ、2か国語に反応する脳の準備が出来るのです。

脳に2か国語の言語領域が現れるのです。

 

 

しかし、2か国語の言語領域が現れるためには、DVDのような機械から出る音ではできないのです。

24時間周りにいる生身の人間からの音声であることが絶対条件です。

 

さらに、日本人の親が日本語アクセントの英語で語りかけても意味がないのです。脳は反応しません。

 

つまり、日本で日本人の両親のもとで育つ子供の脳は、いくら早期英語教育をしようが反応しないということです。
英語の情報は、日本語脳の部分で単純な短期記憶の暗記として処理されてしまいます。
だから、何年やっても後に残らないのです。

 

効果的な英語教育とは

まずは、英語教育はさせずに、脳の好奇心を満足させる経験をさせることです

無駄な早期英語教育で子供の時間を奪うより、自由に脳の好奇心の赴くままに経験をさせることです。

 

2歳~10歳の脳は、周りを観察し、その観察を自分で失敗しながら確かめ、また観察するという過程を経て成長します。

それが正常な脳の発達であり、その後の知的活動の大きな源になります。

 

英語は、「周りを観察し、周りからの情報を具体的、論理的に表現する」ことが必須の言語です。

10歳前後までに大きく情報をため込んだ脳にこそ、そこからの英語教育で英語言語の本質を理解する準備が整うのです。

 

 

1972年に世界を驚かせたRosenzweigの研究で、以下のように述べられてます。

 

周りがおぜん立てした刺激の中ではなく(習いごと、おもちゃなど)、手つかずの自然環境で好奇心を満足させた脳は、その後の「身体能力」「記憶力」「学習能力」「外からの刺激に反応する能力」において大きく勝る。


つまり、10歳前後でそのような脳の準備の出来た子供には、英語の論理性、具体性、創造性が染み入るように入って行くのです。

科学による証明だけでなく、英語教育の現場からも同様の声が出ているようです。

 

子供の英語教育は10歳くらいから。
それまでは、自由な時間の中で人間本来の脳の発達を促すことがベストです。

幼い時から、英語教室に通わされ「何も身についてない気がする」と感じてしまった子供たちは、その先ほとんど英語能力を伸ばすことなく「英語が苦手な日本人」の仲間入りをしてしまう恐れがあるので要注意です。

 
 コラムニスト情報
大澤眞知子
職業:英語教育専門家

【カナダの小さな町でボランティア】
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【全く新しいカナダ高校・大学留学モデル】
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【脳の思考過程を変える英語教材ーBig John Math】
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Super World Club(代表取締役)
superworldclub.co.jp


言語学、脳心理学と、コンピューターサイエンス、数学を組み合わせた独特の指導法を実践しています。
クリティカルシンキング、創造力を備えた日本人を作るため、英語での準備から最終ゴールのカナダ着地までをカナダの人的ネットワークでサポート。
大きな未来へコーチします。