彼氏彼女に依存していませんか?共依存症の原因と克服方法

彼氏彼女に依存しているかどうか、セルフチェックしてみて。共依存症の原因になりやすい性格と、依存を克服する方法をカウンセラーが解説します。

執筆者: 小日向るり子 職業:心理カウンセラー
彼氏、彼女、親との関係…「共依存」をしていませんか?

こんにちは、心理カウンセラーの小日向るり子です。

 

「私って彼と共依存なのかな」「あの親子って共依存だよね」など、最近よく目にするようになった「共依存」という言葉。

今回のコラムは共依存に陥る心理とその対処法をご紹介します。

 

 

共依存とはなにか?

共依存とは「相手の問題解決のため相手以上に必死になったり、無理をしても周囲の期待に応えようとするなど、自分以外の人やニーズや感情などに注意を奪われて自分自身に焦点があたっていない人と、その相手に依存している人の関係」を指します。

 

実例 会社員の男性(Aさん)の場合

あるカップルの例です。

2人は同棲中。男性(Aさん)は会社員。


仕事中、家にいる彼女から泣きながら電話が入ります。

 

「手首を切ってしまった…死んじゃうかも」

 

Aさんは仕事を中断して帰宅します。血だらけで倒れている彼女。

急いで病院に彼女を運び、また仕事に戻ります。

 

くたくたになって帰宅すると、彼女はお酒の缶やビンに埋もれて寝息をたてていました。

いつもそうです。大騒ぎする割には一段落するとケロリとしている彼女。

自分でもバカげた行動をしているし、彼女を甘やかしているだけだと分かっているのに、1ヵ月も経たないで同じ連絡が入ると、また会社を抜け出してAさんは家に駆けつけるのです。

 

自分自身が疲れてきていると自覚はあるものの、自分がいなくなったら彼女は本当に死んでしまうのではないかと思うと、彼女から離れることができません。
Aさんは彼女の世話を焼くことで自己の存在を確認していて、彼女はAさんが自分のために右往左往することで自己の存在を確認しているのです。

こうした共依存関係に陥る人たちの心理の根底には共通した感情があります。

それは「他者の存在なしでは自分の存在価値を感じられない」ということです。

 

他者の存在によって自分を確認している

共依存関係の最たるものは母子の関係です。

 

赤ちゃんは母親から世話をされなければ命の危険に晒されますし、母親もまた、自分がいなければ子供が死んでしまうことで自分の存在意義を確認しています。


赤ちゃんは本能のままに生きています。

お腹が空いたら泣き、オムツが濡れたら泣き、眠たいと泣く。

そのわがまま放題の乳児期に「それでも愛される」という経験をすると、自分の絶対的な存在意義を確認することができます。


しかし近年のライフスタイルや家族・親子に対する価値観の変化に伴って、こうした母子関係が希薄になってきました。

自分で自身の存在意義を確認できない人々は、他者の存在によって自分の存在を確認するようになっていくのです。

 

共依存克服のためには、1人でいる時間を恐れないこと

他者に気をとられている間は自分自身を見なくて済むため、それはある意味居心地がよく、どんどんその関係にのめり込んでいきます。

 

しかし他者のために自分が生きているという関係は、その一方がいなくなったときに自分自身の崩壊を招く恐れがあります。

「もしかしたら相手との関係が共依存かも」と思ったら、できるだけ早くその関係から脱するようにしなければいけません。


1人でいる時間を意識して持つこと。そしてそれを楽しめるようになること。
パートナーがいない時間を持つことは、最初はとても不安です。

一人でいる時間を全然楽しめない、落ち着かないと思うでしょう。

でもそこで諦めるのではなく、それでもその1人の時間を楽しいと思うように努力をするのです。

パートナーがいなければ楽しめないと思い込んでいる脳の思い込みを書き換えていく作業です。


一気に離れるのではなく、少しずつそうした時間を作っていきます。

 

自己肯定感を高めて、共依存を少しずつ克服しよう

「あれ?今一人でこんなに楽しく時間を過ごすことができた」と思える時間が増えていくと同時に、自己肯定感が高まります。


自己肯定感が高いということは自分自身を大切にできているということ。
自分を大切にできる人は他者も大切にできる。
こうした関係で結びつくことが本来のパートナーとの形です。

1人でいる時間も楽しめているか?
時々自分に問いかけてみることが、共依存関係に陥らないコツです。

 
 コラムニスト情報
小日向るり子
性別:女性  |   職業:心理カウンセラー

カウンセリングスペース「フィールマインド」代表カウンセラー。
15年間の出版社勤務の傍ら、ボランティアでNPO自殺予防ダイヤルの電話相談員をはじめたことがカウンセラーを志すきっかけとなりました。
退職後は派遣やアルバイトで働きながら(社)日本産業カウンセラー協会認定産業カウンセラーの資格を取得し、その後公的機関のセクハラ相談員を経て自身の会社「フィールマインド」を設立しました。
フィールマインドサイト:http://feel-mind.net/index.html

関係(恋愛・職場・友人)/ 恋愛関係 / メンタル疾患 / 性に関する悩み/ のご相談を得意としています。
エキサイトお悩み相談室登録カウンセラー:http://counselor.excite.co.jp/