土地・住宅などで困ったときに相談できる専門家は?不動産に関わる士業の種類と職務内容まとめ
初めまして。不動産鑑定士の田井(たい)と申します。
不動産鑑定士というのは聞き慣れない職業だと思います。
その不動産鑑定士も含め、不動産に関わる士業が、それぞれ皆さんにどのように役に立つのかをご紹介したいと思います。
宅地建物取引主任者は、いわゆる“不動産屋さん”で不動産を売ったり、買ったり、または貸したり借りたりするときに頼りになります。
不動産屋の業務の中で、チラシを作ったり、物件を案内することは誰が担当しても良いのです。
しかし、契約に際し重要事項の説明をする等、特定の業務に関してはこの資格を有する方が担当しなければなりません。
従って、不動産屋には必ずこの資格を持っている方が勤務しています。
この宅地建物取引主任者、2015年春からは「宅地建物取引士」に名称変更となりそうです。
「宅地建物取引士」の誕生で違いがややこしくなるのが「不動産鑑定士」です。
簡単に言うと、土地や建物の資産価値を調べる仕事をしています。
両者はよく似ていますが、分かりやすく宝石業界で例えると、鑑定業者と販売者に相当します。
不動産鑑定士は、価値を客観的に証明することがメインの仕事です。
買いたいと思っている人を探し出し、その価値を認めてくれる人に売って貰うのは販売の仕事です。
例えば、相続の関係で、売らないけど価値を知りたいとか、企業の合併や買収で販売用の不動産ではないが価値を知りたいという人もいます。
このように、不動産を実際に売ったり買ったりする機会は少なくても「もし売ったらいくらなんだろう?」とか「今売るべきなのか、まだ売らない方がいいのかな?」ということを知りたくなることは多いですよね。
そんな相談に乗れるのが不動産鑑定士なのです。
実はとても身近な存在なので、是非お気軽にご活用をお考えください。
税金を中心とするお金の相談に適した専門家です。
不動産には、税金関連の支出が多い一方で補助金や優遇政策など得する制度も多く用意されています。
これらを賢く活用するパートナーとして、税理士はとても重要です。
多くの士業の中でも、人数が多く認知度も高いです。
また、実際に確定申告や年末調整などで、既にあれこれ相談されている方も多いと思います。
税理士は、接待交際費の話やスーツが経費になるかならないかという話から「良い洋服屋さんを紹介してくれとか」など、様々な相談を受けているという話を聞いたことがあります。
このように、色々な相談に乗ってくれる税理士ですが、税理士一人ひとりに得意分野があるということに注意して下さい。
税の種類が多いこともあり、現在は税理士の受験科目が選択性になっています。
税理士は、法人に強い・個人に強い・資産税に強いなど、それぞれ仕事内容が分化している傾向にあります。
最近は、2015年の相続税の改正により、課税対象者が大幅に増えることが予想されます。
色々な税理士が資産税の専門家としてアピールされていますが、中には疑問符が付くようなコメントも見受けられるので注意が必要です。
知り合いの紹介ということで、どんな方か分からずに頼んでしまうことも多いと思います。
しかし、税理士に限らず、まずはご自身でも主体的にチェックし、良いお付き合いをして頂ければと思います。
士業の中では最強の資格です。
法律上のトラブルや相談を本人に代わって契約のアドバイスをしたり、相手方に交渉したりしてくれます。
従って、買ったマンションのトラブルや住民同士のトラブルなどの相談相手には最適です。
一般的に敷居が高いと思われる弁護士ですが、最近は無料で相談できる機会も増えています。
司法書士は不動産の登記に関して、行政書士は契約書の作成や官公庁へ提出する書類の作成に関しての仕事をしてくれます。
弁護士と同様に法律の知識が豊富なので、裁判にまでいかない段階のトラブル解決に頼れる存在であると思います。
どちらも土地の面積を測ることに関しては業務上の違いはありません。
土地家屋調査士は、土地や建物の測量に加え不動産の登記、特に表題部といわれる地目や住所や面積などに関して行うことが出来る登記関係の専門家であると言えます。
登記の専門家であるゆえ、不動産の権利(特に所有権)に関して詳しいです。
お隣と境界で揉めたり、土地の線引きに関する問題の解決に向けて手助けをしてくれる専門家です。
ファイナンシャルプランナー(FP)は、マネーに関する広範な知識が必要な国家資格です。
そのジャンルの一つで不動産も勉強をしています。
不動産を中心に年金や保険の相談をしたい場合は、良いパートナーになると思います。
不動産も資産という観点では、お金、株、債券、保険などと比較し、どれに投資すべきかを考えることがあります。
金融商品の知識が豊富な人による不動産に対するアドバイスは参考になると思います。
ただし、自称FPや自称コンサルタントの中には、人のトラブルや弱みにつけこんで、より問題を大きくさせてしまう人もいるのでご注意して下さい。
このように、不動産に関して専門家はたくさんいます。
自らが正しい知識を持つことでこれら専門家を上手く活用し、場合によっては彼らに頼ることなく、自らで悩みやトラブルを解決できるようになると思います。
そんな方々へ向けて、不動産にまつわる話を中心にちょっとした話題や情報を提供できればと思います。
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難しいイメージの不動産について、分かりやすく楽しいコラムをご提供していきたいと思います。あわせてホームページ(www.valuation.co.jp)もどうぞご欄下さい。
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